今野敏さん「警視庁強行犯係・樋口顕」シリーズ最新刊「廉恥」!

今野敏さんの警察小説シリーズ「警視庁強行犯係・樋口顕」シリーズの最新刊
「廉恥」を読みました。
このシリーズの新作は久々。楽しんで読みました。

廉恥

大学生になり、最近引きこもり気味の娘を心配している、強行犯係の刑事・樋口彰。
その日も娘のことを気にしつつ、風呂に入ろうとしていたら、
世田谷署に殺人事件発生の一報が入った。被害者は、水商売の若い女・南田麻里。
麻里は、警察にストーカー被害の相談をしていた。
仮にこの事件がストーカーによる犯行だとしたら、
マスコミの追求は避けられない・・。
浮足立つ捜査本部。そこへ、警察庁からストーカー事件専門の
刑事指導官がやってきた。
まだ若い女性キャリアだ・・。本部捜査員たちは色めき立つ。
争い事が嫌いで、誰かとぶつならないように一歩退いている樋口は、警察内で
その性格は協調性があって冷静沈着だと評価され、捜査一課の係長を務めている。
そんな理由で、今回の女性キャリアと本部捜査員との繋ぎ役も
樋口におはちが回ってきた。

麻里にストーカーを働いていた男をマークしていた時、
樋口の元に信じがたい情報が入った!
都内の高校に送られた脅迫メールの発信源リストの中に、
樋口の娘の名前があることが分かったのだ!樋口は窮地に立たされる!
そんな時に、被害者が警察にストーカー被害の相談をしていたことを、
新聞社の記者が嗅ぎ付けてしまった・・・!

組織と家庭の間で揺れ動く刑事の姿!!
だが、刑事としての矜持が樋口を正しい方向へと導く!

「廉恥」は一人の刑事の苦悩を描くとともに、ミステリー性も非常に高い!
樋口と女性キャリア・小泉らの捜査によって、
被害者・麻里の人間性が浮き彫りになってゆく・・・。
ストーカー被害に遭った憐れな女性から、次第に変わる被害者の本当の姿・・・。
そして、捜査線上に浮かぶ3つの影・・・。
そこから浮かび上がる事件の真実・・・。

物凄く面白かった!樋口刑事、かっこ良かったです!

今野さんいわく、「もっとも等身大の自分に近い」と語る刑事を描いた、傑作ミステリー!

『廉恥 警視庁強行犯係・樋口顕』
著者:今野敏
出版社:幻冬舎
価格:¥1,600(税別)

警察小説の新境地!「精鋭」

朝日新聞に連載されていた、今野敏さんの
「精鋭」が発売されました。

今野先生が初めて特殊部隊「SAT」を描いた作品。

今野新刊

警察学校を卒業し、交番勤務に励む若き巡査、柿田亮。
市民の安全を守るため、日々奮闘中だ。
だが、時々柿田は疑問に思うことがある。
市民から投げかけられる苦情や、相談の類。
非番の日、たまたま痴漢を発見。
管轄署に連絡したら、すぐに事件になる。
まだ本当に迷惑行為をしたのかどうか調べもせず・・・。
自分にせいでこの男性の人生は狂ってしまうのではないか・・・?
自分の仕事は、警察官としての仕事なのか?
警察官はどこまで関わればいいのか?
自分が警察官に向いているのか?悩みながらも
上司の勧めで「機動隊」を希望する。

やがて「機動隊」の厳しい訓練もクリアし、
柿田は特殊急襲部隊「SAT」へ入隊することになる。

‘失敗は許されない。敗北も許されない。
SATが最後の砦だ! ’

自衛隊と一緒に訓練することで生まれた新たな疑問。
だがそこで気づいたことは・・・。

「俺たちは軍隊じゃない。あくまでも警察官だ。闘うという意味が違う。
軍隊のように、相手を打ち殺すという意味じゃない。
テロリストを制圧して検挙するために戦うんだ。
制圧して検挙するために戦う――」
この言葉が胸に沁みる!!

