月別アーカイブ: 2012年9月
正義か?悪か?!新ヒーロー!『脳男』映画化です。
連続爆弾犯のアジトで見つかった、一人の男。
逮捕されたその男は、新たな爆弾の在処を警察に告げた。彼は共犯なのか・・・?
男の精神鑑定を依頼された精神科医・鷲谷真梨子は、彼の本性を探ろうとするが、つかみどころがない。あらゆる実験を重ねた結果、男は感情が欠落した、「感情のない」人間だった。
痛みを感じない、運動能力は抜群、一度見たものは忘れない、怪人と言った方が良いのか・・・?そして男が入院する病院に爆弾が仕掛けられた!!
連続爆弾犯を追う茶屋警部は、男の正体を解明に挑む、鷲谷医師と共に事件の核心に近づいていく!!
「脳男」が抜群な運動神経と頭脳を活かし、悪を狩る!読んでいると何が「正義」で何が「悪」なのかわからなくなる・・・。
この「脳男」のキャラがとても魅力的。そして「感情のない」ということがどういうものか興味深く読めた。
映画化にはぴったりの作品だと思う。しかし「脳男」を演じるのはかなり難しいと思います。
生田クンがどう演じるのか?興味津々。映画、絶対に観たいなと思います。
『脳男』
著者:首藤瓜於
出版社:講談社
価格:¥590(税別)
『江戸の検屍官』めちゃめちゃ面白い時代ミステリー、しかもコミック!
北町奉行所同心・北沢彦太郎は、ほかの同心が嫌がる検屍に情熱を燃やしている。
医師の玄海、若き絵師・お月とともに江戸随一の検屍技術を用いて事件の真相を探る!
井戸から女性の水死体があがった。早速、検屍に向かった北沢はその現場で医師の玄海と合流。そして、玄海が連れていた若い女性と出会う。
彼女は若いながら、あぶな絵を専門とする絵師・お月だった。
あぶな絵を描いていることで、おかみの仕事にさしさわりがあるのでは?と考えた北沢だったが、お月の描く人相描きは、あまりにも本人そっくりで聞き込み先では驚きの連続。
その人相描きで、事件解決が早まった・・。
次々に起こる事件、変死体を丁寧で確かな検屍で謎を解く。時にはその死に寄り添い、時には犯人を憎む。人間の業の深さに驚かされる・・・。
乱歩賞作家で、現役医師の川田弥一郎氏の小説『江戸の検屍官』を、漫画家・高瀬理恵が美しく、リアルな絵で迫力ある漫画に仕上げている。
小説で読むとわかりにくい江戸時代の検屍のやり方が、漫画で描かれることによってとてもわかりやすい。
時代小説好き、ミステリー好きにもおすすめの大人のミステリー漫画です。
『江戸の検屍官 ①~③』
著者: 高瀬理恵 原作/川田弥一郎
出版社:小学館(ビッグコミックスペシャル)
価格:1巻・2巻各¥571 3巻¥600(税別)
今野敏先生の文庫最新刊!『TOKAGE』シリーズ第2弾
衝撃の展開に!!心霊探偵八雲シリーズ最新刊『心霊探偵八雲8』
宮部みゆき先生5年ぶりの現代ミステリー『ソロモンの偽証』
宮部みゆき先生の原点『火車』はミステリーの最高傑作!
事故で休職中の本間刑事は、銀行員の従弟から、失踪した婚約者・彰子を探してほしいと懇願される。
本間は事情が分からず、従弟にどういう状況で失踪したのか問いただすと、クレジットカードを持っていない彰子にカード契約をすすめたら、審査の段階で彼女が自己破産経験者だと判明した。
従弟に真意を問われた彰子は翌日から姿を消したというのだ。
休職中のため、警察手帳を使えない本間は、雑誌記者を名乗り彼女の身辺を捜査する。
最初は彰子が勤務していた会社の社長に話を聞いた。
彰子の履歴書を見るとその容貌の美しさに驚く。
夜の仕事には手を染めていず、慎ましやかで清楚な雰囲気が漂っていた。
次に本間は彰子の自己破産の手続きをした弁護士に話を聞く。
そこで聞いた彰子は、先の会社で聞いた彰子とは似ても似つかない女性だった。
明らかに別人・・・。
本間は、従弟の婚約者の彰子は、偽物の彰子ではないかと疑い始める。
もし彼女が偽物ならば本物の彰子はいったいどこへ消えたのか・・・・?
本間刑事が彰子の身辺を調べれば調べるほど食い違う彰子像。
はっきりしない、でもなにかとても怖いことが起こっているという、不気味な感覚がひたひと忍び寄ってくる・・・。
追い詰められた人間の怖さと、平凡な幸せを追い求める女性のはかなさ、悲哀を見事に描いている。そして現代社会の病理をも鋭くえぐる。
巷にあふれる女性があこがれてやまない商品の数々。
欲しいものを手に入れるために安易にクレジットカードを使う。
クレジットカードの魔力に取りつかれ、社会から脱落し、借金地獄にあえぐ若い女性たちの生態をも生々しく描いている。
現代社会の病理とサスペンスを見事に融合させた、社会派サスペンスミステリーの最高傑作です。
『火車』
著者: 宮部みゆき
出版社:新潮社
価格:¥990(税別)