羽州ぼろ鳶組第2弾!『夜哭烏』に泣ける。

シリーズ第一弾「火喰鳥」があまりにも面白く
鮮烈に心に刻みつけられたので、第2弾も
読みました。

出羽新庄藩の火消し頭取となった、松永源吾。
彼のもとに集まった。個性豊かな火消たち。
江戸の庶民を大火から守るため、命がけで
働く男たちに胸が熱くなります。

第2弾の物語は・・・。
火事が起きた時、火元に近い大名家がまず
太鼓を打ち、それを聞いたあと町火消が
半鐘を鳴らす。それが江戸の火消のルールだが、
明らかに火事が発生しているのに、大名火消が
太鼓を打たないという奇妙な事件が相次いで
起こっていた。

現在では信じられないルール。
しかも早く太鼓を打てと督促されているのに
太鼓を打たないなんて、庶民を見殺しにするの!?
火事が起こっても町人は手が出せないなんて…。

松永率いるぼろ鳶組は、そのルールを越えて火消に
奔走した。そんなぼろ鳶組みの姿に他藩の火消たちも
黙っていない!彼らもぼろ鳶組に従った。

火事が一段落したあと、なぜ太鼓を打たないのか
調べてみると、彼らには太鼓を打ちたくても
打てない事情があり、その背後には何者かの
恐ろしい陰謀があることが判明する…。

そして、その悪の手は「八咫烏」の異名をとる
江戸一番の火消、加賀鳶を率いる大音勘九郎を
襲った!父を江戸髄一の火消しと信じる、大音の
娘がさらわれたのだ。出動を妨害される大音。
娘の命をあきらめ、江戸を救う!大音の火消と
しての矜持を全うしようとする心意気に
身体が震えるほど感動した松永は、大音一家を救い、
卑劣な敵を止めるため、部下とともに闘う決意をするが…。

松永の妻・深雪を始め、愛すべきぼろ鳶組の
面々の命を張った活躍と、火消たちの戦いぶり、
そして悪との対峙に、ワクワクが止まらない!
最高級の江戸時代エンターティンメント!

『夜哭烏 羽州ぼろ鳶組』
著者:今村翔吾
出版社:祥伝社(文庫)
価格:¥680(税別)