ミステリーファン垂涎!新作読みきり満載「宝石ザミステリー2016」

ミステリーファンなのに、知らなかった。
こんなに凄い、ミステリアンソロジー集がでているなんて!
不覚!!!!!

ずらりと並んだ作家さんたち。
短編だけれど、すべて新作読み切りなんです!
新作ですよ~。

東野圭吾氏、今野敏氏、湊かなえ氏、東川篤哉氏
若竹七海氏、小杉健治氏、長岡弘樹氏、田中啓文氏
深町秋生氏、大宅誠一郎氏、長沢樹氏、葉真中顕氏
12名のミステリ作家さんたちの競演・競作です!

宝石ミステリー

東野圭吾「水晶の数珠」
主人公の男性の家に代々伝わる水晶の数珠。
それを受け継ぐのは長男のみ。
不思議な力を持つ水晶・・。
父の遺言とともに受け取った水晶の秘密に驚愕する。

今野敏「不眠」
機動捜査隊に配属された高丸は、ある日突然
原因不明の「不眠」に襲われる!?
日頃の仕事にも影響が出始めたころ、
高丸は追突事故を起こしてしまう!
だが・・・・。

湊かなえ「ポイズン・ドーター」
毒母親の呪縛から逃れようとする女優は、意外な形で
それを告白することに・・・
娘のためと言いながら、すべて自分の都合の良い方向へと
娘をコントロールする執拗な母親、そこから
逃れられない娘の苦悩が、リアル過ぎて怖い。

東川篤哉「博士とロボットの不在証明(アリバイ)」
しゃべるロボットを発明した博士だったが、ある男から借金を
返せと督促される。
その怒りをロボットに発散すると、ロボットはなんと
そんな奴は殺してしまえばいいと言い出した。
博士は妙に納得して、二人(?)はアリバイ工作を始める・・・。
ユーモアにますます磨きがかかる!傑作です。

メインの4方の作品はものすごく面白かったですが、
他の方々の作品で印象深かったのは、

葉真中顕「サブマージド」
カルト教団に傾倒し、犯罪に加担した兄を持った
妹。その兄を絶対に許さない姉。
だがある日、妹は兄が遺体となって発見された
ことを知る。罪を償ったあと兄がどうしていたのか
を探るため、一人、兄の遺体を確認しに向かう。
カルト教団という社会的大きな事件を扱い、
とびきりのミステリーに仕上げた短編ながら
濃密な作品。

田中啓文「猿の惑星チキュウ」
SF。月から帰った主人公は、街中で人間のように
洋服を着、人間の中に普通にいる猿を目撃する。
だが、それは一瞬で消えてしまった。
その現象は、ある時期を契機に猿が進化した次元と
人間が進化した次元が交差し始めているからだ!
と、とんでもないことになっていた!
この展開はとっても面白くて、
SFをあまり読まないはまさきも楽しめた。

とにかく、面白いミステリー新作が満載です。

『宝石ザミステリー2016』
著者:小説宝石特別編集
出版社:光文社
価格:¥1,500(税別)