「ST 警視庁科学特捜班」とうとう連続ドラマ化!

今野敏ファンには超!嬉しいニュース!
昨年スペシャルドラマ化された、「ST警視庁科学特捜班」が
7月より連続テレビドラマ化です!

絶対に、連続ドラマ向けだと確信していたはまさき!
もうやった~という思いでいっぱいです。

演じる役者さんたちもスペシャルドラマのときと
ほぼ同じということでワクワクしています!

ST

今野先生の描かれる警察小説と言えば、
「隠蔽捜査」シリーズ、「安積班」シリーズ、
「強行犯係 樋口顕」シリーズ、「碓氷弘一」シリーズ
「倉島警部補」シリーズなど、本格的で正統派の
警察小説が多いです。

しかし、この「ST 警視庁科学特捜班」シリーズ
は、架空の新設部署を舞台に強烈な個性の持ち主の
科学捜査員たちが刑事たちから疎まれつつ、一向に
気にせず、徹底的に自分たちの方法を貫いて
事件解決に協力するという、かなりコミカルな
部分が強調されているシリーズです。
ドラマ化に合わせ、原作本の方は新装版で発売!

5人のSTメンバーたちの活躍が痛快!
小説が非常に面白いので、ドラマはかなり期待できそうです。

この連続ドラマ化を記念して、またまたフリーペーパーの
改訂版まで作成したはまさき。今井書店各店にて配布予定です!
今からドラマ放送が楽しみでなりません!

『ST 警視庁科学特捜班 Episode1』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥660(税別)

「Jジェイノベル6月号」は西澤保彦先生特集!

3月29日に、本の学校で開催しました、「探偵が腕貫を外すとき 腕貫探偵巡回中
刊行記念 西澤保彦さん トーク&サイン会 腕貫探偵ができるまで」の
トークショーの模様が「Jジェイノベル6月号」に掲載されました。
先生の聞き役は、はまさきが務めさせていただきました。
今回のトークショーの模様が写真入りで掲載されています。

Jノベル6月号

念願かなって西澤先生にお会いでき、ミステリー作家になったきっかけやら、
参考にしている作品などについて、さらにあの超面白い
「腕貫探偵」シリーズについても根掘り葉掘り聞いてしまいました!!
その問いかけに対し、常に真摯に答えてくださり、お話を伺っているとき
とてもとても楽しかったです。

その時に先生がお話になったことがほぼ掲載されています。
西澤先生ファン、腕貫探偵ファンの皆様、どうぞお読みなってください!
西澤ワールドが広がっています!

『月刊 Jジェイノベル 2014年 6月号』
出版社:実業之日本社
価格:¥509(税別)

‘どんでん返し’ミステリー!PART3「星降り山荘の殺人」

倉知淳さんの「星降り山荘の殺人」を読みました!
登場人物たちが、雪深い山荘に閉じ込められ、そこで殺人事件が
起きるというもの。
招待された人たちがみな山荘に集結したあと、
下界では、大雪のため交通網・連絡網が麻痺!
そのため、誰も山荘には入り込めない。
だから、招待者の中に犯人がいる!という設定。

星降り山荘

この作品の面白いところは、
場面が変わると、作者のメッセージがあらわれるところ。
これをスルーしてはいけません。しかしそれは
ミスリードを誘うのか?それともミステリー解決のヒントなのか?

だから身構えて読んでしまいました。
そして気を抜かずに、気になるところは図と照らし合わせ、
下手するとメモまでして読んだというのに・・・・・!!
なんのことはない!
やはり、やはり、私の予想をはるかに超え、「うっそ~」と
思わず声が出たのでした。

解説は「腕貫探偵」シリーズの西澤保彦先生が書いていらっしゃいます。
この解説もとても面白いですよ~。

ここのところ、こういうミステリーばかり読んでいて
頭がくらくらしそうです。
なぜか、騙されたくて読んでいるんだな~。
これが病み付きというものか・・・。

驚きたいひとにぜひおススメ!

『星降り山荘の殺人』
著者:倉知淳
出版社:講談社(文庫)
価格:¥752(税別)

‘どんでん返し’ミステリー!PART2『葉桜の季節に君を想うということ』

前回書いたどんでん返しミステリー「十角館の殺人」
すごい衝撃でしたが、この「葉桜~」はさらにひねりが効いています。
既読者から、凄いびっくりするよ~と言われていたので、
絶対に気を抜かずに読みました。
読んだんですけど~~~~
見事にやられました!

『葉桜の季節に君を想うということ』歌野晶午
あらゆるミステリーの賞を総なめにした名作。

警察小説メインのはまさき、まだ読んでいないミステリーの世界があった。
やめられない!病み付きになってしまった!

