今野敏さんの文庫最新刊です。
『エチュード』(中公文庫)
警視庁捜査一課のウスやんこと、碓氷弘一シリーズ第四弾!
はまさき、このシリーズも大好きです。
なぜかというと、この碓氷刑事は、いつもちょっと変わった
パートナーと組まされるんです。
「触発」では事件が爆弾を使ったものだったので、自衛隊の
爆弾エキスパートと組んで、爆弾魔を追いつめる。
「パラレル」では、連続猟奇殺人事件の犯人を追ううちに、
役小角が転生した、男子高校生・賀茂晶と、祓い師・鬼龍光一に
助けられ、「アキハバラ」では、外国人スパイとパソコンマニアと
ともに事件を追うことになる・・・。
そして今回、相棒になったのは、なんと検察庁から
送り込まれた心理調査官。しかも若い女性だ。
中年太りと頭が薄くなってきたことを最近気に掛けるようなになった碓氷警部補。
渋谷・新宿で通り魔殺人事件が連続して発生した。しかし何故か誤認逮捕が
繰り返され、事態を重く見た検察庁は、迅速な事件解明をすすめるために、
心理調査官を派遣。しかも女性!。碓氷警部補はまたもや、変わり種の
パートナーと事件を捜査する羽目になる。
しかし、女性心理調査官・藤森紗英は、非常に優秀だった。
彼女の助言により、巧妙な「犯人すり替え」が行われていたことが
わかった。いったいどんなトリックを使ってすり替えを行っていたのか?
常軌を逸した犯人の行動に、この異色のコンビは事件解明できるのか!?
毎回、碓氷警部補の柔軟な対応に驚く!
どんなパートナーと組まされようと、相手の力を引き出す
碓氷警部補の懐の深さに脱帽する。
今回は若くて美人で優秀という、碓氷警部補がちょっと
苦手な相棒だったが、一緒に捜査をすることでお互いに
心を開き、碓氷の後押しで藤森紗英が捜査本部に
なじんでいく様はとっても良かった。
(田端捜査一課課長がまたもやいい味を出していました!)
読了後、やはりさわやかな気持ちになるのは私だけだろうか?
『エチュード』
著者:今野敏
出版社:中央公論新社(中公文庫)
価格:¥667(税別)