孤立した雪のホテルで起こる殺人「ホテル1222」

著者のアンネ・ホルトが尊敬する、アガサ・クリスティへの
オマージュで描いた本格ミステリ。

豪雪で列車が止まり、その中で殺人事件がおきた、
アガサクリスティの名作「オリエント急行の殺人」を
思わせる展開は見事。

ホテル1222

雪嵐の中、列車が脱線事故を起こし運転手が死亡。
乗客たちは近くのホテルに避難。そこで救助が来るまで
数日間を過ごすことになった。
ホテルには充分な備蓄があり、救助をまつだけのはずだった。

だが翌朝、牧師が他殺死体で発見される・・・。
吹雪は止む気配がなく、さらに救助が遅れるとの連絡が入る。

その列車の乗客で、ホテルに避難していた元刑事・ハンネは
殺人事件の調査をすることになるが、またしても遺体が発見される・・・。

吹雪に閉ざされたホテル。極限状態の中で発生した殺人事件。
そして、疑心暗鬼になる乗客たち。
さらにそこへ謎に包まれた乗客たちが・・・。

車椅子の元刑事・ハンネは静かに乗客たちを観察する・・・。
この中に犯人はいるのか?刑事時代優秀な捜査官だった
ハンネの推理が冴え渡る!

ハンネをとりまく多彩なキャラクタの動きが絶妙!
読んでいると誰でも犯人に思える。
謎の提示もうまく、同じシチュエーションの中に
放りこまれているのに読者を飽きさせない
展開は素晴らしい。

ノルウエーミステリーの女王が描く北欧ミステリの
決定版!!

『ホテル1222』
著者:アンネ・ホルト/枇谷玲子訳
出版社:東京創元社(文庫)
価格¥1,200(税別)