超弩級の悪女登場!「嗤う淑女」

最近、とても気になるミステリー作家さんは、中山七里さんです。
このミス大賞を受賞した作品はまだ読んでいません(すみません!)
しかし、「贖罪の奏鳴曲」「追憶の夜想曲」「テミスの剣」の
あまりの面白さに唸っております・・・。

今では、「どんでん返しの帝王」と呼ばれている中山さん・・・
わかる!はまさき、いつも騙されています。そこが良いんですが!
そんな中山さんの最新作は、超弩級の「悪女」が登場します。
タイトルは「嗤う淑女」です。
読み終わった後、やったね!中山さん!と思わずにやけて
しまったのでした。

嗤う淑女

毎日、クラスメートから壮絶ないじめを受けている、中一の野々宮恭子。
そんな頃、クラスに従妹の蒲生美智留が転校してきた。
子どもの頃にある事情があって、引っ越していった従妹。
恭子は美しく成長した美智留との再会にとまどう。しかし、
美智留によって、クラスメートのイジメから逃れ、
さらに、難病からも救われたのだ!
恭子は、美智留の美貌と明晰な頭脳に憧れ、心酔してゆく。
そして、ある事件をきっかけに二人は大きな秘密を共有することになる。
やがて、成長した美智留は、「生活プランナー」として、経済的不安を
抱える顧客を中心としたコンサルタント業を行っていた。
恭子はそんな美智留のアシスタントだ。
近寄りがたい美しさを備える美智留と、人のよさそうな恭子との
相性は抜群で、不安を抱えた顧客は何の疑いもなく彼女らに
悩みを打ち明けるのだった。

ストレスから買い物依存症となり、借金を抱えた女性銀行員。
就職活動に失敗して家業を手伝う恭子の弟。
働かず、大口ばかり叩く夫と育ちざかりの娘を抱え、家計のやりくりに困窮する主婦・・・。

美智留は彼女らに「あなたは悪くない・・」とやさしく包み込むように
言葉をかけ、解決法を示唆してゆくのだが・・・。

相談者はいずれも、美智留の美しさと聡明さに目を奪われてゆく。
美智留から発せられる優しい言葉は、魔法のように相談者たちを
包み込んでゆくのだ・・・・。

蒲生美智留はその美貌と、巧みな話術で人を操り、彼女らの人生を狂わせていく。
美智留とは一体何者なのか?
人びとはいかにして、美智留の罠に堕ちてったのか?

とんでもない悪女!の凄さが面白い!
さらに人間の醜い部分がここまで描くか!?というところまで描いてある。
その描写があまりにもリアルなため、途中でやめることが出来ない。
さらに美智留の毒々しさが強烈で、ぐいぐい引き込まれてしまうのだ。
そして気になるクライマックスは「どんでん返し」の帝王がやってくれています!
誰もがぶっ飛ぶ展開です!

『嗤う淑女』
著者:中山七里
出版社:実業之日本社
価格:¥1,600(税別)