面白さグレードアップ!法医昆虫学捜査官シリーズ最新作!「水底の棘」

『よろずのことに気をつけよ』で江戸川乱歩賞を受賞した川瀬七緒さんの
大人気警察小説シリーズ『法医昆虫学捜査官』は、早くも3作目に突入しました。
タイトルは「水底の棘」です。

シリーズ3作品中一番面白いです!

水底の棘

警察捜査のお手伝いもしている、昆虫学者の赤堀涼子は
市の調査依頼を受けて江戸川区の河川敷の虫を捕獲していた。
ところが、虫の奇妙な行動に従い、東京湾の荒川河口まで
行くと、屍肉にたかるハエを見つける。!そこで、無残にも
虫たちに食い荒らされたと思われる男性の遺体を発見!
だが、その遺体は、虫だけでなく、動物による損傷も激しく、
身元特定は困難を極めた。
解剖医と鑑識は、絞殺後に川に捨てられたと推定。
しかし、赤堀はまったく別の見解を打ち出した。

岩楯警部補と相棒の鰐川はじめ捜査本部は被害者の
所持品から、赤堀は虫と微物からそれそれ捜査を開始した・・・。

今回は赤堀自身が遺体の第一発見者となった。
その責任感からなのか、いっそう調査に熱が入る。
岩楯警部補は冷めた目で見ているが、鰐川は妙に
赤堀になついている・・・・ように見える。
赤堀&岩楯警部補の絶妙のコンビネーションは変わらず!
毎回、相棒に変化をつけ、読者を楽しませてくれる。

虫たちだけなく、被害者の変ったタトゥーからも
捜査は行われ、詳細なタトゥーの取材が活きている。
さらに、赤堀を悩ませた微物。
虫の行動ならお手のものだが、どうしても微物の謎が解けず、
赤堀は頭を悩ませる・・・。

今回は珍しく赤堀&岩楯も決定打がなかなか出ず
最後の最後まで真相に行きつくことが出来ない・・・
だが執念の捜査でついに・・・。

捜査過程で、高慢な解剖医にNOをつきつけ、死因を
ひっくり返したり、その場の空気など読めない?読まない?
赤堀のしつこさが際立った調査方法はナイスジョブ!!
だが、岩楯&鰐川が命の危機にさらされることもあり、
クライマックスはジェットコースターなみの展開!

ストーリー&キャラクターの個性に益々磨きがかかった
とんでもなく面白い警察ミステリー!!!!

『水底の棘 法医昆虫学捜査官』
著者:川瀬七緒
出版社:講談社
価格:¥1,500