最強の女スパイ小説第4弾!『十三階の母』

吉川英梨さんの人気シリーズ、
最強の女スパイ・黒江律子が主人公の
「十三階」シリーズの最新作
「十三階の母」を読みました。

黒江律子は、公安の中でもエリート中のエリートが
集められた精鋭部隊、組織は警視庁の「十三階」に
属し、国家をテロリストや異分子から守るため、
時に非合法で非情な手段に出る。
盗聴・盗撮・身分偽装など何でもやる。

前作「十三階の血」で衝撃のスパイ夫婦となった
黒江律子と上司の古池慎一。
しかし、天方首相の娘・天方美月に狙われ
アメリカに逃亡し、息子と3人で束の間の
平和を味わっていた。
しかし、アメリカ滞在中、黒江は何者かに
つきまとわれる。

同じ頃、十三階のトップのもとに黒江の名を
騙った時限爆弾が届き、事態は一変!!

急遽日本へ帰国した黒江と古池。
彼らの子供は信頼する協力者に預けられた。

息子との別離で心を痛める黒江は、
自らの後継者を育てあげることで
バランスを保とうとした。
だが、古池から紹介された女性警官・
鵜飼真奈は、なんと黒江が失敗した
新幹線テロの犠牲者だったのだ。

黒江は鵜飼にテロ失敗は自分に責任が
あったと正直に告白。
彼女に罵倒されたが、その後は黒江を
受け入れ黒江の後を引き継ぐ覚悟を
決める。

「イレブン・サインズ」による
新たな新幹線テロの情報を得た十三階は
鵜飼真奈を投入した。
しかし、鵜飼の必死の捜索にも関わらず
確たる証拠が掴めず、鵜飼のミッションは
終了する。

十三階爆破未遂、怪しいテロ情報など、
十三階はこれまでにないほど不確かな
情報に振り回される。

それは「何者かの意図」によるもの
ではないか・・・?
十三階を潰そうとする黒幕とは?
壮大な「悪意」が十三階に牙をむく!

それを迎え撃つ古池。そして、黒江の母
としての覚悟が、彼女をさらに強くしてゆく。
緊迫のスパイサスペンスシリーズは
新たな局面を迎えた!?

夫婦となった古池と黒江。息子と引き離された
悲しみが黒江の心を押しつぶそうとする。
そんな黒江を深い愛情で支える古池の姿が
ひと際心に刺さった。

次回作が楽しみで仕方ない。

『十三階の母 警視庁公安部特別諜報員・黒江律子』
著者:吉川英梨
出版社:双葉社
価格:¥1,540(¥1,400+税)