仰天展開!仏ミステリーの傑作!「ブルックリンの少女」

海外ミステリコーナーを物色中に妙に気なる
作品がこの「ブルックリンの少女」だった。
棚の前を通るたびに目に入るので購入。

しばらく積読していましたが、先日読了。
いやいや、どうしてもっと早く読まなかったのか
と後悔したくらいに面白かった~。

運命的な出逢いをした、人気小説家のラファエルと
医師のアンナ。結婚を間近に控え、二人は
南フランスで休暇を楽しんでいた。
幸せな中でもラファエルは気になることがあった。
なぜかアンナは過去をひた隠しにしていた。

結婚するならば、パートナーの過去を知りたいと
強く願うラファエルは、アンナに詰め寄る。
アンナは抵抗したが、ラファエルの強硬な
態度に観念し、一枚の写真を差し出す。
そこには、目をそむけたくなるほど衝撃的な
光景が写されていた。

その写真を見てショックを受けた
ラファエルは、アンナの元から去ってしまう。

しかし、激情にかられアンナを突き放したことを
後悔したラファエルは、アンナに謝ろうと戻るが、
アンナは出て行った後だった。
そして、アンナはそのまま失踪してしまう。

アンナにもう一度会って話をしなければ!
失ってはならない大切な人だということを
改めて思い知らされたラファエル。
友人の元警部・マルクとともにアンナの行方を
調査すると、不審な事件や事故が浮かび上がってきた。

アンナが隠し続けた過去、その過去を
調査してゆく過程で、アンナの正体
は明らかになってゆく。しかし
明らかになったことで、さらに新たな謎が生まれる。

アンナの正体は?
事件や事故の裏にあるカラクリとは一体?

ミステリーの王道をである謎が謎を呼ぶ展開。
最後の最後まで気を抜けない!
そして、超!どんでん返しに言葉もない。

海外ミステリーの醍醐味をたっぷり
味わえる傑作中の傑作!

『ブルックリンの少女』
著者:ギョーム・ミュッソ著/吉田恒雄訳
出版社:集英社(文庫)
価格:¥1,000(税別)

第11回角川春樹小説賞受賞作!「ブラックシープ・キーパー」

角川春樹小説大賞受賞作と言えば、今村翔梧さんの
「童の神」が記憶に新しい!直木賞にもノミネート
された、熱い時代小説だ!

「童の神」だけでなく、この賞の受賞作品は
面白い作品が多い。

はまさきが一番感動したのは、第7回の受賞作、
櫻部由美子さんの「シンデレラの告白」。

そいうこともあり今回の受賞作、柿本みづほさんの
「ブラックシープ・キーパー」読んだ。
なんと!スタイリッシュで斬新なSFアクションミステリー
だった!!!

2025年、日本の量子力学研究所が世紀の大発見を
したことにより、世界が急激に変化した。
新たな人類が誕生したのだ。

その研究施設があった札幌で、異能力を持つ
人間が大量に発生した。

異能力を持つ元警察官の桐也は、2年前に姉が
精神を病んでゆく姿を見ることに耐えられず
自らの手で姉を撃ってしまった。
そのトラウマから抜け出せず、殺し屋稼業に
墜ちていた。

そんなある日、依頼された仕事の遂行中にアクシデント
が起きる!
その深夜、桐也のアパートのドアをたたく者がいた。
桐也は鬱陶しいと思いながらドアを開けた。
そこには、一人の少女がたっていた。
この日から桐也の生活は一変する!

設定の面白さは言うに及ばず、桐也のもとへ
やってきた少女は何者なのか?
次々と罠を仕掛ける黒幕とは一体誰なのか?
というミステリー的な展開も十分に堪能出来る!

さらにアクションだ!異能者が持つとんでもなく
個性的な武器で激闘を繰り広げるシーンはまさに圧巻!!
まるで映画を観ているようだ。

映画「レオン」と「ブレードランナー」への
オマージュを込めたというSF作品。

少女との出会いが一人の男に生きる希望を与える。

近未来の札幌を舞台に描かれる希望と再生の物語。
ラストにほろっと泣けてくる!

『ブラックシープ・キーパー』
著者:柿本みづほ
出版社:角川春樹事務所
価格:¥1,400(税別)

モンスター級の衝撃!!!!「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」

発売前から凄く話題になっていたミステリー。
相沢沙呼さんの「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」を
読みました。

…..。凄い!すごい!ス・ゴ・イ!!!!!
読まれた方も絶叫していらっしゃいますが、
はまさき、あまりの衝撃に言葉がう、うかびません!

