ハマの用心棒シリーズ、文庫最新作!「スクエア 横浜みなとみらい署暴対係」

今野敏先生の「スクエア 横浜みなとみらい署暴対係」
を読みました。
今野先生、人気シリーズの一作。
ハマの用心棒こと、諸橋係長と城島
コンビが不動産詐欺の事件に挑む!

横浜・山手の廃屋で、二つの遺体が発見された。
一人は中国人で長く日本に住んでいて横浜中華街の
大物だった。
そしてもう一体はすでに白骨化し身元不明だった。

その事件にマル暴が絡んでいるとの情報があり、
マル暴に強い、みなとみらい署・諸橋係長
と相棒の城島に県警本部長から直々に
捜査に参加するように特命が下った。

被害者は中華街で一財産を築いたが、
三年前から消息不明だったらしい。
ところが、捜査が進むと被害者の中国人
が別人だと判明する。

さらに、所有者不明の土地を利用した
不動産詐欺事件が浮上する。

白骨遺体は何者なのか?
暴力団が詐欺事件にどのように関与したのか?
諸橋たちは真相究明のために奔走する!

捜査一課担当の殺人事件、捜査二課担当の
詐欺事件。そこへさらに暴力団関与となると
どこの課が仕切るのか?揉めそうだが
無理なく話が展開されて、警察小説として
読んでいて興味深い。

諸橋と城島の捜査のやり方に納得が
いかない警務部監察官の笹本は、本部長
命令で捜査に参加する諸橋たちにべったり
張り付く。
しかし、次第に彼らのペースにはまってゆく
過程の描き方は今野先生らしくかっこいい。

また、県警本部長が「神風会」の組長・
神野に興味津々なところがちょっと笑える。

今作も横浜を愛する、諸橋と城島の強い
思いがあふれている。

『スクエア 横浜みなとみらい署暴対係』』
著者:今野敏
出版社:徳間書店
価格:¥891(本体¥810+税)