追悼・・・。今邑彩。おススメはこれ『ルームメイト』

先日、サスペンス小説作家の今邑彩さんが亡くなったとの衝撃的なニュースがありました。
とても残念です。
今邑さんの作品でとても面白かった『ルームメイト』(中公文庫)を紹介したいと思います。

大学へ通うために上京してきた晴海は、京都出身の麗子と出会う。
お互いを干渉しない約束で共同生活を始めた二人。
当初、二人は快適な共同生活をしていたが、やがて麗子が失踪。
晴海は彼女の跡を追ううちに彼女の二重、三重生活を知る。
麗子は名前、化粧、着るもの、嗜好まで変えていた。
呆然とする晴海の前に死体となったルームメイトの姿があった・・・・。

何も考えずに読み進める内に何だか違和感・・。
えええ~もしかしてこれって・・・・?
女性同士の足のひっぱりあいみたいないやなサスペンスかと思いきや!意外な方向へぐいぐいとひっぱられていく。
そしてラストは背筋が寒くなる・・・。

こんなに面白い作品は二度と読めないと思うととっても残念です!

『ルームメイト』
著者: 今邑彩
出版社:中央公論新社
価格¥781(税別)

今野敏先生の安積班シリーズ最新作『晩夏』が凄く面白い!

ドラマ「ハンチョウ」がもうすぐ放送が終了です。
佐々木蔵之助ハンチョウと会えなくなるとちょっとさびしいな~と思っていましたが、そのあとはまたまた今野先生の「確証」がドラマ化なのでうきうき。
さらに先日安積班シリーズ最新作『晩夏 東京湾臨海署安積班』(角川春樹事務所)が発売されました。待ってましたよ~。いっき読みしました!!!
すご~っく面白くって、さらに感動!ジ~ンときちゃいました。

最新作『晩夏』は、湾岸地域のクラブのパーティーで毒殺事件が発生し、同じ頃漂流中のクルーザーから他殺体が発見されたところから始まる。
臨海署に二つの事件の捜査本部が置かれる。そしてクラブのパーティーの毒殺事件で、なんと交機隊の速水隊長が重要参考人として浮かびあがった。
速水は安積の同期で親友だ。安積は、クルーザーの事件の担当だったが、速水が気になって仕方がない。
クルーザー事件で安積の相棒となった、本庁捜査一課の矢口に事情を話し、安積は聞き込みを矢口一人に任せ、毒殺事件で事情聴取されいている速水のもとへ行く。
そこでは、本庁の捜査一課の高飛車な態度に、速水がだんまりを決め込んでいる最中だった・・・。
さらに悪いことにクルーザー事件の聞き込みを、矢口一人に任せたことが捜査本部で問題になってしまう。
臨海署での二つの殺害事件、速水への疑い、捜査一課との軋轢・・・。安積はかってない危機に直面してしまう。
殺人事件、そして速水の危機に安積班の面々も落ち着かない。しかし彼らは自らの仕事に邁進することが、事件解決、ひいては速水への疑いを晴らすことになると知っている頼もしい面々だ。
しかし、今回安積の相棒となった、捜査一課の矢口は、聞き込みをすれば権力をかざし、安積が丁寧に聞き込みをすることに異を唱える。
いったい本庁の捜査一課はどんな教育をしているのか・・・?
そしてようやく速水が解放される。捜査一課は彼を泳がせるわけだが、速水はいっこうに気にしない。だが、速水は自分がはめられたのではないかと疑っている。
速水は安積の聞き込みに一緒に行くことに。
かくして安積・速水・矢口の3人で行動することになった。矢口の言動、行動に速水がどう反応するか・・・?