このひねりにひねった「どんでん返し」テクニック!
言葉もありません・・・・!

葉桜

元私立探偵・成瀬将虎(昔っぽい名前だね!)は、
同じフィットネスクラブに通う愛子から、悪質な
霊感商法の調査を依頼される。
そんな折、自殺を図ろうとしている女性を救った!
その女性、麻宮さくらと運命的な出会いをした
将虎・・・・。

霊感商法の事件を軸に、将虎の過去と、
霊感商法で利用されまくる女性・古屋節子の
物語が交互に描かれ、やがてひとつに繋がっていく・・・。

そして繋がった先に待っていたものとは!

これ以上ここに書けません!
とにかく読んで!読めばわかる!
どんなに凄いミステリーなのか!

『葉桜の季節に君を想うということ』
著者:歌野晶午
出版社:文藝春秋(文庫)
価格:¥667(税別)

`どんでん返し’ミステリー’PART1「十角館の殺人」

最近、「どんでん返し」のあるミステリー小説に
はまっています。
どこで、どう‘仰天’しちゃうのか?
そもそも私、騙されたことに気が付くのだろうか?

で、今更ながら名作中の名作、綾辻行人さんの
「十角館の殺人」を読みました。

十角館

孤島・角島にある十角館を訪れた、大学ミステリ研究会の男女7人。
かれらは皆、海外の有名なミステリ作家の名前をニックネームにしていた。
エラリイ、ポウ、カー、ルルウ、アガサ、オルツィ、ヴァン・・。

十角館を建てた建築家・中村青司は、半年前に焼死していた。
中村の妻と使用人夫妻も同様に亡くなっていたが、庭師が一人
行方不明になっていた。さらに中村の妻の左手首も行方不明に
なっていたのだ。
この話を受けて、「孤島の連続殺人」などとジョークを言いあう
学生たち。だが、そのジョークが現実のものになろうとは!!

孤島で次々に起こる連続殺人。

片や、本土では、十角館に行かなかった
二人の学生のもとに怪文書が届いていた。
その怪文書の謎を解明するために、調査を開始する。

孤島では殺人事件が起こり、学生たちは互いに疑心暗鬼に陥り
パニック寸前!
本土では角島で起きた中村青司の焼死事件の真相が
判明しつつあった!

そして両方の事件を繋ぐ、ある死亡事故・・・。

さらに、たった一行でそれまでの全てがひっくり返ってしまった衝撃!
なんの心構えもしていなかったので、その驚きはかなりのものだった。

見事です。見事!

病み付きになりそうな「どんでん返し」。
こういう作品を初めて読む方におススメです。

『十角館の殺人 新装版』
著者:綾辻行人
出版社:講談社(文庫)
価格:¥750(税別)

ダークなミステリー第2弾!「クリーピー」

タイトルと不気味な表紙に惹かれ買ってしまいました。
前川裕「クリーピー」(光文社文庫)。
第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作です。
「クリーピー」とは日本語では‘気味が悪い’という意味。
確かに、読んでいると次第に気味の悪い方へ向かいます。
以前に流行った『嫌ミス』という表現では括れない
ざわざわとした不気味な感じがするミステリーです。

クリーピー

大学で犯罪心理学を教える、高倉は妻と二人暮らし。
懇意にしている隣人もあり、平凡に暮らしていた。
そんなとき、学生時代の同級生で刑事の野上から、
一家失踪事件の分析を依頼される。
高倉が調査を始めたころから、周囲で事件が頻発
するようになる。
野上の失踪、学生同士のトラブル、高倉の向かいの家の火事
さらに焼死体の謎!
それらの事件は、ただの発端にすぎなかった!

隣家から突如逃げ出した女子高校生。
高倉の妻はその娘を匿うが、隣家の主人が娘を返せと執拗に
迫ってきた。だが、父親ではないと言う。
さらには身体に虐待らしき痕跡もある・・・。

温和そうな笑顔の裏に隠されたケモノの顔。
それは、実際に起きた監禁変死事件を彷彿とさせる!
隣の家で何が行われているのか?
想像するだけで恐ろしい!
野上が依頼した、一家失踪事件と不気味な隣人とは
なんらかのつながりがあるのではないか・・・。

一連の事件は徐々に不可解な方向へと広がっていく。

高倉はパンドラの箱を開けてしまったのか!?
読後も気持ち悪さが残る、ダークミステリー。

『クリーピー』
著者:前川裕
出版社:光文社(文庫)
価格:¥680(税別)

