バチカン奇跡調査官シリーズ、短編集第5弾「三つの謎のフーガ」

「バチカン奇跡調査官」シリーズの短編第5弾は
ミステリー作品3編が収録。
短編だけれど、長編のような読み応え!
難解な謎に挑む、人気キャラたちに思わずニヤリ。

イタリアの次期大臣と目されている
人気の国会議員、ベルージェ氏が
雑誌のインタビュー中、何者かに
狙撃され亡くなった。
多数の目撃者がいる中での殺人。
しかし、誰も狙撃者を見た者はいない。
まるで透明人間による殺人のようだった。
この不可思議な事件の謎を解明するのは
イタリア国家治安警察隊のアメデオ大佐。
しかし、アメデオに解けるはずもなく、
またしても、「あいつ」の力を借りることに。
そして、一番苦手な心理捜査官・フィオナと
ともに事件の捜査を開始した。
【透明人間殺人事件】

チャンドラ・シン博士のもとに、親族の
叔母から連絡が入った。
「夫の遺言を誰も解読できない。解読
できないと息子が相続権を失ってしまう!
知恵を貸して欲しい!」と・・・。
暗号解読と言えば、ロベルトだ。
シン博士は、ロベルトに暗号解読を依頼する。
【ダジャ・ナヤーラの遺言】

休暇を一緒にどうか?と珍しく平賀の方から
ロベルトに誘いがかかった。
そして一緒に「蜘蛛男」が出没するという
村にやってきた。
壁を這って移動したり、車に張り付いたり
と人間ではありえない動きをするという。
平賀は本当に蜘蛛男がいるのではないかと
目をキラキラさせているが・・・。
【スパイダーマンの謎】

身勝手な人間の心の闇に斬り込んだ。
超難解なミステリーあり、
また、緻密な暗号解読の過程が面白く、
さらに親族の絆と愛情の深さに感動したり、
モンスターの意外な正体に驚愕したり・・・。

バラエティに富んだミステリー。
バチカン奇跡調査官シリーズの奥深さに
心が震えた。

『バチカン奇跡調査官 三つの謎のフーガ』
著者:藤木稟
出版社:KADOKAWA(ホラー文庫)
価格:¥720(税別)