今回の『晩夏』は今までの安積班シリーズとはちょっと違う。警察小説でありつつ、人生の先輩として若い人たちにどう接するか?後輩たちをどう育てていくか・・・?というもうひとつの面がある。
速水が語る言葉が心にズシンっときた。
『俺たちは、俺たちの時代を生き、そしてそのさまざまな蓄積の上に立って、今も生きているんだ。』
この言葉が胸に沁みて忘れられない。
自分が今までやってきたことは決して、無駄ではなかった・・・と思えた。すごく感動しました。

『晩夏 東京湾臨海署安積班』
著者: 今野敏
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600(税別)

上野正彦監修「監察医」シリーズのフリーペーパー作成しました!

以前にも紹介しました、上野正彦監修・原案、柚原瑠璃子著『監察医』シリーズ(ポプラ社文庫)のフリーペーパーを作成しました!
『炎の画策』『刃の献身』『骸の回廊』の3点です。

2万体以上の検屍をしてこられた、法医学者の上野正彦先生が実際に手がけられた事件をもとに描かれた、警察サスペンス小説。
シリーズ3点とも非常に面白く、POPだけではその面白さを伝えきれず、とうとうフリーペーパーを作成することに!!

若いが、非常に熱意のある、女性監察医・如月果林と管轄署のベテラン刑事・上杉の執念が事件の真相を暴く!!
綿密な検死解剖によって明らかになる事件の真実。
上杉の刑事の勘と、それを裏付ける如月の解剖結果。

しかし容疑者が明らかにならず、決め手に欠ける場合、最後の手がかりは、遺体の無念の思い。
遺体に遺された痕跡から犯人に迫るのだ。完全犯罪にはさせない!そんな思いのあふれた作品。
フィクションですが、実際に起こった事件をサスペンスタッチで描いているので、警察捜査や検死解剖に関するシーンなどノンフィクションかと思えるほどリアルです。
それぞれのストーリーなどフリぺで細かく紹介しています!!!

本の学校を中心に店舗に置いています。

フリぺ表面

 

フリぺ裏面

へんな事件!?が回ってくる!文庫書き下ろし『中継刑事』鳴海章

乱歩賞作家・鳴海章さんの文庫書き下ろし『中継刑事 なかつぎデカ』(講談社)を読みました。
渋い!この渋さ好きです。
警察小説はこうでないと!と思わせる。渋い作品。

4年前の女子高生転落事件が、ネット上の書き込みが発端で再燃!他殺を示唆するものだった。その書き込みが、名門女子高を揺るがすスキャンダルに。
そして、捜査をせざる負えなくなった貴沙浦署が、事件の担当にしたのは、‘中継’専門の捜査第五係りだった・・・。
一係、二係、四係、そして生活安全課もどこも手を出さない事件は五係に回ってくるのだ。
その女子高生転落事件の再捜査の話をもちかけてきたのは、第五係の荻生刑事の元妻だった。彼女はテレビのキャスターでコーナーを持っているらしい。
そこへ4年前に起きた転落事件は、実は他殺だったとの書き込みがあったといのだ。
事件の担当となった、荻生はその名門女子高校から調べ始める。
捜査が進むにつれ、荻生刑事はタブーとされている領域に足を踏み入れていく・・・。

危険と知りつつ刑事の勘で徐々に事件の真相に近づいていく荻生。その危うさが読み手にも伝わってくる、リアルさ。小説全体にもやがかかったような感覚は、主人公の気持ちとリンクしている?

今まで読んだ警察小説とは一線を画する、最新の警察小説シリーズ第一弾です。

『中継刑事 捜査五係申し送りファイル』
著者: 鳴海章
出版社:講談社
価格:¥648(税別)

今野敏先生の人気シリーズ『ST 警視庁科学特捜班』がスペシャルドラマ化!

今野先生の警察小説では「安積班」シリーズ、「隠蔽捜査」シリーズがテレビドラマ化されてとても有名です。
この2本は正統派の警察小説のシリーズですが、今日紹介する『ST 警視庁科学特捜班』シリーズは、刑事が主役ではなく、科学捜査を担当する専門員たちが主役なんです。
刑事は脇役。
しかし、このシリーズは曲者だらけ。キャラクターが半端なく特殊なので、読んでいて飽きません。
しかも嬉しいことに!!とうとうドラマ化。
2時間のスペシャルドラマですが、絶対に連続ドラマ向きなんです。
スペシャルドラマが良かったら、連続ドラマ化にして欲しい~。

シリーズ最初の作品『ST 警視庁科学特捜班』はスペシャルドラマの原作本です。

多様化する現代犯罪に対応するために新設された警視庁科学特捜班。略称はST。
5人のメンバーで構成。この5人のメンバーが曲者だらけなのだ!

