萩尾警部補シリーズ待望の第2弾「真贋」!

シリーズ第1弾「確証」は、2013年に「確証~警視庁捜査3課」
というタイトルでドラマ化され、大ヒット!!

それからほんとに待ちました!!!
第2弾「真贋」も面白かったです!!!

警視庁捜査三課で窃盗事件を担当する、萩尾秀一警部補は、
盗犯捜査のベテランだ。そんな彼の相棒は女性刑事・武田秋穂だ。
まだ若いが、萩尾から盗犯捜査のイロハを吸収しようと必死だ。
今や、萩尾の‘頼れる’相棒となっている。

目黒区内で窃盗事件が発生したと無線が入った。
目黒署の管轄だが、萩尾は秋穂ともに現場へ向かった。
萩尾は窃盗の手口をみて、「獲物がある場所だけを狙う」
‘ダケ松’の仕業と見抜いた。

ダケ松は職質をかけられときとっさに逃げ出したらしい。
萩尾は、逮捕されたダケ松に話を聞きに行った。
ダケ松の態度を視て萩尾は、その供述に疑問を持つ。
どうやらダケ松には弟子がいるらしい・・・。
その疑念をそらすように、ダケ松は大物故買屋の名前を明かした。

同じ頃、渋谷のデパートで、陶磁器展が開催されるとの
連絡が入った。そこには国宝の「庸変天目」が一緒に
展示されるらしい・・・。
萩尾はダケ松の話から、大物故買屋がその陶磁器展に
絡んでくるのではないかと睨む・・・。

国宝が展示される陶磁器展に民間警備、萩尾達捜査3課。
さらに、警視庁捜査二課第2係(詐欺・背任・横領の捜査専門)の
捜査員・舎人刑事まで加わり陶磁器展の行方を見守るが、
そこで大事件が勃発する。

「国宝」の真贋に二転三転する捜査。
果たして真犯人は?そしてその手口とは?

盗みの職人VS盗犯捜査の職人!
職人同士のかけひきが見もの!
そして、秋穂の成長に目を見張る。
自信をつけた秋穂が、先輩の舎人刑事を
呼び捨てにするところはとても面白いです。

『真贋』
著者:今野敏
出版社:双葉社
価格:¥1,600(税別)

女子大生が未解決事件を捜査!?「継続捜査ゼミ」

次々と新作が発売になる、今野敏先生。
ファンとしては嬉しい限りです!!

しかも警察小説に限らず、警察小説ものに近い
変化球の作品がとにかく面白い!

最近読んだ中では「サーベル警視庁」が面白かったのですが、
今回の作品は、女子大生がゼミの勉強で携わった未解決事件の
真相を突き止める!今までにない設定のミステリー「継続捜査ゼミ」。
とても面白かったです。
登場したゼミの生徒たちがとても魅力的だったので、ファンとしては
ぜひぜひシリーズ化してほしい作品です。

元刑事で警察学校の校長職を最後に退官し、
女子大のゼミの講師になった、小早川。
そのゼミの名称は「刑事政策演習ゼミ」。

受講生は5人の女子大生。それぞれに個性的な女子たちだ。
小早川は、目黒署の組織犯罪対策課刑事総務課係の安斎刑事に
未解決事件の資料の依頼をしていた。
ゼミで勉強するにしても、やはり実際の資料から学びとるのが
一番だろうと考えていた。
そして、未解決事件の一つ、「老夫婦殺害事件」を取上げた。
当時の捜査資料を元に、それぞれが意見を交わす。
小早川は、様々な指摘をしながら講義を進めてゆくが、
やがて、彼女たちの指摘の鋭さに、彼女たちならこの未解決事件の
真相に辿りつけるかも知れない・・・と思い始めた。

当時の捜査官たちが気づかなかった点、見逃していた点、
疑問に思った点を洗い出してゆくと、新たな事件の様相が見えてきた・・・。
そして、ゼミの時間内に切がつかないと、大学近くのレストランで食事を
しながら話し出す。

そんな頃、運動部系の更衣室から、運動シューズの片方だけが
無くなるという事件が多発。
さらに、小早川と親しくなった、別のゼミの教授から身に覚えのない
写真が送られてきたと相談を持ちかけられた・・・。

学内で起こる身近な事件を、ゼミの女子大生たちと共に解決しつつ、
未解決の殺人事件も捜査してゆく。しかも大学の授業でだ。

今までの警察小説には無い、斬新な設定に興奮しつつ、
なぜ犯人はつかまらなかったのか?
何が原因だったのかをつきつめてゆく。
その過程がとても面白かった。

シリーズ化期待!!

