女子大生が未解決事件を捜査!第2弾『エムエス 継続捜査ゼミ2』

元警察官の教授の指導のもと、女子大生がゼミの
勉強で携わった未解決事件の真相を突き止める!
今までにない設定のミステリー「継続捜査ゼミ」に
第2弾が登場。シリーズ化されたら良いなと思って
いたのでとても嬉しい!

「刑事政策演習ゼミ」で5人の女子大生は、
「冤罪」をテーマにしようと考えた。

三宿女子大は、ここ最近何だか浮き足立っている
ような気がする。元警察官の三宿女子大で教鞭を
とっている小早川は、その原因が「ミスコン」で
あると同僚の教授から教わる。
女子大でミスコン・・・?そんなこともあるのか

そして、小早川は授業で「ミスコン」の反対運動を
推進する学生・高樹晶と出会う。
小早川と話がしたいと言った高樹は、2度ほど
研究室を訪ねてきた。ところがその直後、
高樹は何者かに襲われ、病院へと運ばれた。
それまで一緒にいた小早川は、傷害容疑で
警察へ任意同行させられる。

元警察官でも、容疑がかかれば警察は態度を
一変させる。小早川は現役時代、自分自身も
取り調べの時は、時に厳しい手段で容疑者に
自白を迫ったこともあった。
まさか、自分がそのような眼にあうとは!
しかも、自分には全く身に覚えがないのだ。

そして、その時、一般人が警察に容疑をかけられ
同行させられる恐ろしさを知る。

警察は正義の名のもとに、状況証拠だけで一方的に
責めたてる。
身に覚えのない事で、いくら「やっていない」
と言っても、その言葉は無視される。
何を言っても信じてもらえない状況、
その恐ろしさは尋常ではない。
一般人ならば、その厳しさに耐えきれず、
思わず自分がやったと言ってしまうだろう・・・。
そして、冤罪はこうして生れるのだ。

「冤罪」。小早川は身をもってそれを女子学生たちに
教えることになった。
そして、ゼミの女子学生たちは、疑われ続ける
小早川を信じ協力して事件の真相に迫ってゆく。

「警察の横暴」と「冤罪」が生まれる恐ろしさが
実にリアルに描かれていて、衝撃を受けた。
「冤罪」というテーマも重く、今の日本の司法の
あり方が問われる作品だと思った。

『エムエス 継続捜査ゼミ2』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥1,600(税別)