『SRO』『生活安全課0係』に続く新設部署誕生『警視庁SM班』!

富樫倫太郎さんの警察小説、新たなシリーズ登場です。
『SRO』(中公文庫)、『生活安全課0係』(祥伝社文庫)。
どのシリーズもクセ強めなはみだし刑事さんが
集められ、周囲をあっと言わせる大事件を解決しています。

さて、新設部署『SM班』もやはりというか
組織になじめない刑事たちが集まることに
なった。

SM班班長の薬寺松夫は太りすぎでおねえ言葉。
佐藤美知太郎は超優秀な分析官だが・・・。
糸居秀秋は、身体は申し分ないが捜査能力が・・・。
柴山あおいは女だてらに強すぎで・・・・。
そして、田淵ゆたかは・・・・。
最後に新米刑事が一人、白峰栄太は父が警察庁のキャリア。

何だかそれぞれ事情を抱えた者たち。

自己紹介もそこそこに終わり、さあどこから手を
つけようかと思っていた矢先、子供たちが
遊ぶ公園で、得体の知れない不審な男が居るとの
通報があった。

警官が向かい、男に職務質問をかけたが
男は警官の手を振り払い逃げようとした。
警官は男を捕まえるようとしたところ、
男が持っていたリュックが落ち、中から
何かがこぼれでた。
ビニールに入れられたものを
よく見ると、人間の指と耳が入っていた!

猟奇的事件発生!
SM班は配属初日からその事件の捜査を
命じられた。

参考人として引っ張られた男は、アニメの話には
食いつくものの、肝心なことは全く何も話さない。

捜査一課の取調官でも手におえないらしい。

ところが、SM班の佐藤は男の所持品から
男の特性を推察し、行動パターンを分析。
男の素性を明らかにするヒントをつかむ・・・。

そして、SM班は若い女性を誘拐し、人身売買
をしている組織がいるのではないか?
男はその運搬係なのでは・・?
ということを突き止めるのだった。

彼らは独自の能力を活かし、真相に迫る!

クセ強めはみだし刑事たちが集合し事件を解決する
警察小説は、海外ものも大好きだが、このシリーズは面白い!
とにかく、それぞれのキャラが、富樫さんがこれまで描いて
きたシリーズと比較して最も濃い!
特に、佐藤の能力が凄い!
佐藤が導き出す方向に沿って捜査をすれば次第に
真相に近づいてゆくのだ。

その過程が読んでいて非常に面白く、
もうすでにこのシリーズにはまってしまった。

捜査の過程の合間にメンバー個人の事情も
描かれて興味深い。

次はどんな事件が待っているのか?
メンバーたちの事情は明らかになってゆくのか?

すでに発売中の第2弾『警視庁SM班Ⅱ モンスター』
にも期待!次読むぞ~。

『警視庁SM班Ⅰシークレット・ミッション』
著者:富樫倫太郎
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥880(税別)