まず赤城左門。法医学担当。男の色気をさりげなく漂わせる男。
一匹狼を気取っているが、周囲の人間の心を開かせてしまう不思議な雰囲気を持つ。しかし女性恐怖症。このチームのリーダー的存在。

次は黒崎勇次。科学事故や、ガス事故の専門家。嗅覚が異常に発達していて、チームから「歩くガスクロマトグラフィー」と呼ばれている。そして古武道の達人。めっちゃかっこいいです。

そして男でも思わず見とれてしまうほどの絶世の美男子・青山翔。文書鑑定・プロファイリングのエキスパート。秩序恐怖症に罹患中。雑然とした中でしか仕事が出来ない。そして口癖が「僕、帰っていい?」だ。ああ~ため息がでる・・・。

メンバーの紅一点!物理担当の結城翠。聴覚が異常に発達している。内緒話は彼女の前では絶対にできない。スタイル抜群で、いつも露出度の高い服を着ているので、現場に臨場したとき、周りの刑事たちから「立ちん坊」と陰口をたたかれる。しかしいっこうに気にしていない。

そして5人目は、第二化学担当の山吹才蔵。実家が寺で彼も曹洞宗の僧侶なのだ。家の手伝いも兼ねているので、しばしば僧侶姿で現場に現れ、読経もあげるので、刑事たちをあたふたさせる。

彼らは非常に優秀なのだが、協調性に欠けるので、組織からははみだしものだ。しかし事件に対する眼は刑事たちにも引けを取らない。
こんなメンバーを束ねるのは、若きキャリア・百合根友久警部だ。ちょっと気が弱いので、この曲者たちと現場の刑事たちとの間にたっての調整は大変!胃が痛くなる毎日。しかしメンバーたちに一応信頼されている。

そして、STと現場の刑事たちとの連絡係り的な存在が、菊川吾郎係長。この人、口は悪いけどとってもいい人。STのメンバーを理解しようと努めている。

以上のメンバーで事件解決の糸口を探る。

繰り返される猟奇殺人。組織間のトラブルなのか、あるいはサイコパスの犯行なのか?優秀だがかなり予測不能の彼らSTのメンバーたちが、科学的視野で事件の真相に迫る。

ストーリーの面白さプラス、強烈な個性のSTメンバーたちの活躍が読み出したら止まらず、そのままシリーズ全部読んじゃうくらい面白いです。ドラマを観るのが楽しみ。これをきっかけにぜひぜひ読んでほしいシリーズ。

『ST警視庁科学特捜班』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥648(税別)

