タフでクールな女探偵登場!「探偵は女手ひとつ」

タイトルに惹かれて読みました。
深町秋生さんの「探偵は女手ひとつ」(光文社)。

山形を舞台に描かれた、探偵小説。
山形弁がすご~く効いている!!

小学生の娘と二人で暮らす、シングルマザー探偵の
椎名留美は、農家の手伝いや高齢者のおつかいなど、
最近では、ほぼ便利屋と化していた。

山形では、探偵に依頼する事件などあまりない。

ある日、元の上司である警察署長から、
さくらんぼ盗難犯を突き止めて欲しいという
依頼が入った。
久しぶりの探偵業らしい仕事の依頼に
張り切る留美だったが….。

ヤクザから依頼された人探し、イケメンに
つきまとうストーカー退治、などなど….。
地方でも起こりうる事件の闇をあぶり出し、
その事件に翻弄される人間ドラマを臨場感
たっぷりに描き出す。
リアル過ぎる設定と丹念な人物描写が魅力だ。

そして、物語をさらにリアルに感じさせてくれるのは、
ご当地言葉で交わされる会話シーン。
冷酷な事件もあまり恐ろしく感じないのは
このご当地言葉のおかげかもしれない。

過疎にあえぐ地方都市で、自分らしく生きる
クールでタフな女探偵がとてもかっこいい!

『探偵は女手ひとつ』
著者:深町秋生
出版社:光文社
価格:¥1,500(税別)

鮮やかすぎる!謎解き『アリバイ崩し承ります』

大山誠一郎さんの『アリバイ崩し承ります』を
読みました。
「アリバイ」に特化した謎解き!眼からウロコの展開!!

県警本部捜査一課の新米刑事は、時計修理に立ち寄った
その店で「アリバイ崩し承ります」の貼り紙を発見する。

今抱えている事件で、犯人のアリバイがどうしても崩せない
新米刑事は思わず店主に相談をする。

事件の経緯を語ったあと、その店主は清々しい顔で
「時を戻すことができました。アリバイは崩れました」
とあっさり言い切った。

ストーカーと化した元夫のアリバイ、
郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ、
山荘の時計台で起きた殺人のアリバイなど・・・
様々な事件のアリバイを目の覚めるような
推理で鮮やかに崩す!

時計店を営む若き女性店主・美谷時乃が、
時計販売や修理で商いをしながら、
なんと‘アリバイ崩し’も行うという時計屋探偵小説!

練りに練られた7つのアリバイ。
その謎が明かされる過程は、驚きの連続!

ミステリの王道「アリバイ」崩しが思う存分楽しめる!

『アリバイ崩し承ります』
著者:大山誠一郎
出版社:実業之日本社
価格:¥1,500(税別)