『継続捜査ゼミ』
著者:今野敏
出版社:講談社
価格:¥1,600(税別)

警察の草創期の捜査を描く!「サーベル警視庁」

今野敏先生の最新刊は、明治時代の警察を描いた作品。
「サーベル警視庁」です。

時は明治38年、日露戦争まっただ中。
警視庁内でもその話で持ちきりだ。

そんな時、不忍池で変死体があがったと連絡が入った。
警視庁第一部第一課の面々たちは、早速不忍池に向かった。

警視庁第一部第一課は、鳥居部長、(幕末の怪物・鳥居耀蔵の縁者らしい・・)
を筆頭に、仙台出身の葦名警部、服部課長以下、岡崎上位巡査、柔術の猛者・久坂、
剣術の達人・岩井、私服刑事(でか)・荒井巡査という面々。

不忍池で発見された変死体は、帝国大学の教授らしい。
第一発見者は富山の薬売りだという。
岡崎たちは、その薬売りから事情を聞こうと、所轄の本郷警察署
に向かう。しかしはすでに放免された後だった。
そんなに簡単に放免しても良いのか?多少違和感を感じる岡崎たち。
殺害された、帝国大学講師は高島と言った。高島は急進派で日本古来の
文化を排斥し、諸外国にならうべきだと強く発言していた。
同じ日、陸軍大佐も高島と同じような手口で殺害されたとの知らせが入った!!

明治時代の警察署が現代の警察の基礎になりつつある感じだ。

維新の立役者は、薩摩・長州、その出身者が明治政治を牛耳っている。
そういう影響が色濃く残り、様々なところで取沙汰されている様子が
非常によくわかる。
警察内の権力バランスもやはりそうだ。
また、この時代では、維新とは言わず、瓦解と言う言葉を使って
江戸と明治の境目を語っていたようだ。
幕末から明治維新後の様子を市井の側から語れているのは
とても新鮮に映った。

興味深かったのは、伯爵の孫で探偵の西小路や、一般市民を
警察の協力者として捜査に加わっているところがとても
面白いと思った。

特に実在の人物を架空の人物に絡ませ捜査をすすめる
過程に感激した。
明治時代に活躍した人たちの名前が数多く登場する。
知っている人物の名前が捜査上であがってくると
思わずニヤけてしまった。

明治時代の警察小説ではあるけれど、とても新鮮に感じた。
今野節はここでも炸裂しています!!

『サーベル警視庁』
著者:今野敏
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600(税別)

渋い!!警察小説アンソロジー新作「所轄」

警察小説の短編のみを集めた「警察アンソロジー集」の新作が発売。
タイトルは「所轄」。

作品は薬丸岳氏「黄昏」、渡辺裕之氏「ストレンジャー」
柚月裕子氏「恨みを刻む」、呉勝浩氏「オレキバ」
今野敏氏「みぎわ」の5作品が収録されている。

所轄

所轄に勤務する警察官たちが、日々起こる事件にどう向き合っているのか?
警察小説作家さんたちの競作です。

「黄昏」薬丸岳
主人公は、「刑事のまなざし」の夏目刑事。
テレビドラマ化され、心優しい夏目刑事を椎名桔平さんが演じ
好評を得ました。
夏目刑事は、東池袋署から錦糸署へ異動の辞令があり、
東池袋署では最後の事件となりそうだ。
アパートの一室から女性の白骨死体が発見され、娘が死体遺棄容疑で逮捕された。
取調官は、死亡届を出さなかったのは年金の不正受給のためではないかと
疑ったがどうも違うらしい。夏目は、娘が何故死んだ母親と3年も
一緒にいたのか・・・?何か特別な思いがあったのではと思った。
娘の切ない思いに納得・・・。

「ストレンジャー 沖縄県警外国人対策課」渡辺裕之
警視庁から、沖縄県警に新設された「外国人対策課」へ移動してきた、
与座哲郎は沖縄県人であるにも関わらず、長く都会にいたため、
県人とのつきあいに苦慮していた。そんなとき、中国人夫婦の
殺人事件に遭遇。与座は得意な中国語を駆使し、事件解決に奔走するが・・・。
事件の行方と、県警VS警視庁公安部外事第二課との軋轢も読みごたえあり。

「恨みを刻む」柚月裕子
「検事の本懐」&「検事の死命」の検事・佐方貞人シリーズの短編。
佐方検事は、米崎西署で逮捕した覚せい剤所持事件の調書を読み疑問を持つ。
証言者は、逮捕された男の幼馴染の女性だが、
その女性が語った事件当日の行事に、佐方は疑問を持ったのだった。
佐方の小さな発見が、やがて大きな動きを生む。
しかしその動きは・・・・?
佐方の視点と、事件の真相を徹底的に暴こうとする姿勢が
凄いと思いつつ、その過程で警察の深い闇をちらり見せる展開が面白い!

