監禁パニックホラー!「ママ」

窪田正孝さん主演で映画化が決まった、
衝撃ホラー「スイート・マイホーム」の著者
神津凛子さんの第2弾「ママ」を読みました。

なぜ自分がこんな目に合わなくては
ならないのか?
娘と二人、健気に生きる母親を襲った
突然の恐怖!

シングルマザーの後藤成美はパートで生計を
立て、一人娘のひかりと二人慎ましく暮らしている。
貧しいけれど、ひかりがいれば何もいらない。
愛する人が残してくれた唯一の生きがい・・・。

パート先では、成美と同じ境遇のママ友もできた。

しかし、成美たちが暮らす団地で隣人の行き過ぎた
おせっかいに頭を悩ませていた。
成美はその隣人に、「どうしても母になれなかった女」
を感じ、自分の母親と似ていることで、嫌悪感を
抱いていたのだ。だが・・・。

ひかりから決して目を離してはいけないと
改めて誓ったその後、突然、首を絞められ
意識を失った。
目を覚ませば見知らぬ密室で手足を拘束されていた。
一体なぜ?
成美をよく知ったような態度で迫る、目の前の男は
誰なのか? 娘のひかりはどうなったのか?

なぜこんな目に合わねばならないのか?

恐怖と絶望に支配される成美。
このまま死んでしまったら、ひかりに会う
ことはできない。
絶対にひかりのもとへ行く!
その思いだけが成美を動かす。

成美とひかりの小さいながらも幸せなひとときの
シーン。読んでいると泣けてくる。
だからこそ、この監禁シーンの異常性が際立つ。

男が成美を監禁した目的とは何か?

戦慄の展開だが、圧倒的なリーダビリティで
最後までいっきに読ませられた。

『ママ』
著者:神津凛子
出版社:講談社(文庫)
価格:¥770(¥700+税)