スリリングな展開!驚愕の結末!「ガール・オン・ザ・トレイン」

昨年、海外ミステリーでは女性向けのサスペンス小説
「ゴーン・ガール」が話題になりました。
ベン・アフレック主演で映画化されました。
今年はそういう系のサスペンスミステリーはないかなと探したところ、発見!
講談社文庫『ガール・オン・ザ・トレイン 上下』ポーラ・ホーキンズ著。
これ、面白かった!「ゴーン・ガール」はすごく面白かったけど、
ラストにもやもやとしたものが残った。
しかし、この作品のラストにはスカッとしました。

ガールオン上

ガールオン下

アル中で旦那に愛想つかされ離婚、さらに仕事も失った
レイチェル。今は友達の家に同居。
友達には嘘をついて毎日仕事に行くふりをして出かける。
レイチェルは毎日乗車する電車の窓から、
かつて自分が夫と二人で暮らした家を見る。
そこには元夫と現在の妻と子供が暮らす。
レイチェルにとっては残酷な光景。
だが、その何軒か隣に暮らす若い夫婦は本当に愛し合っている。
レイチェルはその夫婦を見ていつも空想する。
別れた夫と自分がとても倖せだった頃を重ねながら・・・。

毎日、酒を飲み自己嫌悪に陥るレイチェル。
同居する友人もあきれるほどだ。

そんなレイチェルは、ある日いつものように、元自分の家だった
何軒か隣の夫婦の家の様子を視た。
そこにはいつも妻のそばにいる夫ではなく、違う男性が居た。
レイチェルは不倫の現場を目撃したのだ!
そしてその後、その妻が失踪する!?

レイチェルは毎日見ていた彼らのことを自分のことのように
思っていた。
そして、その妻がっ失踪した夜は、レイチェル自身、
記憶がブラックアウトするくらい飲み、記憶にない傷だらけの
身体になっていたのだ。
自分の傷だらけの身体と、その妻の失踪は何らかの関係があるのか?
レイチェルはその日自分と失踪したその妻に何があったのか、調べ始める。

この物語には3人の女性が登場する。
レイチェル、失踪した妻・メガン、レイチェルの別れた夫の現在の妻・アナ。
3人が3人とも精神的問題を抱え、怯え、苦しんでいる。
その3人の女性の「記憶」が交互に登場、ストーリーが展開し事件の真相へと繋がってゆく。
女性3人の「記憶」が意外過ぎる結末を導くのだ!

3人の女性の心の闇が次第に変化してゆく様が非常にリアルに
描かれて、女性ならば共感する部分は多い。
特にアル中のレイチェルの心情にはなぜかシンパシーを感じてしまった・・・・。

「あなたは彼女を知らないが、彼女はあなたを知っている・・・」
日本では考えられない展開のサスペンスミステリー。
物凄く面白い!

『ガール・オン・ザ・トレイン 上下』
著者:ポーラ・ホーキンズ/池田真紀子 訳
出版社:講談社(文庫)
価格:上下各¥720(税別)