「オレキバ」呉勝浩
大阪西成署管内で、ネットに投稿されたDJが病院に担ぎ込まれた事件。
「オレキバ動画」と称し、ネットで不気味な映像を流していた。
特に問題はないだろうとやり過ごしていた矢先、映像に写っていたDJが
全身ぼこぼこにされた。
鍋島刑事は、その事件の背後にいたらしい矢内という男を引っ張った。
だが、聴取してもうまくはぐらかす狡猾さで、事件の全容が見えてこない。
ある日、鍋島刑事と懇意にしている少女から重要な情報を得る・・。
大阪弁での会話がテンポ良く、妙に心地よい!

「みぎわ」今野敏
東京湾臨海署管内で強盗致傷事件が発生!早速、安積班が出動した。
被害者は強盗にあい腹部を刺されたようで、すでに救急搬送されていた。
通報者もすでに現場にはいなかった。須田が何か感づいたらしい。
安積警部補は須田の直感に期待した。須田は「被害者の連れ」を
気にしていた・・・。こんな状況で、安積は昔の事件を思い出していた・・。
安積警部補の若い頃が読める貴重な短編集。

どの作品も「滋味」のある作品ばかり。
警察小説ファンにはたまらない、アンソロジー集。

『警察アンソロジー 所轄』
著者:日本推理作家協会編
出版社:角川春樹事務所(文庫)
価格:¥600(税別)

公安・倉島警部補シリーズ最新刊「防諜捜査」が面白い!!

今野敏先生の公安捜査官・倉島警部補シリーズの最新刊が出ました!!
「防諜捜査」です。シリーズ5作目。

第1作の「曙光の街」、第2作の「白夜街道」の中の倉島は
まだまだ頼りなく、公安捜査官の何たるか!を知らなかった。
だが、この「防諜捜査」では‘エース’となり、
「作業」を行うまでに成長している。
「エース」とは、秘密組織「ゼロ」の研修を受けた後に
「作業班」に所属し、独自に作業を遂行できる一握りの
公安マンに与えられる呼称(帯より引用)
いわゆる、公安マンのトップクラスだ。

防諜捜査

倉島は上司に呼ばれ、「作業班」への配属を任命された。
胸躍る倉島。
そんな折、ロシア人のホステスが列車に轢かれて亡くなるという事件が起きた。
早速、所轄が動き事故と自殺両面から捜査を開始した。
特に怪しい動きもなく、結局事故として処理された。
だが、中学教師が、その女性がロシア人の男性に突き落とされたのでは
と証言した。
倉島は、その中学教師から話を聞くと、ロシアにいた頃、「オレグ」と
名乗る男と知り合いになったが、その男が線路に人を突き落したのを見たという。
そして、そのオレグが、事件直前に秋葉原にいるのを目撃したと証言。
倉島はその証言を頼りに、情報提供者、出入国情報分析官の力をかり、
オレグを捜索するが・・・・。

倉島は、前作で一緒に仕事をした、片霧と伊藤、さらに、同じ係りの
ベテラン警部補・白崎とともに、作業を開始する。
彼らは様々な情報源をあたるが、オレグの影すら見えてこない・・・
まさか、俺の初めての「作業」は失敗に終わるのか・・・?

しかし、倉島は焦らない・・・。

倉島をライバル視する同僚や、公安機捜隊長との軋轢を克服しながら
事件の真相に近づいてゆく。

公安の「作業」は時に命の危機にさらされる。
しかし、倉島はどんな境遇にあっても、「楽しんだ者が勝つ」
という信念がある。

倉島の冷静さ、優秀さが際立った「防諜捜査」
また彼の成長した姿に会えてうれしい。

『防諜捜査』
著者:今野敏
出版社:文藝春秋
価格:¥1,600(税別)

隠蔽捜査シリーズ長編第6弾「去就」で竜崎が再びピンチ!?

