女子大生が未解決事件を捜査!?「継続捜査ゼミ」

次々と新作が発売になる、今野敏先生。
ファンとしては嬉しい限りです!!

しかも警察小説に限らず、警察小説ものに近い
変化球の作品がとにかく面白い!

最近読んだ中では「サーベル警視庁」が面白かったのですが、
今回の作品は、女子大生がゼミの勉強で携わった未解決事件の
真相を突き止める!今までにない設定のミステリー「継続捜査ゼミ」。
とても面白かったです。
登場したゼミの生徒たちがとても魅力的だったので、ファンとしては
ぜひぜひシリーズ化してほしい作品です。

元刑事で警察学校の校長職を最後に退官し、
女子大のゼミの講師になった、小早川。
そのゼミの名称は「刑事政策演習ゼミ」。

受講生は5人の女子大生。それぞれに個性的な女子たちだ。
小早川は、目黒署の組織犯罪対策課刑事総務課係の安斎刑事に
未解決事件の資料の依頼をしていた。
ゼミで勉強するにしても、やはり実際の資料から学びとるのが
一番だろうと考えていた。
そして、未解決事件の一つ、「老夫婦殺害事件」を取上げた。
当時の捜査資料を元に、それぞれが意見を交わす。
小早川は、様々な指摘をしながら講義を進めてゆくが、
やがて、彼女たちの指摘の鋭さに、彼女たちならこの未解決事件の
真相に辿りつけるかも知れない・・・と思い始めた。

当時の捜査官たちが気づかなかった点、見逃していた点、
疑問に思った点を洗い出してゆくと、新たな事件の様相が見えてきた・・・。
そして、ゼミの時間内に切がつかないと、大学近くのレストランで食事を
しながら話し出す。

そんな頃、運動部系の更衣室から、運動シューズの片方だけが
無くなるという事件が多発。
さらに、小早川と親しくなった、別のゼミの教授から身に覚えのない
写真が送られてきたと相談を持ちかけられた・・・。

学内で起こる身近な事件を、ゼミの女子大生たちと共に解決しつつ、
未解決の殺人事件も捜査してゆく。しかも大学の授業でだ。

今までの警察小説には無い、斬新な設定に興奮しつつ、
なぜ犯人はつかまらなかったのか?
何が原因だったのかをつきつめてゆく。
その過程がとても面白かった。

シリーズ化期待!!

『継続捜査ゼミ』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥1,600(税別)