主人公・柿田亮の素直で真面目で率直な性格が、上司、先輩、仲間を
動かしてゆく・・・。やがて自分の行く道をまっすぐに進む決意をする。

ミステリーチックな展開はない。
これは一人の巡査の成長と苦悩、上司や仲間との強い絆を描き、
さらには、‘警察組織’の有り様を描いた、ある意味、本当の警察小説ともいえる。

柿田亮が厳しい訓練に耐えつつ、上司や先輩、仲間たちとのやりとりの中で
警察官として成長してゆく過程が面白く!そしてまぶしい。
今までにない、新たな警察小説の誕生!

読み終わった後の清々しさは半端ない!

『精鋭』
著者:今野敏
出版社:朝日新聞出版
価格:¥1,600(税別)

今野敏ファンお待たせ!新作「マル暴甘糟」

今野先生の新刊が出ました!
嬉しい~。

「マル暴甘糟」!?なんと潔いタイトルなんだ!
タイトルが示す通り、マル暴刑事が主人公の新作です。

今野先生が描くマル暴刑事を主人公にした警察小説は、
「横浜みなとみらい署」シリーズがあります。
ハマの用心棒こと、諸橋刑事がかっこいいですよね。

今回の新作は、北綾瀬署刑事組織犯罪対策課・組織犯罪対策係(通称マル暴)に
配属され、「なんで僕が・・・・はあ~」とため息をつく日々を送っている、
ちょっと気の弱い刑事・甘糟が主人公。
相棒はいかにも「マル暴」刑事!ヤクザに見えてもおかしくない
群原刑事。いつも苦虫を噛んだような表情が特徴。

マル暴甘糟

北綾瀬署管内で傷害事件が発生した。
被害者は暴力団風の男性らしい。
甘糟は「あ~いやだな!強行犯係は大変だなあ・・・」
などと思っていたら、強行犯係の芦谷から「お前も一緒に来い」
と言われ渋々現場にいくことに・・・
目撃者の証言から、数人の男に殴られたらしい。
被害者は病院に運ばれたが、亡くなったと連絡が入った。
傷害事件から、傷害致死・・・あるいは殺人?
あるいは暴力団同士の抗争か・・・?
被害者は、北綾瀬署管内の暴力団の構成員だった。

撲殺事件の裏にあるのは、抗争か?半グレの怨恨か?

主人公の甘糟は、確かにヘタレだ・・・・
マル暴の若い構成員は警察だから一応それなりの
礼儀は保つけれど、甘糟はなんとな~く軽く扱われる。
そんな時の口癖は、「なめないでよね」。
マル暴の事務所でお茶が出てくれば、
「飲まないから出さないでよ!」が口癖。
本人は、僕ってだめなんだなあ~って思っているけど
自分のことを客観的に見て自分のことはよくわかっている。
しかも、先輩刑事のいうことはきちんと聞く、
怖いけど、怒られるけど、先輩を立てる。
そういう面がとても良い。

だからどこへ行ってもなんとなく有力な情報が得られる。
結構、得な性格をしているのに自分でそれがわかっていない。
面白い!どこまでがとぼけているのか・・・?
この愛すべきキャラクターの周り固める先輩刑事もすごく良い!
特に特捜本部で警視庁捜査一課からやってきた、梶刑事。
偉ぶっていないところが良いなあ~。

事件の行方や捜査過程も楽しめるけれど、
魅力的な登場人物にノックアウトさせられる。

絶対にシリーズにしてほしい!新作!

『マル暴甘糟』
著者:今野敏
出版社:実業之日本社
価格:¥1,600(税別)

竜崎伸也の魅力がたっぷり「自覚 隠蔽捜査5.5」

待ちに待った「隠蔽捜査」シリーズの最新刊が発売されました。
タイトルは「自覚」。
今回は、「隠蔽捜査」シリーズに登場している
キャラクターたちが主人公。

行き詰まったとき、つい竜崎に相談したくなる面々。
彼らが竜崎の魅力を引き出してくれるスピンオフ集です。

自覚

それぞれの短編はすべて面白いですが、その中で
特にはまさきが好きになった短編5編を紹介!