待ちに待った、今野敏先生の大人気警察小説シリーズ
長編第6弾「去就 隠蔽捜査6」が発売されました。

キャラ的には、東京湾臨海署安積班の安積班長が好きな
はまさきですが、ストーリー的に一番好きなのが
「隠蔽捜査」シリーズです。
今回、竜崎はまたまたピンチに立たされます。

去就

警察庁の肝いりで各警察署にストーカー犯罪対策強化のため
ストーカー対策チームを立ち上げるよう指示が出た。
大森署でも、竜崎が真剣に検討していた。
そのせいで第二方面本部への連絡が遅れ、野間崎管理官から
督促されている。新たに第二方面本部長となった弓削の
差し金だと竜崎は感じていたが、全く機能しない対策チーム
など無意味だ。竜崎はきちんと成果を挙げられる対策チームを
作るつもりだと説明した。

そんな攻防を繰り広げている最中、
大森署管内で女性の連れ去り事件が発生した!
連れ去られた女性は、大森署にストーカー被害の
相談に来ていた女性だった。
その女性は、しつこくつきまとう男性に会って
決着をつけるため、同僚の男性と共にその男に会いにいき
行方がわからなくなったというのだ。
連れ去られた女性は寺川真智子、同行した男性は
中島繁晴、そしてしつこく良い寄ったのは、下松洋平。

その件を方面本部に報告に行った竜崎は、その後、中島繁晴が
殺害されたとの連絡を受ける。

ストーカー事件から殺人事件に一変!
さらに下松洋平は、父親の猟銃を持ち出し、立てこもっているという。
伊丹刑事部長は、すぐさまSITを現場に向かわせる。
さらに、弓削方面本部長が、銃器対策チームも必要ではないかと
しゃしゃり出る。
刑事部事案SITvs警備部事案銃器対策チーム。
ストーカー事件解決と警察内部の権力争いにはさまれた竜崎。
さらに、戸高刑事とストーカー対策チームに呼ばれた女刑事・根岸の
捜査で明らかになる、この事件全体に漂う妙な違和感・・・。

全ての判断を委ねられた竜崎は、一切の雑音をシャットアウト!
自らの信念を貫く。
それが自分に不利な方向へ傾いたとしても竜崎は決して揺るがない。

警察小説としては申し分ない展開!
さらにミステリー性を重視。
本作品も読みごたえたっぷりで大変面白かった!

『去就 隠蔽捜査6』
著者:今野敏
出版社:新潮社
価格:¥1,600(税別)

暴れん坊「警視総監」が登場!「マル暴総監」

今野敏先生の大人気「マル暴」シリーズ最新作です。
大爆笑!「マル暴総監」。

シリーズに新たなキャラ登場!
さらに、「任侠」シリーズでおなじみの阿岐本組の代貸・日村も
登場し、ファンにはたまらない展開です!!

マル暴総監

北綾瀬署、組対係りの巡査部長・甘糟は、いわゆるマル暴刑事だ。
だが、本人は体が小さく気も小さい、しかも顔は優男風で
とても暴力団相手の刑事など務められるはずはないと思い込んでいる。
だから、毎日毎日嫌々な思いをしながら仕事をしていた。
しかも相棒は、コワモテの先輩刑事・群原だ。
群原は、ヤクザと言っても通る。
半グレやチンピラからは怖れられている。

ある日の寝入りばな、群原の電話でたたき起こされた甘糟は、
チンピラ同士がにらみ合っている現場へ急いだ!
地域課の連中に任せておけばいいのにと思いながら。
だがそう思っていたら、組員かも知れないだろ!と群原に怒られた!

チンピラどもがにらみ合っている現場で、そろそろ決着をつけさせようと
甘糟が割って入ろうとしたら、今時珍しい白いスーツに身を包んだ
なんとも貫禄のある男が割って入ってきた。
甘糟始め、様子を見ていた多嘉原連合の構成員である唐津や、
阿岐本組の代貸・日村も何事かと訝しむ・・・。
しかし、変な風に話がこじれては大変!と甘糟はその男にも
注意を促しその場を凌いだ。

その後、その白いスーツの男は、そういう危ない現場で度々目撃される。
甘糟をはじめとする組織犯罪対策課や、暴力団の組員たちも、
白いスーツの男の素性を調べるが、誰もその正体を掴むことが出来ないでいた。

