祝!アニメ化決定「バチカン奇跡調査官」。シリーズ最新作は短編!

2017年夏にTVアニメ化決定です。
ファンとしては嬉しい限り!!!!

それはさておき、「バチカン奇跡調査官」シリーズ
最新作は短編集。「ゾンビ殺人事件」です。

今回の短編集は、ロベルト&平賀の他に
サブキャラクターである、FBI捜査官、ビル・サスキンス
凶悪犯罪者・ローレン&イタリアのカラビ二エリ・メデオ大尉が登場。

短編なのに、読み応えがあり、かなり面白かった。

1、チャイナタウン・ラブソディ
閑職にまわされている、FBI捜査官、ビル・サスキンス。
彼のただ一人の部下は中国人の周弥貝(ジョウミーベイ)、
通称ミシェルだ。
ある日、彼の婚約者がチャイナタウンで何者かに誘拐された。
それがどうも、妖怪のしわざらしい・・・・。
その正体は、不老不死を願いとうとう妖怪になってしまった
秦の始皇帝。彼は本当に死なない身体を求め、300年に一度
ある特徴をもった女性の生き血を飲み干す。
その特徴を持った女性こそ、ミシェルの婚約者だったのだ。
ビルは半信半疑・・・。だが実際に始皇帝とともに眠っていた
兵馬俑が、美術館でいきなり動き始めた映像を見て真実と確信。
ミシェルの婚約者を救うために、ビルも一肌脱ぐことに・・・。
そんなビッグな妖怪、どうやって倒す・・・?
中国の妖怪伝説をお姫様救出劇に変化させた、スリリングな一編。

2、マギー・ウオーカーは眠らない
世界でも指折りの科学者、マギー・ウオーカー。
トップクラスの科学者が集まる研究所の主任。
ただ、考え方はあまりにも合理的すぎて超変わり者。
そんな彼女はある日、マフィアによる殺人事件を目撃した。
夫婦らしき男女が殺され、その男児が1人遺されてしまった。
マギーは男児を助けたが、その子の面倒などみていられない・・・。
男児のグランマの住所もわかり、そこへ電話をしたのだが、
何やらきな臭い男どもが見張っているようだ・・・。
仕方なく、マギーはその子を助けることにする。
マギーは、自分をグランマと思い込みくっついてくる
男児に次第に心惹かれるが、そんな感情に一切
振り回されることなく、どうしたら助けられるのか?
一番合理的な解決策を思いつく。
子どもが苦手だけど、子どもの扱いは非常に上手い
マギーの行動力に拍手!!!!

3、絵画の描き方
ある日、平賀の元へバチカンの絵画修復士と名のる
青年が訪ねてきた。
青年は、バチカンの倉庫に眠る絵画の管理をしているようで、
その中に仕舞われていた、ある画家に心を奪われてしまった
という。修復するにしても、どのような絵の具が使われて
いるのか?調べたがどうしても解明出来ず、バチカン
科学部を訪ねてきたらしい。
平賀はその青年の熱い心に打たれ、絵の具解明に乗り出すが・・・。
結局、ロベルトに頼ることに・・・。
ロベルトと平賀は休日を返上し、絵画修復士のために
実際に絵の具をつくることなる。
その過程で、奇跡が起こる・・・というストーリー。
このエピソードはとても心が温かくなる。

4、ゾンビ殺人事件
イタリアの森で、男女がゾンビに襲われると言う
衝撃的な事件が発生した。しかも襲われた女性を
助けるためにそのゾンビを殺害したという。
ゾンビを殺害・・・?もう死んでるんだけど????
そのような怪事件は、カラビ二エリのメデオ大尉のところに
回ってくる。彼はこれまで誰も解明できない奇妙な
事件を次々に解決し、どんどん出世していたのだ。
だが、彼をサポートしていたのは、凶悪犯罪者・
ローレン。今回もローレンに泣きついた、メデオ大尉は
ローレンに心酔する、心理捜査官・フィオナとともに
捜査を開始。だが大量のゾンビが発見され、さらに
混迷を極めてしまった!?
またまたローレンの鋭い洞察力と鮮やかな推理に感心する。
海外では、やはりゾンビって信じられているのかな?

傑作な4編。思い切り堪能しました!!

『バチカン奇跡調査官 ゾンビ殺人事件』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥600(税別)