アウエーでも信念を貫く竜崎がかっこいい!隠蔽捜査シリーズ最新刊『宰領』

今野敏先生の大人気シリーズ「隠蔽捜査」の待ちに待った最新刊『宰領 隠蔽捜査5』を読みました。面白すぎて一気読み!!
今回は大森署署長の竜崎が、東京と神奈川県をまたいで起こった、誘拐事件と殺人事件の捜査のため、神奈川県警の本部で指揮をとることになります。
警視庁と神奈川県警の確執は周知のことですが、そんな完全アウエーの中で竜崎はどう采配をふるうのかが読みどころなのです。
国会議員が何者かに誘拐された!運転手は殺害され、車は乗り捨てられていた。
被害者が国会議員とあって、竜崎は現場に出かけて行く。
大森署に指揮本部が置かれることになり、警視庁からSITも呼ばれた。
やがて指揮本部に犯人と名乗る男から電話入る。
国会議員が連れ去られた場所は神奈川県であることが判明。
まず誘拐された議員の救出を優先するため、その方向で捜査は進められるが、すべてが神奈川県に関わってくる。
神奈川県警に前線本部を置くことになり、竜崎は伊丹から前線本部の指揮を任される。竜崎にすれば一介の所轄の署長がなぜ!と思う。
しかし伊丹の決心は変わらない。
何かとライバル視してくる神奈川県警の曲者たちと同等に渡り合えるのは、竜崎しかいないのだ。その意を汲んだ竜崎は伊丹の命に従うのだった。
原理原則に従い、自分の信念を貫く竜崎は物事の本質を見極める眼が確かだ。
事件の本筋を見誤ることなく、神奈川県警の前線本部でどう指揮を執るか・・・・?
今までは、竜崎ってちょっと天然入っているかなと思ったことが何度かあったけど、どうもそうではないことがこの回ではっきりしたように感じた。竜崎的人間攻略が面白いです。!!
チームをまとめ、物事をいちはやくしかも確実に成し遂げるために何が大切なのか!?「宰領」を読むとよくわかります。
「宰領」は警察小説でもあり、ミステリー小説でもあり、なんと!!マネジメント本でもあるのです。
『隠蔽捜査』シリーズ、読み終わった後の爽快感は最高です。
『宰領 隠蔽捜査5』
著者:今野敏
出版社:新潮社
価格:¥1,600(税別)