「水車館の殺人」は驚愕の顛末!

昨年、「十角館の殺人」を読んであまりの衝撃に言葉を
失い、なんて面白いミステリ!っと絶賛させて頂きましたが、
それを超える衝撃の「水車館の殺人」!

天才建築家・中村青司が建てた館で次々に起こる凄惨な事件!

水車館の殺人

古城を思わせる、異形の建物「水車館」。
連続殺人事件が起こった館、「十角館」を建てた中村青司の建築物。

その「水車館」の主人は、幻視画家と言われた藤沼一成の
一人息子・紀一。
過去の事故で顔面を破壊され、マスクを被る日々。
さらに体も不自由になり、車椅子での生活を余儀なくされていた。
そんな紀一には、若く幼く美しい妻・由里絵がいた。
紀一は、由里絵を愛するあまり、幽閉同然にしていたが・・。

紀一は父の命日に、父の遺した絵画を関係者に公開することにしていた。
その年も、絵画を鑑賞するために、数人の客が集まった。
そこで事件の幕が開く!

藤沼家の家政婦が、塔から落下し亡くなる!警察に連絡するが、
嵐のために土砂崩れが起こり、館へは辿りつけない!そんな中!
紀一の友人である、正木が何者かに殺害され、死体が暖炉で
焼かれたのだ!
さらに、父の絵画が一点無くなり、客の一人が行方不明になった!
警察、さらに紀一やほかの客たちも、その男が正木を殺害し絵画を
盗み、逃走したと決めつけた!しかしその館からは簡単に逃走できない
密室状態だった。

それからちょうど一年後、紀一は恒例として父の絵画のお披露目を
するために、昨年呼んだ客たちを再び招待した。
ただ、違うのは、招かれざる客がいたということだ。
その客人の名は、島田潔。
昨年、事件を起こし行方不明になっている男の友人だと言う。
しかも、島田は、彼は犯人ではないと言い出した・・・・。

天候が昨年と同じ、嵐になってきた・・・。そして昨年と
同じように、凄惨な事件が起こった!!!

1年前の過去の事件と現在の状況が交互に描かれている。
同じ館、同じシチュエーション。
読んでいると頭が混乱してくる。それが、著者の狙いなのか!?
過去と現在の事件が徐々に進んでいき、最後に交差するとき!
驚愕の真相が見えてくる!!

驚異の仕掛け、ありえない顛末に絶対に驚く!!
「十角館の殺人」以上の衝撃が襲う!

『新装改訂版 水車館の殺人』
著者:綾辻行人
出版社:講談社(文庫)
価格:¥730(税別)