「真夜中のパン屋さん」シリーズ、しみじみと心に沁みます。

『真夜中のパン屋さん』シリーズ、大沼紀子著とは、どんな本?!
読もうかどうしようか悩んでいたところ、読む機会がありシリーズぶっ通して読みました。
いやいや、面白い、ものすごく良い、しみじみと泣けるし・・・・。読ませるシリーズです。
『真夜中のパン屋さん 午前零時のレシピ』で始まるのは、真夜中だけ営業する男二人のパン屋。このパン屋のパンは異常なまでのおいしさで、常連さんが結構いるらしい。
そこへ、女子高生が訪ねてきた。
この少女、このパン屋のオーナー・暮林の妻の腹違いの妹らしい・・・・。
少女は母から置き去りにされ、手紙を持たされ、パン屋を訪ねて行くように言われたらしい。
当の暮林はは何の疑いもせずに、この少女を居候させることに・・・。
ここからパン屋のオーナー・暮林と、パン職人・弘基、そして居候の少女・希美のパン屋さん生活がスタートすることに。
お店がつぶれちゃった、ニューハーフのキレイなお姉さん、怪しい行動の小学生、覗きが趣味で引きこもりの脚本家などなど、心に少し闇を抱えた人たちが小さな事件を起こしたり、巻き込まれたり・・・。
怪しい小学生・こだま君は、母親にネグレクトされている。希美もそうやって母親から置き去りにされた過去(いまもだけど)があり、他人事とは思えない。
何とか助けてやりたいと、暮林、弘基も加わり、こだまを守ろうと奔走する。
引きこもりの脚本家は以外にも役立ってくれて、とてもいいやつ。
『真夜中のパン屋さん 午前零時のレシピ』
『真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒』
『真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生』
真夜中のパン屋に集う人たちは、暮林をはじめ、弘基もみんなそれぞれに悩みや、苦しみを抱えて生きている。
しかし、絶望してはいない。自分たちができることをして、皆の心を癒している。
飄々として、とても優しい暮林、ちょっとやんちゃで短気なパン職人・弘基。ひねくれキャラだけど可愛い希美。
暮林がとてもいいキャラで、このシリーズの要。どんなにつらいことが描いてあっても、この暮林で癒される。
また弘基と、ひねくれものの希美との掛け合いがコミカルでテンポが良い。
さらに、その都度登場するパンがそんな人たちのおなかも満たし、心を満たす。
ほんとにおいしそうなんです!このシリーズを読むと、めちゃめちゃパンが食べたくなるんです!
家の近所にパン屋があるんですが、とうとうクロワッサンを買いに行きました。
『真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒』は、弘基の元カノが結婚詐欺を繰り返す女性として登場。いかに彼女を救うのか・・・?
そして『真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生』は、希美のクラスに、超へんてこりんな転校生がやってくる。席が隣になった希美になにかとちょっかいを出してくる。
なんとなく友達になりかけていたのに、この転校生、実はとんでもないやつだった!?・・・・。
巻が重なるごとにキャラクターに愛着がわきます。心にしみじみと染み渡る、ほんとにハートフルな作品たちです。
『真夜中のパン屋さん 午前零時のレシピ』
『真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒』
『真夜中のパン屋さん 午前2時の転校生』
著者: 大沼紀子
出版社:ポプラ社
価格:¥620 1巻(税別)
価格:¥640 2・3巻(税別)

今野敏先生の「確証」と「ST」シリーズが4月ドラマ化!

今野先生大好きのはまさき、あまりの嬉しさにスキップしたくなりました。
以前に紹介しました、今野敏先生の『確証』(双葉社)が、4月からテレビドラマ化!!!!
TBS系で現在、「ハンチョウ6」が放送されています。その後番組です。
警視庁捜査3課のベテラン先輩刑事と、新米の女性刑事がコンビを組んで事件の真相に迫る!というストーリー。
捜査3課のベテラン刑事・萩尾は、高橋克実、女性刑事・武田を榮倉奈々が演じます。
生意気だが、事件に対して鋭い観察眼を持つ武田刑事を、一人前の刑事に育てるべく鍛える、ベテランの萩尾刑事。
盗犯一筋~十年。萩尾の事件に対する姿勢は、職人気質。
盗犯には職人気質の者が多く、一筋縄ではいかない。そんな難しさを、事件捜査を通じて武田刑事に伝えていく・・・。

さらには、『ST 警視庁科学特捜班』シリーズ(講談社社文庫)も4月にスペシャルドラマ化です。
このシリーズもめちゃめちゃ面白いです。
科学捜査において、特殊な能力を持つが、協調性がなく変人ばかりのメンバーが、若きキャリア・百合根警部とともに事件解決に奔走する。というもの。
しかし、メンバーの変人ぶりは徹底していて、キャラクターの設定がとにかく面白い。
ミステリーとしての面白さもさることながら、このシリーズはキャラでぐいぐい引っ張っている、ドラマ向きの作品。待ちに待ったドラマ化といったところです!!!

