ガラスの仮面」で有名な漫画家の美内すずえさん。
実は、めちゃめちゃ怖い恐怖漫画を描いておられます。
あの美しい絵で恐怖漫画を描いたらどうなるか!
それはそれは、凄まじい怖さです。
「妖鬼妃伝」は表題の「妖鬼妃伝」と「白い影法師」
「みどりの炎」の3作品が収録されている。
この3作品の中で一番怖いのは「白い影法師」だ。
梅雨が始まった頃、涼子(すずこ)は、
父親の仕事の都合である女子高へ転入した。
涼子が転入してきたクラスには一つだけあいた席があった。
眼の悪い涼子はその席に座った。
しかし、そこに座った事から予想もしない出来事が頻発した。
見えない人の気配を感じる・・。冷気を感じる、
体調が悪くなる!さらに幽霊らしきものが見えたのだ!
そして、涼子はクラスメートから数年前に
この教室で亡くなった女子生徒がいるということ、
この席に座った生徒がみな6時間目くらいから怪現象
を体験し、座っていられなくなるということを聞いた。
身の危険を感じた涼子は、霊感の強い同級生に相談する。
だが・・・・。
怪奇漫画の絵柄は、いかにも怪奇ものということで、
それほど怖いと思わないが、美内すずえさんの絵柄は普段はとても美しい。
だが、それが霊であったり、霊現象の恐怖に憑りつかれた主人公の表情など
描かかれると凄みを増す。トラウマになるくらいの恐さで迫ってくるのだ。
物語も、転校してきた少女に非業の死を遂げた少女の霊が憑りつくという
学園恐怖漫画の王道をゆくストーリー。
物語の展開とその凄すぎる絵柄で、群を抜いた面白さと怖さ。
はまさき、中学校か高校の時に読んで、あまりの怖さに
絶対にわすれられない恐怖漫画となった。
大人になって改めて読んでも、その怖さは変わらない!
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『美内すずえ傑作選1 妖鬼妃伝』
著者:美内すずえ
出版社:白泉社(文庫)
価格:¥648(税別)