そんな頃、殺人事件が起こる。
先日、甘糟の目の前でにらみ合いをしていたチンピラが殺されたのだ。
殺されたチンピラと揉めていたのは、多嘉原連合の構成員らしい。
揉め事がエスカレートしての殺人なのか・・・?
甘糟は、群原に言われ一人、マル暴の事務所へと向かった。

その事件は特捜本部が出来ることになり、管理官、北綾瀬署署長、
警視庁捜査一課課長等お偉方が並ぶ中、なんと!警視総監も臨席したのだ!
捜査員たちは一体何が起こったのかと、緊張のあまり声も出ない!
だが甘糟はその警視総監の顔を見た時に、あまりの衝撃にその場に
倒れそうになる!!!!

もうおわかりですよね!白いスーツの貫禄のある男が誰なのか・・?
そうなのです!!!それは〇〇。
そして甘糟はその男の動きに大弱り・・・
何で「正義」を掲げて危ない現場にいくかなあ~。

このありえない展開がめちゃめちゃ面白くて面白くて!
さらに特捜本部は、容疑者は白いスーツの男だ!追え!なんて
全く筋の違う方向へ持って行こうとする。
そこへ、群原がかっこよく「白いスーツの男は容疑者とは違う」
と言ったものだから益々反感を買われ・・・?

一体どうなるこの事件。
収拾はつくのか・・・・!
前代未聞のラストに大爆笑~~~~。
またもや、今野先生がやってくれましたよ。
面白すぎる~。

『マル暴総監』
著者:今野敏
出版社:実業之日本社
価格:¥1,600(税別)

ハマの用心棒・諸橋刑事が帰ってきた!「臥龍」

今野敏先生の「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズの
第4弾「臥龍」を読みました。

このシリーズは、横浜みなとみらい署暴対係の活躍を描いた警察小説です。
「ハマの用心棒」こと諸橋係長と係長補佐の陽気な刑事・城島が
コンビを組んで、暴力団絡みの事件を追います。

「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズは、第1弾「逆風の街」
第2弾「禁断」3弾が「防波堤」いずれも文庫で発売されています。
ファンとしては嬉しい限り!

臥龍

師走の頃、諸橋と城島は仕事帰りに飲み屋に立ち寄って
一杯やろうと思っていたら、外でチンピラたちの喧嘩が
はじまった。
止めに入ったが大喧嘩になり全員検挙した。
この事件に嫌な予感を持った諸橋たちは、
横浜でひっそりと暮らす、昔気質のヤクザで二人の
情報屋でもある、神野のところへ向かう。
神野は関西系に関係するかもと匂わせるが、
肝心なことは隠しているようだった。
神野をたずねた翌日、関西の暴力団、羽田野組長、
羽田野繁が殺害されたとの連絡が入った。
神野の予感は的中。横浜に関西の暴力団が
やってくれば、大変なことになる!
諸橋はこの事件がどういうカラクリなのか
考えるが、どうにもつかめない。
その隙に、捜査一課は神野をマークし始めた。
捜査一課の方針にまったく納得できない諸橋たちは
独自に捜査を始める・・・・。

諸橋を良く思わない、監察官の笹本、さらに捜査一課の
連中たちとの軋轢を生みながら、必死で神野をかばう
諸橋たち。
事件の真相は?神野はどうなるのか?

信頼しあう男たちの絆、さらに意外な人物からの援護。
くじけそうになる諸橋たちを部下たちが励ます。
さらに、いつもはジョーク好きの陽気な城島がいつになく熱い!!
今野節炸裂!です!

『臥龍 横浜みなとみらい署暴対係』
著者:今野敏
出版社:徳間書店
価格:¥1,600(税別)

今人気の警察小説作家勢揃いの警察アンソロジー「タッグ私の相棒」

警察小説ファンにはたまらない!アンソロジー集が出ました!
しかも「私の相棒」。
タッグを組む相棒についての描かれた警察短編集です!

相棒

第1話「光陰」今野敏
若い時、安積はある事件で初めて須田と一緒に仕事をすることなった。
須田を見たとき、安積は、鈍そうな奴!と思った。
ところが、須田は事件に対しては独特の勘を持つ。
それに気づいた安積は・・・・。
若き日のいけいけの安積刑事が須田との触れ合いによって
思慮深い刑事に変ってゆくところが面白い!!

