第31回内田樹読書会レポート

11月26日(木)に第31回内田樹読書会を行いました。
課題図書は「困難な成熟」。今回は男性4人、女性6人、合計10人で語り合いました。

★興味を持った箇所は?
【第2章 働くということ】
※人間にとって働くとは何か?
・P102 じゃがいもの皮むき器は非常に良く売れていたが、さらに色を変えて発売したらまた売れた。
・生産ラインを安定的に稼働する事が重要だったから。
・その理論は電機メーカーに一番言われていること。生産ラインの稼働が至上命題。
営業で目標に足らなければ怒られ、行き過ぎても怒られる。ちょうど良いバランスで成績を出せた人が優秀な営業マン。
・だからソニータイマーなるものが!パロディだけど、ソニー商品は、いきなり壊れるために仕掛けがしてあるとの噂が流れた。
・車のベンツにもあるかも。保証期間が過ぎたら嘘みたいに次々故障が!ベンツタイマー?
・一人暮らしした時に買った電気製品が、10年後一度に壊れちゃった。電気製品ってそんな風に作られている?
・そういうのは「場が形成される」っていうんです。例えば飛行機が墜落しちゃったらそのあと続くとかね。
●必ずしも必要なものだけを作り出すことが労働の本質ではないということです。
・「労働の本質は自然の恵みを人為によって制御すること」と言う箇所にガッテン!」
・そうだね。人間はより快楽を求めて労働という苦労を強いられている。

※組織の最適サイズ
・組織は、150人以上集まるとダメな集団に変化するという。
・働く蟻と、働かない蟻が出てくる(蜂もそういう仕組み。)
・働かない蟻は危機的状況になったら、働く。人間はどうかな?
・最近の若い人は危機的状況になっても働かない、逃げ出すと思うけど・・・おじさんが言っているからね。若い君はどうなの?
・(20代男性曰く)多分、逃げ出す。危機だと気が付かない。考えてない人は変わらないし、まだ本気出していないからと言ってごまかす。かな・・・?
・たとえば、宝くじが当たって超リッチになったら働く?それとも遊んで暮らす?
・(20代男性曰く)多分、働きます。周りの眼が気になるし、生活変わったら、「宝くじ」
当たったんじゃね?ってすぐ思われるから。
・家から出て、外国にいっちゃえばいいじゃない?
・お金に関係なく、何のために働くか・・・?
・最近の若者は、自分のやりたいことして働く、やるべきことをして働く。ということに興味を示すけれど、やれることには関心がない。と内田さんは言っている。
・もしお金があったら、自堕落で退廃的な人生を送りたい。
・それって気持ち良いんですか?自己肯定感が揺るがないくらい自己肯定感がある!?
・お金好きなように使って良いよと言われたら、変な昂揚感に陥って自堕落するでしょう?
・それでも自分がここに居ていいと思われるくらいしっかりした自分があるなんて・・・
尊敬します!
・では若者は、まじめなキャラクターを演じつつバカをやりたいです!
・バブル狂乱の時代・・・・?(終りの方に触れているけど・・・。)
・島根や鳥取でバブルは感じられなかった。
●労働は倒錯っていう考えが物凄く面白いなと。
・今の若い人は両極端?所有欲がない。身軽?家庭をもつ気が無い。放浪癖?どこへでも行く。
・でも、基盤が無いところへポンと行く勇気はない。そういう人って自信があるのか?凄く楽観的なのか?何としてでも生きてゆけると思っているのか?羨ましいと思う。
・65歳から70歳までの年金もらえない時期にどうやって暮らしていくのか、不安。
・だから、宝くじ買おうと思った(女性みな同意)
・この国の制度が瓦解しそうなのに、制度を作った人達は想像力が欠如していたのか?まさかこんなに日本人の寿命が延びるなんて思っていなかった。今の年金制度は瓦解する。
そう考えるだけで超!不安。
・でもほんとにそこまで生きていられるかわからないし、まあいいかなって思う。
・常に死を意識する。
・今日が最後。今を大事に生きればいいのかな?ほんとは揺れている。

【第1章 社会の中で生きるということ】
※取り越し苦労をしてはならない
・人間は思う通りになってしまう。
・取り越し苦労って、最悪の場合に備えて心の準備をすること。これって危険な事だって言っている。
・あまり考えすぎない方が良い。
・なぜ、楽観的なものは否定的でそうじゃないものは肯定的なの?
・それは傷つかないため準備をしている?
・悪い方に考えてそれが実現しなかったら、安心する。
・しなくて良い取り越し苦労が実現しちゃったから、もう取り越し苦労はやめよう。
・仕事だったらフェイルセイフをとる。あらかじめ失敗した時の対策をとる。それが無かったら取り返しのつかない事態に陥る。軍事作戦においても同様。

※一番小さな集団は「私」
・これは「家庭」だと思った。
・41歳寿命説の概念。
・なにかあっても、その先にあるのは笑っていたいという思い。
・流れで生きてゆく。流れ意外では考えられない。だから取り越し苦労と違う。
・一番小さな集団が願うことを大事にしていたら良いのではないかと思う。

【この本に対しての反論ってある?】
・納得できる箇所はあるけど・・・。結論ありきだし、権威を笠に着ているところもあるし、こじつけかって思うところもあるし・・・。
・この本は、内田さんのファンにとっては心地よい事ばかり。でもアンチの人にとってはひっかかることが多いかも知れない。
・時々論理が破綻している箇所があると思う。
・内田先生は自分でおばさん的って言っているから・・・。

などなど、アンチ内田先生発言も飛び出しました。バブル狂乱時代の話で盛り上がり、中2病では「おやじ」って呼ぶのはどうか・・・?とか、あと不良に憧れた女子時代、その影響は漫画「ホットロード」。また最近は制御せずにものを作っているのでは?というところから「計画、生産、販売・制御」のサイクルについてのビジネス論なども飛び出し、何でこの話になるのと突っ込みたくなるくらい脱線しまくり、司会者は制御不能に陥ってしまいました。ということで今回も閉店ぎりぎりまでトーク全開。かなり楽しく盛り上りました。
では次回12月は池田晶子「14歳からの哲学」で語りあいます!

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