『SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室』シリーズの新刊が
発売されました。文庫ではなく、単行本です。
シリーズ番外編という形です。
シリアル・キラー近藤房子はどのようにして殺人鬼になったのか・・・?
近藤房子が自らを語る!
シリーズ5で瀕死の重傷を負い、入院中の近藤房子のもとを
SRO室長・山根新九郎と、副室長・芝原麗子がたずねた。
彼らの目的は、房子の自供だ。
前作で発見された遺体は20体以上。
一人の犯行では考えられない数だったが、山根はまだ行方不明の遺体が
あると考えていた。
房子は嬉々として自身の過去を語り始める。
異常な親子関係は房子の心を蝕んだ。
幼い房子が日々考えたことは、生き延びること。ただそれだけだ。
房子が非常に頭が良いのは、どうやって生きていくかをつねに考えていたからだ。
だが、いつのまにか、邪魔者は排除するという意識が湧き上がる・・・。
人を殺す行為を、身勝手な論理で正当化してきた房子。
何の罪も感じず、ただ愉悦に浸る房子。
それはおぞましいモンスターだ。
このモンスターの言い分に読んでいて時に共感を覚える自分がいた。
恐い!私!大丈夫か!?
あまりにも衝撃的な房子の過去に、時間を忘れて読みふけって
しまった。
キラークイーン・近藤房子が出来るまで・・・。
面白かった。
『房子という女 SRO警視庁広域捜査専任特別調査室 episode0』
著者:富樫倫太郎
出版社:中央公論新社
価格:¥1,500(税別)