第2話「張り込み」西村健
荒川署のミステリーオタクと食道楽の二人の刑事は全く
相性が合わない。二人でいつ果てるともない張り込みを
続けるが・・・・。その張り込みがとんでもない展開に!!
かなり笑える!

第3話「真夜中の相棒」柴田よしき
「RIKO」シリーズに登場した私立探偵・麻生。
彼の警視庁時代を描く!
何を考えているのかわからないと言われる麻生。
狭いアパートで胸を一突きで殺害された事件。
顔見知りの犯行と思われたが、麻生は一つ
気になることがあった・・・・。それは猫・・・?
思慮深い麻生刑事が魅力的!

第4話「舞台裏」池田久輝
第5回角川春樹小説賞受賞の著者が初めて挑んだ警察小説。
生活安全部指導班・佐原が昔の演劇仲間と事件に迫る!

第5話「後席の男」押井守
警視庁特車2課の俺と兼子がレイバー席に乗り込む!
兼子の生活音に辟易しながら俺はレイバーを・・・
ところが、事件も解決した頃、SATの上級者が
レイバーにいちゃもんをつけた。切れそうになる二人。
だがそこに現れたのは!?
「機動警察パトレイバー」のスピンオフ作品です!
ひゃ~!!

第6話「弧月殺人事件」柴田哲孝
玉川署の新米刑事・有田はある骨董屋殺人事件の現場にいた。
骨董にくわしい祖父から知識を叩き込まれた有田はこの事件は
一筋縄ではいかないと思った。案の定、上司が有田の祖父に
助けを求めてきた・・・。祖父とコンビを組んで事件を探る
骨董ミステリー。
骨董の知識が半端ないです!

第7話「再会」逢坂剛
「御茶ノ水署」シリーズの迷コンビ、斎木と梢田は小学校の同窓会
の幹事をやることに・・・。犬猿の仲の二人・・・。同窓会で
いったい何が起こるのか!?
このコンビ、あほやないかい!?といつも突っ込みたくなる。

警察小説好きの方々、ご堪能ください!

『タッグ 私の相棒 警察アンソロジー』
著者:今野敏/西村健/柴田よしき/池田久輝/押井守/柴田哲孝/逢坂剛
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600(税別)

安積班シリーズ最新刊「潮流」が物凄く面白い!

今野敏先生の大人気シリーズ「東京湾臨海署安積班」の最新作が発売されました。
タイトルは「潮流」です。
安積班シリーズとしては、第15作目で、今回は長編です。

「潮流」は、警察ミステリー作品としても、警察組織内を描く人間ドラマとしても
これまでにないほど面白く、シリーズ中最高傑作ではないかと思いました。

潮流

珍しく、何事も起こらない朝だった。
安積班がのんびりと仕事に向かおうとした矢先、
東京湾臨海署管内で立て続けに救急車の要請が入った。
残暑が厳しい8月下旬、誰もが熱中症ではないかと
疑ったが、搬送された3人が同じような症状で死亡してしまう。
解剖の結果、「リシン」という毒物が検出される。
そして、被害者の身体からリシンを仕込まれた金属球が発見された。
捜査一課との合同の捜査本部が出来、安積班も捜査に参加。
そんな中、臨海署へ犯人と思われるものからメールが届いた。
安積は、このリシン事件は過去に安積班が扱った事件が原因ではないかと疑う。
そこで、安積は、過去の事件を洗い出す。そして4年半前の事件に着目する。
それは、ジャーナリストが起こした傷害致死事件だった。
裁判で判決が出た後も収監中もその被疑者は一貫して無実を訴えていた。
もしや「冤罪」だったのか?
安積はこの事件を再捜査することを決心する。

リシン事件の犯人を追う展開と、かたや傷害致死事件の真相を
再捜査する展開。2重の展開がこの作品のミステリー的な面白さを際立たせている。

さらに、過去の事件を掘り返し冤罪の有無を暴こうとする安積班の
動きを徹底的に封じ込めようとする警察組織。
安積をとりまく刑事たちの思惑、警察内部の人間ドラマも緻密に描かれていて、
今までにない面白さを感じた!

安積の警察官としてのぶれない姿勢。
「警察だからこそ、間違いは正さなければならない」と訴える。
この言葉に深く深く感動!

安積班の絆の深さと安積係長の人間としての器の大きさに
またもや感動しました。
本当に面白かったです!

『潮流 東京湾臨海署安積班』
著者:今野敏
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,600(税別)