推理作家の香月史郎は、これまでに数々の難事件を
解決に導いていた。

ある日、香月は写真サークルの後輩から霊媒者
に会って欲しいと頼まれる。
それが、城塚翡翠との出会いだった。
心に傷を抱えて生きる、少女のような翡翠。
そして彼女は霊媒師であり、死者の言葉を伝える
事が出来る。

しかし、事件発生現場で翡翠の話には証拠能力がない。
香月は、翡翠の霊視と論理をつくした推理を
組合せ事件解決に力を尽くした。

だが、香月の推理力をもってしても解決
できない事件が起こっていた。
それは、若い女性ばかりをねらう連続殺人鬼の犯行だ。
証拠を一切残さないため、警察も手掛かりをつかむ
ことが出来ないでいた。
この犯人を追いつめることが出来るのは、翡翠の力のみだ。

しかし、殺人鬼の魔の手は翡翠へと迫っていた….。

これまで数々の仰天ミステリーを読んできたけれど、
この作品はまさに「モンスター級」の衝撃!!

一瞬にして世界が反転する「驚愕」をこの作品ほど
堪能できる作品はないと思う。

今年NO1の傑作ミステリと言っても過言ではない。

『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』
著者:相沢沙呼
出版社:講談社
価格:¥1,700(税別)

衝撃の警察小説登場!「ブラックリスト 警視庁監察ファイル」

初読みの作家さん、伊兼源太郎さんの
「ブラックリスト」を読みました。
読んでいる途中で気がつきました。この作品には前作が
あるのでは?ということで、第1弾は、
「密告はうたう 警視庁監察ファイル」
(実業之日本社文庫 ¥685税別)です。
こちらから読むほうがおススメですが、
「ブラックリスト」面白いです!

このシリーズは、警察官や、警察職員の不正を捜査する
警察官にとっての警察という「監察」に焦点を充てた作品。

「ブラックリスト」の物語は、
捜査二課から大型特殊犯罪関連の捜査資料が流出し、
資料に名前のあがっていた、逃亡中の詐欺犯たちが
次々と変死する事件が起きた。

捜査資料は渋谷中央署から流出したという疑いがのぼり、
警視庁人事一課監察係の佐良と皆口は、内勤の刑事の
行確に入った。
だが、その朝二人は突如何者かに銃撃をされる!
しかも、その銃は弾の線条痕から2年前に起きた
警察官殺害事件に使用された銃と同じものだと判明!

2年前に殺害された刑事とは、佐良の相棒で、皆口の
婚約者だった斎藤だ。
二人は複雑な思いを抱え、捜査を続行する。

この銃撃は捜査妨害なのか?それとも….
何者かの脅迫なのか?

捜査資料流出事件の背後にあるものとは?
警察内部で何が行われているのか?

組織内部に蔓延る暗く深い闇も見え隠れする、
いったい、本当の黒幕はどこの潜んでいるのか?

作品全体に漂う緊迫感、サスペンスフルな展開、
そして「容疑者は全ての警察官」という一文に戦慄する!

渋みと凄みが効いた新たな警察ミステリー。

『ブラックリスト 警視庁監察ファイル』
著者:伊兼源太郎
出版社:実業之日本社
価格:¥1,700(税別)

仰天展開!「メインテーマは殺人」A・ホロヴィッツ

昨年の様々な海外ミステリーランキングで
7冠を達成した、アンソニー・ホロヴィッツ
「カササギ殺人事件」!
ほんとに鳥肌物の面白さだった!

ところが今年!またまた鳥肌物の新作が出た!
「メインテーマは殺人」だ。
もう、凄すぎる。面白すぎる!

老婦人が自分の葬儀の手配をした日に殺害される
という劇的な事件の始まり!

彼女は、自分が殺されると知っていたのか? 

作家のホロヴィッツは、刑事ドラマの
脚本執筆で知り合った、元刑事ホーソーン
からこの奇妙な事件を捜査する自分を
本にしないかと誘われた。

困惑するホロヴィッツ。断るつもりだったが
すでに事態は動きはじめていた。

元刑事ホーソーンは、空気は読めないが
怜悧な推理力を持つ元刑事だ。
ホロヴィッツから見たら、彼の勝手気ままな
捜査に駆り出される・・・。という思いが強い。

ホロヴィッツが元刑事ホーソーンに
翻弄される姿は、まるでホームズとワトソンだ。

そして、時に挿入されるホロヴィッツ
自虐ネタとも言えるエピソードがちょっと笑える。

しかし、謎解きと犯人当ての醍醐味は
「カササギ殺人事件」に勝るとも劣らない!
シャーロキアンをも唸らす大胆不敵な展開に圧倒される!