「漏洩」では、大森署の貝沼副署長の苦悩!
連続婦女暴行未遂事件の犯人が逮捕されたとの
スクープ記事!情報漏洩を疑った貝沼。
竜崎署長に内密に行動を起こすが・・・・・
事態は最悪の方向へ進みそうになり・・・
(竜崎さんは「隠蔽」が嫌いなのに・・・・。)

「訓練」では、「隠蔽捜査3 疑心」に登場した女刑事・畠山美奈子が
久々に登場!
スカイマーシャルの訓練に参加することになった美奈子。
周りは特殊部隊の男性ばかり。
女であること、階級では参加する男性よりも上であること、さらに
納得のいかない待遇、自分の能力を活かしきれない訓練に
1日目から落ち込む。そんな美奈子の頭に浮かんだのは
竜崎の貌・・・。思い切って相談すると、竜崎は思いがけないことを言った。
「女を使え!」・・・美奈子は耳を疑う・・・。

「人事」では、竜崎署長の行き過ぎた合理的行動に、日々頭を抱える
野間崎管理官。新しい方面本部長・弓削に竜崎の話をしたところ、
弓削は興味を持ち、すぐに会いたいと言い出す。
野間崎はすぐに竜崎に連絡をとるのだが・・・・・。
新任の弓削方面本部長もとても魅力的!
「人事をつくす」という意味、この回で改めて良くわかる。

「自覚」では、たたきあげのベテラン、田端捜一課長登場。
戸高刑事が人質をとった強盗殺人犯に向け発砲!人質は無事に
保護され、犯人も命に別状はない。
しかし、発砲したことが問題になりそうだ・・。
竜崎はどう決断したのか?

「検挙」では、戸高刑事がまたまたやらしちゃいます。
警察庁から下達された、検挙数と検挙率アップ。大森署の
各セクションの責任者たちは、無謀な命令に頭を悩ませるが
上からの指示ならば仕方ないと捜査員たちに激をとばした。
ところが、とんでもないことが・・・微罪の摘発が相次ぎ
大森署は怒号が飛び交っている。さらに被害の訴えを
退けたり・・・いったい何が起こった?
無謀な検挙数と検挙率アップを達成するために戸高が
仕組んだことだ。竜崎は事態収拾のため、関係者を呼ぶ。
戸高の意図するところを竜崎は汲めるのか・・!

色々な事件が起こる中、竜崎の判断にはブレがない。
読んでいると、竜崎の言葉にいちいち納得。
めちゃめちゃ気持ちよくなってくる。
隠蔽捜査シリーズもずっと読んでいるけれど、
この「自覚」は特に周辺のキャラクターたちが
竜崎の魅力を引き出している。
だから、よけいに竜崎のブレのなさ、クリアな目線
がひきたっているように感じる。

畠山美奈子の物語、女性はどう感じるだろう?
私はすごく納得できたけど。

『自覚 隠蔽捜査5.5』
著者:今野敏
出版社:新潮社
価格:¥1,500(税別)

横浜が舞台の警察小説!「横浜みなとみらい署」シリーズ

今野敏先生の「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズは、
横浜みなとみらい署暴対係の活躍を描いた、警察小説。
安積班シリーズのように、チームで事件解決に挑むのですが、
暴力団の事件を捜査するので、その手の話が苦手という人もいるかもしれません。

今野先生は、結構暴力団を扱う小説を描かれています。

暴力団と闘う、潜入捜査官・佐伯が主人公の「潜入捜査」シリーズは
暴力団=超「悪」という構図で、武闘派の佐伯が徹底的に
たたきのめすというストーリーで全7巻ありました。
これは勧善懲悪のストーリーなので、読後は結構すっきり
しました。

あと、警察小説ではないのですが、昔気質のヤクザ「阿岐本組」
が学校や出版社、病院などをたてなおす「とせい」シリーズ。
これは結構心にグッとくるストーリー。

とにかく、今野敏先生は「暴力団」というテーマでも
あらゆる角度から描ける作家さんです!

