第16・17回内田樹部読書会レポート

7月23日(水)に第16回内田樹読書会を行いました。
テーマ本は、前回に引き続き「下流志向」とおすすめの本。
今回は初参加の方がお一人。男性5人、女性4人の計9人でとことん語り合いました。
前回言い足りなかった分も含め、さらに司会者がとことん読んできた(?)こともあり、脱線しながらも、何とか本線からははずれず話し合いました!

●それではエッセンスを少しご紹介。
・お薦めの本から紹介して頂きましょうか?
・『愛するということ』E・フロム
世間一般の「愛」については書いていない。価値を見出した人だけ愛することができる。
規律、忍耐が肝心。恋愛も資本主義化している。すでに28刷り。
・『非社交的社交性』中島義道
自己決定論。自分で決めて自分で歩む。自分の価値観にウエイトを置いている。極端だから議論が活性化するかも・・・・。
『心臓に毛が生えている理由』『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万里

・理系を選んだ理由→就職に有利だから。企業側は論理的、合理的な人材を欲している。
・防衛大学校を希望する2面性。ひとつは給料がもらえるから(消極的な理由)
もうひとつは、国を守りたいという崇高な精神→こんなはずじゃなかったと辞めてゆく。理想が高いとミスマッチを招く。
・「就職エリートの迷走」ちくま新書
・便利になるほど人間性が失われる。
・技術は小出しにして儲ける企業
・技術系、現実はブラックボックス化している
・部品を交換するだけの技術屋はいらない
・技術っていうよりも営業力で世の中の力関係が決まる。
・ベータとVHSの規格戦争があったよ。でもいまの若い人は知らない
・その戦いのドラマは、映画「陽はまた昇る」で観られます!めっちゃ感動
・で・・・VHSが普及したのは、動機が不純なおじさんたちの力です。

・スマホマナーはメーカーに問題がある。
・子どものスマホ LINE 子どもにとっては生死問題!?
・今の子どもたち変!?一緒に遊ぶと言いながら、それぞれ別のことをしている。ゲームやる子、マンガ読む子、ラインする子。それって一緒に遊ぶ意味ないと大人は思う。
・今のこどもたち、その方が居心地が良いらしい。一緒にいてもお互いに干渉しあわない関係が良い関係。
・リスクヘッジ。親戚のネットワーク、今の時代にはつくれない。
・「かすりの芸術品」で、遠い親戚から連絡があったのには驚いた。パスをもらった気分。
・ネットワークをつくる機能が無くなったのはなぜか?どうやったら出来るのか?
・これらからはそういう人たちが増える。社会的セーフティネットが必要。

・絶望感が支配。結婚しなくて一人だったら・・・?
・寝込んだときどうする?甘えたいときどうする?コミュニティを創る?
・停電になると子供が増える!?(ニューヨーク大停電のあと子供がたくさん生まれたらしい。)
・だとしたら、東京を2・3日停電させてみたら?これで少子化回避か!?

・季節にあった生活が望ましい。
・いつからか、季節感が全くなくなった。特に年末年始。元旦はなにもしない日。
そのためにおせち料理を作っていたのに、今は元旦からお店が開いている。それって日本のいいところが無くなった感じ。は~残念・・・。

なんだか、またまた脱線!でも興味深い本も紹介して頂きました!
さて、次回のテーマ本は「呪いの時代」です!


8月27日(水)に第17回内田樹読書会を行いました。
テーマ本は、「呪いの時代」。
男性4人、女性1人の計5人でゆったりとお話しました。
月末でお忙しいのか?当日キャンセルもあったので、久しぶりに少人数の会でした。

●それではエッセンスを少しご紹介。

★みなさん「呪いの時代」いかがだったでしょう?
・後半また、「パスと贈与」の話が出ていました。
・平川克美「消費をやめる」と言う本とセットで読むと「贈与&パス」の意味が
 もっとよくわかるかも・・・グローバルな経済よりも、商店街経済。小さい規模の
 経済を考える。
・里山資本主義→都市近郊の田舎に暮らす。(インフラは整っている)
・江戸時代の都市近郊農家は非常に裕福だった!?
・本当の田舎には、インフラに使うお金が十分にない。

★「婚活」「就活」はどうなんだ!
・「~活」は嫌い。日本はなぜすぐに何でも活動にしてしまう?そういうところが嫌い。
・「婚活」で言うと、立川志の輔の「ハンドタオル」という落語が非常に面白いよ。

★自己評価と外部評価「身のほどを知れ」教育
・子どもたちの膨らんだ自己評価をいかに「身のほど」に落とすかと言う教育?
・学校ではどうなのか?教師が生徒に「身のほどを知れ」と教えたら?
・モンスターペアレンツの登場?
・学校は「事業計画」つくりに忙しく、子どもを見ていない。
・本田圭介のCMどうなの?子どもに無茶な夢を抱かせるのでは?

★「就活」に戻って・・・・
・「就活」で叩き込まれる適職イデオロギー。
・「就活」=大企業研究
・某大手就職斡旋会社等・・・「無から有を創る」のが凄い
・転職の繰り返しは適性にあった「天職」をめぐる旅→大手就職斡旋会社の思惑
・就職先の企業の思惑と学生の思惑のすれ違い。
・自分探しの旅→意味がわからない
・インドへ行って何が見つかるか?就職先が見つかるのか?
・都会での就職は確かに「研究」が大事
・田舎の就活は、先輩やコネを頼ろう!?

★「英語が要らない」奇跡の国・ニッポン
・この章を読んだら、日本って凄い、特異な国だなと感じた。
・中学・高校・大学と英語を勉強するのに、英語が話せないのは何故?
・必要ないから!→でも、10年も勉強しているのに!?→ 英語話せなくても
 まったく問題ない社会だから。
・韓国や中国とかは英語が話せないと仕事に響く。発展途上国はもっとそう。
 母語と英語の両方を使っている。
・日本は良いモノを作って世界から評価された。そこには言葉いらなかったのでは?
・日本人が英語教室に通う意味は?かっこよく見せたいから・・・かな?

★「呪い」とは?
・救済、正義、償いを求めて「呪い」の言葉を吐く!しかし自分自身も呪われる?
・「呪い」とは観念的な話では?
・呪(しゅ)に縛られる?
・言霊とは違う
・ネットの言葉→記号でしかない。
・「メラビアンの法則」→言葉と口調と見た目。言葉かだけだとインパクトがない

★「自分を愛すること」
・自分を愛することは利己的な意味ではない
・近くの人に幸せになってほしい
・自分だけ幸せになることはできない

★「おひとりさま」、これからの日本は超高齢大国。
・上野千鶴子に「おひとりさま」には共感できない?
・おひとりさまだけ集まってコミュニティを創る
・19607年代のヒッピーは10年で崩壊…。何故か。役割分担をしているにも関わらず
 働かない人が出てくるから・・・。
・学校でも‘おひとりさま’には見られたくない人たちが「便所めし」をする!?
・だから学食にはお一人様専用席がある・・・。
・あまりお一人様を推進してほしくない。何でも流行にするこの国のやり方が嫌い!
・「終活」について話をしたら、50年代の人が熱心に聴いていた。
・弁護士など話さない裏の話に興味津々。
・その年代から真剣に「自分の死」について考え、後どうするか気になる・・。
などなど、脱線しつつ、少人数でしたが盛り上りました!!最近若い方の参加が増え、
テキストに出てくる「就活」「婚活」話などで結構盛り上ります!ということでさらに
参加者募集中です。

関連記事

ページ上部へ戻る