仰天展開の「メインテーマは殺人」を堪能してほしい。

『メインテーマは殺人』
著者:アンソニー・ホロヴィッツ
出版社:東京創元社(文庫)
価格:¥1,100(税別)

またしてもやられた!「ケイトが恐れるすべて」P・スワンソン

昨年の海外ミステリーランキングで
「カササギ殺人事件」と同じように話題を
さらった、ピーター・スワンソンの
「そしてミランダを殺す」。
予測不能で読者はいったいどこへ連れて
いかれるやら…。とドキドキしながら読み、
驚愕のラストでがつん!とやられてしまったのです。

そして、第2弾「ケイトが恐れるすべて」を読みました。

ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと
住居を交換することにした。
過去の忌まわしい記憶からなかなか脱却できずに
悩むケイトだったが、ボストンで新しい
生活を送れば少しは前向きになれると思ったからだ。

コービンとは半年の約束で、ボストンの
豪奢なアパートメントで新生活を
始めようと引っ越した翌日、隣室の女性の
死体が発見された。

殺害された女性の友人と名乗る男、さらに
向かいの棟の住人から、コービンがその女性
と恋人同士であること、そしてその事実を
周囲に秘密にしていたことを明かされた。

不安になったケイトはコービンに真相を
問いただすが、コービンは彼女との関係を否定する。

では、一体誰が嘘を言っているのか?

見知らぬ他人に囲まれたケイト。
隣人は誰に殺されたのか?
ケイトに迫る危険と恐怖!

ストーリー展開と構想の巧さに圧倒され、
それぞれのキャラクターの心理描写に
背筋が凍る!

狂気を孕んだ、圧巻のクライマックスに
またしてもやられた!

凄いとしか言いようがない傑作ミステリー!

『ケイトが恐れるすべて』
著者:ピーター・スワンソン
出版社:東京創元社(文庫)
価格:¥1,100(税別)

面白すぎていっき読みです!「悪寒」。

「代償」がベストセラーになっている、伊岡瞬さんの
「悪寒」(集英社文庫)を読みました。
読み始めたら、止まらなかったです!

大手薬品会社に勤務する藤井は、上司の命令で
ちょっとした不正に手を染めた。
それが明るみに出て、上司もろとも責任をとらされ、
地方の販売会社に出向させられた。

そこでは、支店長から日々嫌味を言われる毎日。
そんな単身赴任中の藤井の心の支えは家族。

会社とは半年という出向期間の約束。
しかしそれは、会社が裏切らない限りと
いう不安がつきまとう。

そんな不安の中、最近家族の態度が
よそよそしくなったと感じていた。

ある日同僚と飲んでいたところ、妻から不可解な
メッセージが届く。
「家の中でトラブルが起きました」とある。
聡明な妻がこんなわけのわからない
メールを送ってくるなんて….。

激しい不安にかられた藤井は東京の実家へと向かった。
そこで藤井を待ち受けていたものは・・・・。

妻の裏切りと藤井が憎んでいた上司の殺人疑惑、
娘との隔絶、会社への不信….。

妻が自分の上司を殺害したなんて….。
絶対に信じられない。
しかし、妻への疑惑が次々と藤井を襲う。

会社への不満はありつつも、家族を信じ
幸せに生きていた男が、ある日突然
絶望のどん底へ突き落される!

現実なのか?それとも夢なのか?
しっかりと大地を踏ん張ることが出来ない
アンバランスな男の心理を超リアルに
描いてある。その上手さに引き込まれて
しまうのだ。

そして、2転3転するストーリー展開も
読者を飽きさせない。
先が気になって仕方ない。

極上のサスペンスミステリーであるとともに、
人生、夫婦、家族の在り方を問う、
極上のエンターティメント作品でもあると思う。

『悪寒』
著者:伊岡瞬
出版社:集英社(文庫)
価格:¥770(税別)

「検証捜査」の兄弟編!「凍結捜査」

堂場瞬一さんの「~捜査」シリーズも大好きです。
「検証捜査」はほんとに面白くて、シリーズに
なって嬉しいです。
今回の「凍結捜査」はその兄弟版。北海道が舞台です。

函館中央署の保井凛は、ある事件の再捜査で
東京に呼ばれたときに知り合った、警視庁の
神谷とともに北海道で休暇を過ごしていた。

そこへ射殺体発見の連絡が入った。
休暇を中断し、現場へ向かった凛は驚く。
雪の中に横たわっている射殺体は、婦女暴行
の容疑がかかり、被害届がでていた
平田という男だった。

被害届を出したのは、水野珠希という女性だった。
凛は早速、珠希を訪ねた。しかし珠希は突然
姿を消したと言う。
一体どういうことなのか?