「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズは、ずいぶん前にシリーズ第1弾
「逆風の街」が発売されてから新作がなかなか出ず、どうかなと思っていたら、
第2弾「禁断」が発売。そして3弾と次々と文庫化されたので、
ファンとしては嬉しい限り!

シリーズ第3弾「防波堤」は短編集。
「ハマの用心棒」と呼ばれる、神奈川県警みなとみらい署の暴対係長・諸橋と
陽気な相棒・ジョーこと城島は、部下たちからの信頼も篤い。
ある日、馴染みのやくざ・神野組唯一の組員・岩倉が身柄を拘束された。
素人に手を出したという。昔気質の神野組が素人に手を出すはずがない。
諸橋と城島は岩倉の取調に立ち会う。表題作「防波堤」
横浜に蠢く悪に諸橋班が立ち向かってゆく。チームワークの良さは
「安積班」にも負けない!
さらに諸橋に情報提供する、昔気質のヤクザ・神野組長と
たった一人の組員・岩倉との絡みも温かく描かれている。
暴力団の不穏な動きを事件になるまえに未然に防ぐ、諸橋たちの
活躍が小気味良い!
みなとみらい③

横浜みなとみらい署暴対係シリーズ第2弾「禁断」
横浜・元町で大学生がヘロイン中毒死した。
暴力団・田家川組が事件に関与していると睨んだ、
みなとみらい署暴対係警部・諸橋は、陽気な相棒・城島と事務所を訪ねる。
事件を追っていた新聞記者、さらには田家川組の構成員まで本牧埠頭で殺害され、
事件は急展開を見せる。焦点が絞れない連続殺人事件。
この連続殺人で、横浜に危険なものを感じた、城島は
「なんだかすわりが悪い」とつぶやく・・・。
諸橋と城島は事件の真相を探るべく、神野組に向かう!
「ハマの用心棒」こと諸橋の怒りが炸裂!
みなとみらい②

横浜みなとみらい署暴対係シリーズ第1弾「逆風の街」
神奈川県警みなとみらい署の暴力犯係係長の諸橋は「ハマの用心棒」と呼ばれる。
両親を抗争の巻き添えで失い、暴力団に対して深い憎悪を抱く諸橋のあだ名だ。
地元の暴力団には脅威の存在だ。
ある日、地元の組織に潜入捜査中の警官が殺された。
警察に対する挑戦か!?
諸橋は、ラテン系の陽気な相棒・城島と絶妙なコンビネーションで
事件に迫る!諸橋班の浜崎、倉持、日下部、八雲のメンバーが港ヨコハマを駆け抜ける。
シリーズ第1弾は、諸橋班VS暴力団!そして、警察上層部との軋轢!
みなとみらい①

『逆風の街 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥629(税別)

『禁断 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥714(税別)

『防波堤 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店(文庫)
価格:¥640(税別)

とんでも!警察小説「警視庁FC」

今野敏先生の警察小説最新刊が文庫で発売です。
タイトルは「警視庁FC」。

まじめに読んでいたので、ラストを読んで
ひっくり返るほど驚いた、遊び心満載の警察小説です。

警視庁FC

最近、失態続きで信頼喪失の危機にあり、焦った警視庁が
とんでもない特命グループを考え出した。
その名も「警視庁FC」。
FCとはフィルムコミッションの略で、
その使命は映画やドラマのロケ撮影に対して
便宜を図るのが主な仕事だ(いいのかよッ!)

