名探偵は、美少女の巫女!?「境内ではお静かに」

いつも、人が死んじゃったり、ホラーテイストの
ミステリーばかり読んでいる、はまさき….。

時々違うミステリも読んでみたいな…。ということで、
今回は神社が舞台のライトなミステリーを読みました。
最近はパワースポットとして人気の神社もあり、
とてもタイムリーだと思います。
装丁がとんでもなく可愛い巫女さんのイラスト。
ついつい手に取ってしまいそうです。

大学を中退し人生迷走中の壮馬。兄が神職を務める横浜の
有名な神社「源神社」で働くことに…。
信仰心ゼロの壮馬は、眼を瞠るほど美しい巫女・雫の
の弟子となり、神社の業務を学ぶ日々…。

参拝客にはとびきっりの笑顔で接するが、それ以外は
笑わない雫。何か事情がありそうだ。
壮馬への態度もちょっと厳しすぎるんじゃない?…。

壮馬が雫の態度を気にしだした頃、
神社では次々と不可解な事件が起こる!
心霊騒ぎ、子ども祭り妨害事件、神社移転反対の裏側、
就職祈願の本当の理由、などなど。

神社で巻き起こる様々な事件を、雫が鋭い洞察力で解決に
導いてゆく。

神社ではいったいどんな事件が起こるのか?
切ない展開もあるけれど、重くならずライトに描き、
日常の謎を興味深いミステリーに仕立ててある。
そして、真相解明は膝を打ちたくなるほど心地良い。
随所に「本格」の香りが漂っていて、ミステリファンは
たまらない。

また、壮馬と雫、二人の微妙な距離感に、
読んでいると胸がキュンキュンしてくる。

今後の二人の関係がどうなるか?またまた新たな
トラブルに巻き込まれるのか?
とてもとても続きが気になる、超面白いミステリー。

『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』
著者:天祢涼
出版社:光文社
価格:¥1,700(税別)