凛は捜査を続けるが、手掛かりはない。
また、珠希の行方も杳として知れない。

半年が過ぎた頃、東京のホテルで女性の
射殺体が発見された。警視庁の神谷が捜査を
担当すると、女性の身元が判明。
なんとその射殺体は、行方が知れなかった
水野珠希だった。

連続殺人事件なのか?凛も東京で神谷と
ともに捜査をすすめてゆく。

一向に見えてこない事件の真相。
読んでる方ももどかしい。
事件の筋がみえたのか?と思うとまた後退する。
この捜査の過程が非常にリアルに描かれている。

さらに、事件を通して凛の心に広がる未来への
不安や、凛を思う神谷の優しさも描かれる。

そんな思いを乗り越えつつ、巧妙に仕組まれた
重大犯罪に、熱き刑事魂を抱えたものたちが挑む。

読み応えのある、本格的警察小説!

『凍結捜査』
著者:堂場瞬一
出版社:集英社(文庫)
価格:¥880(税別)

支援課の苦悩を描く!「警視庁犯罪被害者支援課6不信の鎖」

大好きなシリーズです。
「警視庁犯罪被害者支援課」。
新作は、ブラック企業ハウスメーカーの
社長が主人公です。
かなりの波乱が巻き起こります!

2年前、ブラック企業として知られる
ハウスメーカーの社長・大崎の娘が殺害された。

支援課の村野は、その事件で被害者家族である
社長の大崎に寄り添うが、大崎は怒りを爆発
させるばかりで支援課は苦労した。

そして2年後、強盗殺人で山梨県警が逮捕した
男が、大崎の娘殺害を自供したと連絡が入った。

あまりにも意外な犯人の自供で捜査は急展開する。

そして村野たちは、再び大崎と向き合うこととなった。

警察を信頼できず、怒りにまかせて暴言を吐く
大崎にまたもや振り回される村野。

さらに支援課内部でも問題が生じていた。
以前から支援課に不満を抱いていた長住が、
この事件を執拗に追う記者と不審な接触
図っていたのだ。

最も傲慢な犯罪被害者は守るべきか否か….。
悩み続ける支援課、そして村野。

今までにない被害者家族と向き合う村野たち。
それでも絶対に挫けず己の職務を全うする
彼らの矜持に心を打たれた。

また、今作品、今まで以上にミステリー色が濃い。
クライマックスの展開に目を瞠る!

読み応え十分の警察小説!

『警視庁犯罪被害者支援課6 不信の鎖』
著者:堂場瞬一
出版社:講談社(文庫)
価格:¥840(税別)

読み終わるのがもったいないくらい面白い!『ムゲンのⅰ』

知念実希人さんの「ムゲンのi」を読みました。
我をわすれ、没頭して読みました。

世界でも極端に症例の少ない謎の病気「突発性嗜眠症候群」
通称レイスという難病の患者が同時期に3人も発生した。

その3人の主治医を勤める医者・識名愛衣は、彼らが
レイスに陥ったのは共通の原因があるのではないかと
推測し、祖母から受け継いだ呪術師・ユタの力を使って、
彼らの魂の救済〈マブイグミ〉を試みる。
この病気を治す術はそれしか方法はないのだ。

愛衣は患者の夢幻の世界に飛び込み、愛衣の魂の分身
〈うさぎ猫のククル〉とともにマブイグミを施してゆく。

やがてイムス患者の心の傷は、23年前の少年Xによる
通り魔殺人と、最近都内で頻発する猟奇殺人の二つの
事件と繋がっていることがわかる。

「夢幻」、「呪術師ユタ」、「うさぎ猫ククル」という
ファンタジーを連想させる世界観に、超現実的な
メディカルミステリーを融合させるという神業を挿入させた
ストーリーは、展開も結末も予測不能だ。
だからこそ物語がどう進んで行くのかが気になり、
先へ先へと読みたくなる。

また、医者として患者を完治させたい、助けたいという
愛衣の強い思いは、ククルの励ましなしでは成功しない。
愛衣を支え続けるククルの深い愛情と、愛衣を見守る
祖母や父の慈愛。この物語全体を「愛」の力が包み込んでいる。

著者が「命を削り、魂を込めて書きあげた最高傑作」と
言う通り、物語が、文章が、言葉がじわじわと心の中に
沁みこんでくるようだ。

設定・ストーリー展開・登場人物の愛らしさ、
そして最高級の面白さで魅せる、見事なファンタジック
ミステリー!
すべての謎が解け真相に繋がった圧巻のラストに魂が震える。

700ページという大長編なのに、読み終わるのが
もったいないと思うほど、面白いミステリー。

『ムゲンのⅰ上下』
著者:知念実希人
出版社:双葉社
価格:各¥1,400(税別)