警察の未来をかけた「特命」は、もっとも安全な任務!?
特命グループに呼ばれた、マル暴の刑事、
ミニパトの女性警官、交機の白バイ隊員は憧れの
業界仕事にとりくんでるんるんな気分に浸っている。
そして、警視庁地域部の警察官・楠木は「警視庁FC」と
兼務するよう特命を受ける。

六本木ミッドタウンで映画の撮影が始まったころ、
その撮影現場で助監督が殺された!
マジかよッ?!!
この特命班は、危険やハードワークとは無縁な任務のはずじゃないの!?

聞き込みを始めると、撮影前に助監督と主演女優が、
言い争っていたという目撃証言が出てきた。
犯人は、人気女優なのか・・・?!
楠木は、自らの意思とは裏腹に捜査に関わることになるが、
驚くべき出来事が次々と起こる!
さらに、二転三転のとんでもない展開が始まる!

ありえない設定だらけの警察小説なので、まじめに読んでいると
肩透かしを食らう恐れあり・・・???
でも今野敏ファンならば、ありでしょう?
多彩な今野ワールドが堪能できる、とんでも!警察小説です。

『警視庁FC』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥730(税別)

安積班最新刊「捜査組曲」チームワーク最高です。

今野敏先生の最新刊、安積班シリーズ「捜査組曲」を読みました。
メンバーの一人一人を描いた短編集です。
しかし、この作品はさらに、メンバー一人一人の事件、
それだけでなく、臨海署の人たちにもスポットを
あてた作品です。

捜査組曲

臨海署の強行犯係は二班ある。
一つは昔からある、安積班。
もう一つは、臨海署の規模を
大きくしたことで、捜査一課から呼ばれた相楽班。
署長と副署長の思惑がからんだ二班だ。

相楽は、とにかく安積をライバル視し猛進する傾向がある。
捜査一課時代から、安積の噂はよく聞いていた。
上からは信頼され、部下からは慕われる・・・。
なぜか・・・?相楽はいつもそう思っている。
だが、臨海署で一緒に働くようになり、
何となくその理由がわかりかけてきている。
相楽の安積への思いがクローズアップされた、「オブリガード」。

鑑識の石倉は、公平な男だ。
だが、臨海署にある二つの
強行犯係でどちらの班が好きかというと
つきあいの長い、安積班だ。
そんな思いはひたと隠し、石倉は日々激務をこなす。
鑑識班のメンバーも過労死寸前だ!
そんなある日課長に呼ばれ、鑑識班は不公平な仕事を
していると指摘された。
課長にチクったのは相楽だ・・・・。
日頃からいけ好かないやつだと思っていた、石倉はぶっちぎれた・・・・。
鑑識班班長・石倉の熱い男っぷりが描かれた「シンフォニー」。

今回の作品は、安積班メンバーだけでなく、安積班をとりまく人たちの
想いまで描き切った傑作。
彼らの想いがさらに安積班の強さと絆の深さを浮き彫りにする。

ちょっと落ち込んだときに読むと、ほんとに元気がもらえる安積班シリーズです。
何度読んでも気分爽快になります!

『捜査組曲 東京湾臨海署安積班』
著者:今野敏
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600(税別)

「ST 警視庁科学特捜班」とうとう連続ドラマ化!

今野敏ファンには超!嬉しいニュース!
昨年スペシャルドラマ化された、「ST警視庁科学特捜班」が
7月より連続テレビドラマ化です!

絶対に、連続ドラマ向けだと確信していたはまさき!
もうやった~という思いでいっぱいです。

演じる役者さんたちもスペシャルドラマのときと
ほぼ同じということでワクワクしています!

ST

今野先生の描かれる警察小説と言えば、
「隠蔽捜査」シリーズ、「安積班」シリーズ、
「強行犯係 樋口顕」シリーズ、「碓氷弘一」シリーズ
「倉島警部補」シリーズなど、本格的で正統派の
警察小説が多いです。

しかし、この「ST 警視庁科学特捜班」シリーズ
は、架空の新設部署を舞台に強烈な個性の持ち主の
科学捜査員たちが刑事たちから疎まれつつ、一向に
気にせず、徹底的に自分たちの方法を貫いて
事件解決に協力するという、かなりコミカルな
部分が強調されているシリーズです。
ドラマ化に合わせ、原作本の方は新装版で発売!

