心が震える!老兵たちの戦い「ライオンの冬」

ハードボイルド小説と言えば、沢木冬吾さんの作品です。
「約束の森」を読んで、沢木作品を好きになったので、
他にはないかなと調べたら、
「ライオンの冬」を見つけました。
内容は私好み!めちゃめちゃ面白そう!

伊沢吾郎、82歳。かつて日本陸軍の狙撃手として
フィリピンで戦った男。
軍人恩給で一人暮らしをしていたところに
理由ありの孫娘、結と一緒に暮らすことになった。

孫娘との生活は、ひとり暮らしの吾郎にとって、
最後のいきがいとなった。
80も過ぎてからこんなに楽しいことが起きようとは・・・
この幸せを噛みしめていた。

かたや、結は、冬になると雪で大変なことになるこの
土地で、祖父との日々は楽しくて仕方なかった。

そんな二人の生活に突如、暗雲が立ち込める。
一人の少年の失踪事件をきっかけに、雪山は
緊迫感に包まれる。

伊沢の動向を監視する、謎の男たち….。
伊沢のフィリピン時代の出来事とある事件が
クロスし、伊沢を窮地に陥れた!

伊沢と結を守ろうとする勢力と、伊沢を消そうとする
勢力がぶつかり合い、とうとう闘いが始まってしまう。

戦争で死地をくぐりぬけてきた伊沢らに翻弄される男たち。
雪山でのゲリラ戦は、老兵たちの独壇場だ!
伊沢は、大切な孫娘・結を守るため再び銃を持った!

戦争の暗い過去を背負った男たちの矜持。
フィリピンでの闘いでたくさんの戦友を
失った伊沢たち。囚われた過去を背負いながら
守るべきものを守る!
最後の力を振り絞って戦いに挑む老兵たちに
胸が熱くなる!!

沢木作品の傑作中の傑作!

『ライオンの冬』
著者:沢木冬吾
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥640(税別)