とにかく、今野ファンにはたまらない、2作品がドラマ化なんて嬉しく嬉しくておかしくなりそうです。
『ST』シリーズはとにかく面白いので、今後、このブログでも紹介したいと思います!!

『確証』
著者:今野敏
出版社:双葉社
価格:¥1,500(税別)

白河三兎『私を知らないで』がおすすめ文庫王国オリジナル文庫大賞ベスト1に!

以前にも紹介しました、白河三兎『私を知らないで』(集英社文庫)が、第1回「本の雑誌増刊 おすすめ文庫王国2013」オリジナル文庫大賞 ベスト1を獲得しました。
今井書店スタッフも絶賛!!!
スタッフおススメコメントをまとめてPOPにしました。
そのPOPを一緒につけて、今井書店全店で拡販中です。
本の学校今井ブックセンターで展開中。
孤高の美少女・キヨコを助けるために、立ち上がった二人の男の子。死んでしまいたいと思うほどの苦しみを飲み込み懸命に生きようとする「キヨコ」が美しい。そして彼女を助けようとする二人の男の子がりりしい!予想だにしないラストに心を鷲掴みにされてしまいます。
著者はメフィスト賞を受賞したミステリー作家です。
ミステリー作家が青春小説を描くとこんな風になるのかと驚きです!
そのメフィスト賞受賞作『プールの底に眠る』が4月に文庫となって発売される予定です。
デビュー作、早く読みたいです。
『私を知らないで』
著者:白河三兎
出版社:集英社
価格:¥650(税別)

乱歩賞作家・鏑木蓮が描く、女性刑事が凄く魅力的!『時限』

『東京ダモイ』で、第52回江戸川乱歩賞を受賞した鏑木蓮さんが、女性刑事を主人公にした警察小説を描いています。
単行本『エクステンド』と言うタイトルだったが、文庫化にあたり『時限』と改題。
こっちのタイトルの方が警察小説っぽくていいかなと思ってしまいました。
枯山水の庭のある老舗呉服屋の別邸で、若い女性の首つり死体が発見された。京都五条署の刑事・片岡真子は、遺体の首に不可解な扼殺痕があると知り、捜査を開始する。
遺体の第一発見者は、その別邸の持ち主・向井。なぜ自分の家に見知らぬ女性の死体があったのか?向井にはアリバイがある。
女性の遺体には、首をつられていた帯紐の痕とほかに手形もついていた。
自殺にみせかけた他殺ならば、なぜわざわざ他人の家に?
犯人の意図がまったくわからない。
現場の遺留品と女性の過去から容疑者が絞られていく中、真子はある‘時限タイムリミット’に挑むことに!!
片岡真子は、京女で仕事のときも京言葉を話す。上司の高藤から注意されるがいっこうに直す気がない。真子の京言葉で殺気立った捜査本部もちょっと和らいだりする。
真子と上司の高藤警部との信頼関係がだんだんと深まっていくあたりも良い。
また、捜査がうまくゆかず落ち込むことがあるが、芯が強く、自分がこうだと思ったらやり遂げる強さがある。それゆえ、同僚の男性刑事からも一目置かれている。
遺体となって発見された女性は、父親から性的虐待を受けて育った。
自分の生きる意味を失い、リストカット繰り返していたが、‘「エクステンド」NPO法人いのちの電話’に連絡をとり、少しずつ生きる希望を見出していた・・・。
そんな女性が・・・・。胸を痛める真子。
この女性の無念を晴らすために真子は絶対に犯人をあげると心に誓う。
しかし事件の真相は意外なと方向へと進む。
その意外な方向というのが、ミステリーとして非常に面白く、伏線となっていた事件現場の遺体と遺留品が活きてくるのだ。
女性刑事の情熱が事件解決に導く!意外な真相、そしてたちはだかる時間の壁!クライマックスはハラハラものです。文句なく面白かったです!
『時限』
著者: 鏑木蓮
出版社:講談社
価格:¥648(税別)