一番恐いのは人間の欲望か?!「シンプル・プラン」

ちょっと古い海外ミステリーです。
映画化もされ、話題になりました。
1995年の「このミステリーがすごい 海外編」第1位になった作品
「シンプル・プラン」。
普通の人たちが大金に出会うとどうなるか・・・?
読んでいくと恐ろしい展開が待っています。
今でも忘れられない作品。

シンプルプラン

ある雪の日の夕方、借金苦で自殺した両親の墓参りに向かうため、
ハンクは兄・友人たちとドライブをしていた。
その途中、ハンクたちは、墜落した小型飛行機の残骸を見つける。
そこには、440万ドル(約4億5千万円?)もの現金が詰まった
袋がかくされていた。
墜落した小型機の残骸には、パイロットの死体のほか何もなく
さらに、自分たちのほかだれもいない。
誰にも危険は及ばないだろうと判断したハンクたちは、
しばらくその金を保管し、いずれは自分たちで分けるため、
ごくシンプルな計画をたてた。
だが、その計画は徐々に狂い始める。

雪深い田舎を舞台で、仲間たちとその日その日を
気ままに暮らしていた、ごく普通の人たち・・・。
そういう登場人物の設定うまさ、そして徐々に狂い始める
人間の心理描写があまりにも上手い!!
淡々と展開するストーリーだが、逆に登場人物たちは
静かに静かに狂っていく・・・。
登場人物たちの動きがどう変わるのか・・・?
先のストーリー展開が全く読めず、ハラハラしながら
ページをめくった・・・・。

あのホラー小説の帝王・スティーブン・キングが絶賛した、
デビュー作とは思えない、驚異の傑作ミステリー。

『シンプル・プラン』
著者:スコット・スミス/近藤純夫訳
出版社:扶桑社(文庫)
価格:¥699(税別)