渋谷署強行犯係シリーズ復活!「虎の尾」

今野敏先生の人気シリーズ「渋谷署強行犯係」復活しました!
このシリーズもはまさきは大好きです。

主人公は整体師の竜門さんですが、
はまさきはなぜか渋谷署強行犯係の辰巳刑事に
惹かれます。

事件が起きると、腰痛の治療と称して
整体師・竜門さんのところへやってきて
ぶっきらぼうに事件の概要を話す。
その話し方がいかにも雑談風だけれど、
暗に竜門さんの協力を煽ぐ。
このぶっきらぼうさと、否を言わせぬ
内に秘めた捜査への執念が伺えて好きなのです。
このシリーズでは、辰巳刑事のプライベートな部分など
いっさい描かれないので、ちょこっと知りたいなと
思う時があるのです。
竜門さんも辰巳刑事のやり方にうんざりしている
はずなのに、結局事件に関わることになってしまう。
このコンビいいなあと思います。

さて、久しぶりの事件は?

虎の尾

渋谷・宮下公園で、連続して傷害事件が起こった。
整体師の竜門はニュースでそれを知った。
そんな時、ふらっと渋谷署強行犯係・辰巳刑事が
竜門の整体院にやってきた。
事件が起きるとやってくるくせに、
口癖は「また腰痛が出ちまって!」だ。
竜門も「定期的に施術をやらないと腰痛は治らないですよ」と言う。
これは二人の合言葉のようなものだ。
辰巳は早速竜門に事件の話をする。
傷害事件の被害者は、浮浪者風の男に一瞬で関節をはずされ
身体には特徴的な痣が残っていた。
空手の使い手ではないかということで、竜門に話を聞きにきたのだ。
「傷を見て、どんな技でやられたのかわかるのか?」と
問われたが、それだけでは、竜門にも見当がつかなかった。

さらに、竜門の師匠・大城が沖縄から突然状況してきた。
大城もまた、この事件に興味を持ったらしい。
だが、事件に興味があるというだけで、80歳にも
なる大城がわざわざ沖縄から上京してくるのか?
竜門は大城は何か気掛かりがことがあって上京してきたのでは
ないかと考えた。

傷害事件の犯人を探るため、辰巳・竜門・大城の3人は
夜の渋谷へ繰り出した・・・。

久々の辰巳&竜門コンビ。
相変わらずの掛合いが嬉しい。
そして今回は、竜門の師匠の大城先生が
とても魅力的。
可愛い弟子の心配をする優しき師匠!

そして一番の読みどころはやはりアクションシーン!
空手の対決シーンは圧倒的な迫力で実にリアル。
空を切る音が聞こえてきそうなほど。

読み応え十分の警察アクション小説です。

『虎の尾 渋谷署強行犯係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店
価格:¥1,600(税別)