前代未聞!タイムリープ×法廷劇「幻告」

五十嵐律人さんの「幻告」(講談社)読了。
SF的展開とミステリーと法廷劇がミックス
され、今まで読んだことのない衝撃が
味わえる!

裁判所書記官として働く宇久井傑(うぐい・すぐる)。
ある日、法廷で意識を失って目覚めると、そこは、
父親が有罪判決を受けた、5年前の裁判のさなかだった。
傑が幼い時、父親が母親が離婚し、父親は
別の家庭を持った。
その父がなんと娘に強制わいせつを働いたというのだ。
傑にとってその事実はあまりにも衝撃的だった。
父は無罪を主張したが、判決は変わらなかった。

傑は、当時の事件資料を読み込み、
父親が冤罪である可能性に気づく。
そして、タイムリープを繰り返しながら真相を
探り始める。

タイムリープは、過去に影響を与えるため、現在が
少しづつ変化し、これまでの仲間たちをを喪ってしまう。
それでも、過去と未来を往復する中で、相関関係にある
いくつかの事件の存在も明らかになってくる。

傑がタイムリープするたびに真相に近づいてゆく。
父の冤罪を晴らしたい、その思いが強くなって
ゆくが、最悪の事態が傑を待ち受ける。

緻密な時間軸設定、複雑に絡み合う事件、人物たち。
これほどまでに複雑な物語を見事に着地させて
しまった手腕に瞠目する!

父親の冤罪を明らかにする、その先の理不尽な
死が待つ未来を変える!

SF的タイムリープ×ミステリー×迫真の法廷劇
×どんでん返しに次ぐどんでん返し!
究極の面白さが詰まった前代未聞のリーガルミステリー。

『幻告』
著者:五十嵐律人
出版社:講談社
価格:¥1,870(¥1,700+税)