宮部みゆき初期の傑作!

宮部みゆきと言えば「火車」が代表作ですが、「火車」以前の作品で、ものすごく面白い作品が結構あります。「魔術はささやく」はその一つ。第2回日本推理サスペンス大賞を受賞した、サスペンス小説の傑作です。

物語の始まりは、社会面のありふれた死亡記事。一人めはマンションの屋上から飛び降り、二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。三人の事件は全く関係性がないように見えるが、実は巧妙に仕組まれたものだった。逮捕されたタクシー運転手の甥・守が知らず知らず事件の真相に迫っていた・・・。

宮部さんの小説の面白さは物語の展開のもっていきかただと思います。この作品も、3つの事件を通してどのように繋がってくるのか?事件の原因は何なのか?説明ではなく登場人物たちの動きを通して次第に明らかにされていきます。その過程が面白く描いてあり、読み出したら絶対に止まりません。時間を忘れて読んでしまいました。

ミステリアスでドラマティックな展開。ミステリ小説が苦手な人も読めると思う。

『魔術はささやく』
著者:宮部みゆき
出版社:新潮社
価格:¥670(税別)

衝撃度NO1のサスペンス小説の傑作!

サスペンス小説で、はまさきが一番衝撃を受けた作品です。
「火の粉」。著者は雫井脩介。

最近では映画化された「クローズド・ノート」が有名です。「火の粉」は、超自己中心的な人間の恐ろしさがこれでもか!と描かれている、ある意味ものすごく恐い作品です。

二年前、殺人の罪で裁かれていた男に無罪判決を下した元裁判官。その男が元裁判官の隣家に越してきた・・・。優しく、愛嬌があり、良く気のつくこの男は次第に元裁判官の家族と親しくなっていきます。

しかし・・・!読みすすめていくと、じわじわとおぞましさが背中を這うような不気味な感覚です。中盤以降は衝撃度が増し、ほとんどいっき読み状態。恐いけど面白い!だから止められない。そんな作品です。

はまさきセレクト「ミステリー好き太鼓判!サスペンス小説ベストセレクション」の一押し!

『火の粉』
著者:雫井脩介
出版社:幻冬舎
価格:¥762(税別)