5人のSTメンバーたちの活躍が痛快!
小説が非常に面白いので、ドラマはかなり期待できそうです。

この連続ドラマ化を記念して、またまたフリーペーパーの
改訂版まで作成したはまさき。今井書店各店にて配布予定です!
今からドラマ放送が楽しみでなりません!

『ST 警視庁科学特捜班 Episode1』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥660(税別)

「隠蔽捜査」シリーズ‘文庫’最新刊出ました!「転迷」

テレビドラマでさらにブレイクした
今野敏先生の「隠蔽捜査」シリーズ。
その第4弾「転迷」が文庫になりました!

転迷

警察官という矜持、原理原則に従い自分の信念のもとに仕事をこなしてきた、
キャリア・竜崎伸也。
だが息子の不祥事で、キャリアのまま大森署へ左遷。
署長としても、彼は自らの信念を貫き数々の難題を乗り越えてきた。
だが、「転迷」ではさすがの竜崎も手におえない事案が次々と舞い込んでくる。

外務省職員の他殺体が近隣署管内で見つかり、大森署管内で悪質な
ひき逃げ事件が発生する!
そんなとき、海外で航空機事故が発生!娘の恋人の安否を気遣う。
さらには、覚せい剤をめぐって、厚労省の麻薬取締官が怒鳴り込んできた。

外務省、公安、麻薬取締官、そして現場で動く大森署の刑事たちと
捜査一課の刑事たちとの軋轢・・・。
あらゆる部署の思惑を図りつつ、迷い、しかし常に原則に立ち戻り、
大森署が抱えた事件を追う。

また、厳しい状況の中で、父親としての娘への気遣いも決して忘れない・・・。

竜崎の信念は次第に捜査員に伝わり、部署を超えての事件解決に至る。

この「転迷」ほど、竜崎の苦悩が描かれた作品はない。
しかし、その苦悩も自分の信念を貫くことによって解決に導く。
キャリア・竜崎伸也と周りの人たちの絆、成長も描く!

『転迷 隠蔽捜査4』
著者:今野敏
出版社:新潮社(文庫)
価格:¥670(税別)

今野敏さんの文庫最新刊「軌跡」は傑作短編集。

今野先生の短編集が発売されました。
角川文庫から初だと思われます!
「軌跡」です。
短編の中で、該当するタイトルはないので、
単行本未収録の短編を集めて今野先生の作品の
‘軌跡’としてつけられたタイトルだと思います。

軌跡

第1話「老婆心」は、「刑事調査官」シリーズ。島島コンビが活躍する警察小説。
大島巡査部長&湯島巡査が管内で発生した殺人事件を、心理調査官の島崎優子
を加え島島島トリオで解決してゆく。捜査本部が立った直後、妻から
「母親が倒れた」との連絡が入り、仕事か母親か苦悩する。方や、
島崎心理調査官も上の空でおかしい。それぞれ悩みを抱えながら捜査するが・・・・。
母の気持ちを知った時、タイトルの意味がすとんと落ちる・・。
上手いなあ~今野先生って。この「老婆心」は新潮文庫の、警察小説アンソロジー
『鼓動』に掲載されている、「刑事調査官」の第2弾です。
また読みたくなってしまった!

第2話、第6話は空手の物語。
第4話「タマシダ」はSFホラー。
さえない会社員のアイディアからヒット商品が生まれたが、
会社員はそこから狂気へと堕ちていく・・・。
とても不気味だったけど、奥が深くてとても面白かった。

第5話「生還者」もSFもの。

何でも描けちゃう今野先生の魅力がたっぷりと詰まった
贅沢な1冊です。

『軌跡』
著者:今野敏
出版社KADOKAWA(角川文庫)
価格:¥520(税別)