KY刑事大活躍!「生活安全課0係 ヘッドゲーム」

SRO 警視庁広域捜査特別専任調査室」の著者、
富樫倫太郎さんのヤバいくらいに面白い、
警察小説「生活安全課0係」シリーズ第2弾「ヘッドゲーム」を
いっきに読みました!途中で止まらない!

杉並中央署生活安全課に突如誕生した「なんでも相談室」。
通称‘0係’
そこへやってきたのが、科警研の「犯罪行動科学部捜査支援研究室」で
犯罪行動心理学を研究していた、キャリア警官・小早川冬彦警部だ。
‘キャリアの警部なのになんでこんな掃き溜めに!?’
とはみ出し者たちはいぶかるが、当の小早川は全く意に介さず・・・。
そう!彼こそは場の空気が全く読めないKY警部だったのだ!

ヘッドゲーム

‘0係’に名門高校に通っていたが自殺した娘の死の真相を調べて
欲しいとの相談が持ち込まれた。
その名門高校では、今年に入り、女子生徒が二人も飛び降り自殺をしているのだ。
その自殺は統計上ありえない数字で、単なる自殺ではないと判断した
小早川は、相棒の万年巡査長・寺田高虎と高校を訪ねた。
そこで校長と教頭に「自殺ではなく、殺人では?」と
揺さぶりをかけると二人の態度は急変する。
だが、小早川らが学校を訪問している頃、三人目の犠牲者が出てしまう。

かたや、同じ生活安全課0係の樋村と安智理沙子は、ある女性から
ストーカー被害の相談を受けていた。
女性の方からの一方的な訴えで、男性に話を聞きに行くと、
ストーカー行為などやっていない、女性の方が嘘をついている
と言ってきた。
簡単に片付くと思っていたストーカー事件だったが、小早川は
この事件にも何かあると感じる・・・。

なんでも相談室には、どうでもよい事件が次々と寄せられる。
最初はやる気のなかったメンバーだが、小早川が放火事件を
解決したことでメンバーのやる気に火を点け、一目置かれる存在に。
また捜査一課からも頼りにされるようになる。

今回は、小早川がオタク系で、周りの空気が読めずマイペース
だったことで、思春期にいじめにあい、引きこもりになり、
そのせいで両親が離婚したとの過去が判明。
つらい立場にたった妹も登場する。

小早川は人間の行動心理学を研究していたため、人の心を読むことが出来る。
凄い得意技で超優秀だが、言わなくても良い事を言ってしまうので
反感を買うこともしばしば。だが、人一倍正義感が強く、心優しい人物だ。

「ヘッドゲーム」でもその能力を活かし、不可解な女子学生飛び降り
事件とストーカー事件に向き合う。
人の様々なしぐさや動きでその人が考えていることを見抜き、
相手を動揺させる。
しかし、今回は鍵になる美少女の心が読めず、窮地に!

二つの事件の真相に如何にして辿りつけるのか?
メンタリスト・小早川警部の鮮やかな推理に脱帽!

『生活安全課0係 ヘッドゲーム』
著者:富樫倫太郎
出版社:祥伝社(文庫)
価格:¥800(税別)