‘超’ダーク・ミステリー!『ケモノの城』

誉田哲也さんの最新刊、「ケモノの城」を読みました。
実際に起こった監禁殺人事件を元に描かれた、
今まで感じたことない衝撃的な作品です。

ケモノ

物語の発端は、17歳の少女が保護されたことから始まる。
痩せて薄汚れた少女は、病院で診断された結果、
長期にわたる虐待の痕跡があった。
警察は、少女の供述から、一緒に暮らしていた‘アッコ‘
という女性から話を聴くことになる。
アッコの口から語られる監禁・虐待・連続殺人。
それはまるで地獄絵図ようだ!
取り調べた刑事・木和田はにわかには信じられなかった。
百戦錬磨の刑事たちを深い闇に突き落とす、
身の毛がよだつ、恐ろしい事件の真相・・・・。

人間の顔をした、モンスターの鬼畜犯罪・・・。
一人の男が、交際する女性やその知人、やがて家族までも
マインドコントロールし、恐怖で支配し使い物に
ならなくなれば、家族同士で殺し合いをさせる。

壮絶な悪意と暴力、その描写に目をそむけたくなる。

作中、登場人物の一人が語る言葉が恐ろしい。だが、胸に迫る!!
‘奴らは人間ではない。奴らは他の人間を同族と思っていない。
人間の顔したバケモノ。
人間を単なる獲物としか見ていない。人間を狩るために、擬態している。
こんな奴らに対して人間が出来ることは徹底的に接触を避けること
もし接触してしまったら戦うしかない!’

こんなバケモノに誰しも出会うかもしれないと思わせる!

誉田先生、この作品を描くことほんとにつらかったと思います。
それでも誉田先生がフィクションにして伝えたかったことが
何なのか・・・・?自分なりにわかったような気がしました。

『ケモノの城』
著者:誉田哲也
出版社:双葉社
価格:¥1,600(税別)

「隠蔽捜査」シリーズ‘文庫’最新刊出ました!「転迷」

テレビドラマでさらにブレイクした
今野敏先生の「隠蔽捜査」シリーズ。
その第4弾「転迷」が文庫になりました!

転迷

警察官という矜持、原理原則に従い自分の信念のもとに仕事をこなしてきた、
キャリア・竜崎伸也。
だが息子の不祥事で、キャリアのまま大森署へ左遷。
署長としても、彼は自らの信念を貫き数々の難題を乗り越えてきた。
だが、「転迷」ではさすがの竜崎も手におえない事案が次々と舞い込んでくる。

外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、大森署管内で悪質な
ひき逃げ事件が発生する!
そんなとき、海外で航空機事故が発生!娘の恋人の安否を気遣う。
さらには、覚せい剤をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んできた。

外務省、公安、麻薬取締官、そして現場で動く大森署の刑事たちと
捜査一課の刑事たちとの軋轢・・・。
あらゆる部署の思惑を図りつつ、迷い、しかし常に原則に立ち戻り、
大森署が抱えた事件を追う。

また、厳しい状況の中で、父親としての娘への気遣いも決して忘れない・・・。

竜崎の信念は次第に捜査員に伝わり、部署を超えての事件解決に至る。

この「転迷」ほど、竜崎の苦悩が描かれた作品はない。
しかし、その苦悩も自分の信念を貫くことによって解決に導く。
キャリア・竜崎伸也と周りの人たちの絆、成長も描く!

『転迷 隠蔽捜査4』
著者:今野敏
出版社:新潮社(文庫)
価格:¥670(税別)

全編全文会話のみ見事なミステリー短編『どんでん返し』

帯の「びっくりどころの話じゃない。
全編会話文のみで仕掛ける予測不可能な
傑作ミステリー」
との惹句で買ってしまいました。
「どんでん返し」笹沢佐保。
読んでびっくり!
会話のみで成立した、前代未聞のミステリー短編集!

どんでん返し

「影の訪問者」「酒乱」「霧」「父子の対話」「演技者」「皮肉紳士」
の6篇を収録。
はまさき超おススメは、以下の3篇です
「影の訪問者」。
殺人事件のあった夜、元彼のマンションをいきなり訪ねた女性。
その真意は?
「酒乱」。熟年夫婦の何気ない会話から、20年前の事件の
真相が暴かれる。
「霧」。社の常務の姪と不倫したあげく、妊娠させ結婚を
迫られた夫。絶対に離婚したい夫と絶対に離婚したくない妻との攻防。
スリリングな会話が斬新!!

絶妙な会話のキャッチボールで謎解きが堪能出来る!
凄い短編集です!

『どんでん返し』
著者:笹沢佐保
出版社:双葉社
価格:¥581(税別)