公安・倉島警部補シリーズ最新刊「防諜捜査」が面白い!!

今野敏先生の公安捜査官・倉島警部補シリーズの最新刊が出ました!!
「防諜捜査」です。シリーズ5作目。

第1作の「曙光の街」、第2作の「白夜街道」の中の倉島は
まだまだ頼りなく、公安捜査官の何たるか!を知らなかった。
だが、この「防諜捜査」では‘エース’となり、
「作業」を行うまでに成長している。
「エース」とは、秘密組織「ゼロ」の研修を受けた後に
「作業班」に所属し、独自に作業を遂行できる一握りの
公安マンに与えられる呼称(帯より引用)
いわゆる、公安マンのトップクラスだ。

防諜捜査

倉島は上司に呼ばれ、「作業班」への配属を任命された。
胸躍る倉島。
そんな折、ロシア人のホステスが列車に轢かれて亡くなるという事件が起きた。
早速、所轄が動き事故と自殺両面から捜査を開始した。
特に怪しい動きもなく、結局事故として処理された。
だが、中学教師が、その女性がロシア人の男性に突き落とされたのでは
と証言した。
倉島は、その中学教師から話を聞くと、ロシアにいた頃、「オレグ」と
名乗る男と知り合いになったが、その男が線路に人を突き落したのを見たという。
そして、そのオレグが、事件直前に秋葉原にいるのを目撃したと証言。
倉島はその証言を頼りに、情報提供者、出入国情報分析官の力をかり、
オレグを捜索するが・・・・。

倉島は、前作で一緒に仕事をした、片霧と伊藤、さらに、同じ係りの
ベテラン警部補・白崎とともに、作業を開始する。
彼らは様々な情報源をあたるが、オレグの影すら見えてこない・・・
まさか、俺の初めての「作業」は失敗に終わるのか・・・?

しかし、倉島は焦らない・・・。

倉島をライバル視する同僚や、公安機捜隊長との軋轢を克服しながら
事件の真相に近づいてゆく。

公安の「作業」は時に命の危機にさらされる。
しかし、倉島はどんな境遇にあっても、「楽しんだ者が勝つ」
という信念がある。

倉島の冷静さ、優秀さが際立った「防諜捜査」
また彼の成長した姿に会えてうれしい。

『防諜捜査』
著者:今野敏
出版社:文藝春秋
価格:¥1,600(税別)