緊迫感あふれる追走劇!「ダークナンバー」

クールすぎる、警視庁刑事部分析捜査係の女刑事と
野心家で超上昇志向・TV局の女性記者が
タッグを組んで、連続放火犯を追う。
緊迫度MAXの本格警察小説。

警視庁刑事部分析捜査三係の渡瀬敦子は、
プロファイリングで捜査本部のサポート
を行う。

現場の刑事たちからは、「プロファイリング」
は全くあてにされていないが、渡瀬は絶対に
引かない強さを持っている。

そんな渡瀬は、東京小金井市~小平市~
西東京市で起きている連続放火事件を追っていた。
監視カメラとプロファイリングで事件の
発生予測地点を示すが、外れるばかりで
捜査本部からの反発が強くなっていた。

一方、ある事件報道のミスで閑職へ飛ばされた
東都放送報道局の土方玲衣は、記者復帰を狙い
中学の同級生だった、渡瀬に接触する。

難事件に挑む女性捜査官―。視聴者の注目を
集める内容を看板番組「ニュース・Ⅹ」で
取り上げることを思いついたのだ。
渡瀬には土方にNOと言えない弱みがあった。

土方は渡瀬の番組をより盛り上げるため、
連続放火事件と同じころ埼玉県で発生していた、
連続路上強盗致死傷事件を調べていた。

やがて、土方は二つの凶悪事件がある線で
繋がっているのではないかと気づく。
二人は情報共有し、この事件の背後にある
驚くべき事件の真相にたどり着く・・・。

そして、衆議院選挙の開票日、土方は
前代未聞の事件中継を画策する!!

複雑にからむ二つの事件。
次第に明らかになる犯人像。
犯人の目的は一体何なのか?

さらに、クライマックスの犯人追走劇は、
土方、渡瀬、犯人と3人の視点で描かれ、
それぞれの思惑が交差し、緊迫感が半端ない。
土方と渡瀬の執念は犯人確保につながるのか!?

警察捜査の過程の面白さ、意外な犯人像と
事件の真相に驚愕しつつ、
渡瀬と土方、二人の女性の仕事に対する
強い思いが心に突き刺さった作品。

『ダークナンバー』
著者:長沢樹
出版社:早川書房
価格:¥960(税別)