比嘉姉妹シリーズ最新作「ぜんしゅの跫」は怖かった!

澤村伊智さんのホラー短編集『ぜんしゅの跫』
は、霊媒師・比嘉姉妹シリーズ最新作!
「鏡」「わたしの町のレイコさん」
「鬼のうみたりければ」「赤い学生服の女子」
「ぜんしゅの跫」の5編のホラー短編作品を収録。

「鏡」
子どもを授かった若い夫婦。
生まれてくるのは女の子で、夫婦は
娘の将来の幸せを願った。
夫はその日、知人の結婚披露宴に
出席する。ところが会場の
レストルームの鏡を見た瞬間
不気味な男の姿を見てしまう・・・。
「ぼぎわんが、来る」の前日譚。

「わたしの町のレイコさん」
都市伝説にまつわるホラー。
トイレの花子さんみたいな都市伝説
的なホラー話が大好きな女の子。
巷では、ゲイのレイコさんが
ナイフを片手に男の子を追いかける!!
という噂話が。その真実を調べる内に
過去の悲劇が明らかに!

「鬼のうみたりければ」
双子の男の兄弟で、兄の方が
神隠しにあって行方不明なった。
弟の方は成長し、結婚。
しかし、不景気でリストラにあった。
妻は仕事、家事、育児さらに
老いた義母の介護までするはめに!
もう限界!と悲鳴をあげそうに
なった頃、ひょっこり兄が帰ってきた!!
この人本物の兄なの・・・?

「赤い制服の女子」
事故にあい、重傷を負った男性。
入院している病院で怪事件が。
赤い学制服の女の子が呼んでいると
話していた入院患者が次々と
亡くなってしまった。
次は俺の番か・・・と思っていた
ところで!!!

「ぜんしゅの跫」
真琴と野崎の結婚式。姉の琴子は
祝いに駆け付けるが、真琴に怪我を
させてしまう!
琴子は真琴が引き受けていた
「見えない通り魔」事件の
調査に乗り出す。
かりかりかりと不気味な音を
出すそれは、巨大な化け物
だった・・・・。

「ぼぎわんが、来る」の前日譚
は不気味で怖かった。
一番怖かったのは、「鬼のうみたりければ」。
兄とはいったい何者か?ラストの衝撃は
半端なかった!
表題の「ぜんしゅの跫」は、比嘉姉妹
と化け物との対決が読みどころ。

どの作品もいったい何が出てくるのか
という怖さに対する期待感が膨らむ!
その期待を裏切らないストーリー展開に
100%満足!

『ぜんしゅの跫』
著者:澤村伊智
出版社:KADOKAWA(文庫)
価格:¥640(税別)