見事な仕掛け!?「8つの完璧な殺人」P・スワンソン

「時計仕掛けの恋人」「そしてミランダを殺す」
「ケイトが恐れるすべて」「アリスが語らないことは」
「だから、ダスティンは死んだ」、
など、著者の描くミステリー作品は予測不能!
いつも、信じられない結末に息をのむ展開!
そして、最新作「8つの完璧な殺人」は
なんと、ミステリーの名作が8つも登場!
著者の名作ミステリーへのオマージュが半端ない!

雪の夜、ミステリー専門店店主・マルコムの
もとへFBIの女性捜査官が訪れた。

マルコムは10年前に、完璧な完全殺人を描いた
犯罪小説8作品をリスト化し、お店のブログに
掲載していた。

その8作品とは、
「赤い館の秘密」A・A・ミルン
「殺意」フランシス・アイルズ
「ABC殺人事件」アガサ・クリスティ
「アクロイド殺人事件」アガサ・クリスティ
「殺人保険」ジェイムズ・M・ケイン
「見知らぬ乗客」パトリシア・ハイスミス
「The drowner」ジョン・D・マクドナルド(邦訳なし)
「死の罠」アイラ・レヴィン
「シークレット・ヒストリー 黙約」ドナ・タート
ミステリーファンならば一度は手に取っているはず・・・・。

その捜査は、この「完璧な殺人」を模倣した
連続殺人が起こっているという。
犯人は、マルコムが掲載したリストに従って
殺しているのか?

犯人はなかなか浮かび上がってこない。
マルコムはリストにある完璧な殺人を描いた
作品をよく知っている。疑惑の渦中にある。

著者がどれほど上記の8つの作品を読み込んで
いるのか・・・?わかる。
作品の中で行われる殺害方法を研究し
応用し実行する。

著者の巧妙な仕掛けにはまり、思いも
よらない方向へと導かれる。

名作ミステリーのストーリーも楽しめて、
さらに、本編の謎解きも楽しめる!
2重の面白さに、ワクワクが止まらない!

海外ミステリーファンには超おススメの1作。

『8つの完璧な殺人』
著者:ピーター・スワンソン/務台夏子(訳)
出版社:東京創元社(文庫)
価格:¥1,210(¥1,100+税)