TOKAGEシリーズ第3弾「連写」を読みました!

本屋大賞ノミネート作品の本読みも一段落つき、
やっと好きな警察小説が読めます!
うきうきしていたら、なんとタイミングよく
今野先生の最新刊が発売!!
TOKAGEシリーズ第3弾「連写」です。
早速読みました。

連写

警視庁の特殊遊撃捜査隊に所属する、上野数馬は
バイクでパトロールしつつ、周りの景色をまるで
カメラで連写するように頭の中に記憶出来るという
特技を持っている。数馬の能力は、今までの
事件でもたびたび活かされていた。

東京都内でバイクを利用したコンビニ強盗が連続して発生!
しかも国道246号沿いに集中している。警視庁の覆面捜査チーム
‘トカゲ’にも捜査の招集がかかった。上野数馬と白石涼子は
捜査本部が置かれた、世田谷署へと向かう。新設された
IT捜査専門の分析センターを総動員して捜査するが
解決の糸口が見つからない・・・。目撃証言は黒い
ライダースーツの二人組だ。すぐに見つかると思っていたのだが・・・。

かたや‘トカゲ’の取材を目的とする新聞記者・湯浅と
相棒の新人記者・木島。
湯浅はトカゲの白石涼子をどうしても取材したい。
彼らの動向を追う内に、コンビニ強盗事件に行き当たる。
湯浅は木島と二人でつかんだ情報を、白石涼子に
確認と称して連絡したりする。
警察官と新聞記者、もちつ持たれつの関係が非常に
理想的に描いてある。
絶対に現実ではこういうのはないだろうなと思いながら
読む。でも何だか清々しい。
また、いつもスクープを狙う湯浅は、後輩の木島の
仕事ぶりにいつも不満を抱いている。
だが、木島は木島のスタイルで仕事をしている。
シリーズ3作目になると、だんだんと木島の良さを
認め、スクープばかり追っている自分をちょっと
振り返ったりするシーンは思わず共感してしまう。
若い人は若い人なりに必死なんだと。いかに自分を
保ちながら、納得できる仕事を続けられるのか?
秘かに戦いながら仕事をしているんだなと思ってしまう。

新聞記者を巻き込みながら、次第に明らかになる
コンビニ強盗の目的・・・。
じわじわと事件の真相が明らかになっていく過程は
非常に面白いです。
ミステリー的なドンでん返しは無いですが、
地道に捜査して事件の真相がわかるっていう
警察小説の醍醐味が読めてもう満足!満足!

クライマックスのバイクでの追撃シーンは
ハラハラドキドキものだったし。

う~ん今回も面白かったです!!

『連写 TOKAGEトカゲ3 特殊遊撃捜査隊』
著者:今野敏
出版社:朝日新聞出版
価格:¥1500(税別)

「隠蔽捜査」だけでなく「触発」も面白い!

「隠蔽捜査」がドラマ化され、大変面白いので嬉しいです。
「ハンチョウ 神南署安積班」「確証」など、今野作品が
次々とドラマ化され、ファンにはたまりませんが、
実はこのシリーズも面白い!
「警視庁捜査一課 碓氷刑事」シリーズ。
「触発」「パラレル」「アキハバラ」「エチュード」「ペトロ」と
現在5作品が出ています。
シリーズ1作目が「触発」。
碓氷刑事VS爆弾魔という構図。

触発

朝の通勤ラッシュで混雑する地下鉄構内で、爆発事件が発生し、
死傷者が300人を超える大惨事となった!
警視庁は、事件の大きさに早速捜査を開始する。
迅速な事件解決のため、政府は爆弾のスペシャリストを
警察に送り込む。
陸上自衛隊三等陸曹・岸辺和也。自衛隊髄一の爆弾処理の
スぺシャリストだ。
相棒に指名されたのは、警視庁捜査一課の碓氷弘一。
二人は戸惑いながらも、犯人逮捕・国を守るという
同じ目標にむかって事件解決に邁進する。

事件解決のために、外部から助っ人を呼ぶことなんて
現実にはないだろうが、そこを実にリアルに描いた
警察小説なのだ。
いつもながら、今野先生の博識ぶりには驚かされる!
この作品では、爆弾づくりのシーンが詳細に
描かれていて驚愕!

このシリーズ、毎回事件解決のキーになるスペシャリストが
登場し、碓氷刑事とコンビを組むので、ドラマには
向いていると思う。
ただ、碓氷刑事が中年のおじさんという設定なので、
役者さんが思い浮かばず・・・・。
でもファンとしてはド・ラ・マになったら楽しいなあと
思うのでした・・・・。

『触発』
著者:今野敏
出版社:中央公論新社(中公文庫)
本体価格:¥762(税別)

「わが名はオズヌ」拡販中です。

今野敏先生の「隠蔽捜査」シリーズがドラマ化され、
それを記念して、本の学校今井ブックセンターのミステリー棚で
ミニ‘今野敏まつり’を開催中です。
はまさきが今野敏作品にはまったきっかけとなった
「わが名オズヌ」(小学館)。
ものすごく面白かった。
読み終わったあと、オズヌのカッコ良さに感動し、
すっきり爽やかな気分に浸れた。
どうしてもあの感動を伝えたく、フリーペーパーまで
作成してしまいました。
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『パラレル』もめちゃめちゃ面白い!
オズヌも再登場する。さらに『陰陽』『憑物』シリーズの
主人公・鬼龍光一も登場。
不可解な連続殺人事件を追う、警視庁捜査一課・碓氷刑事とコンビを
組まされている赤城刑事に協力するオズヌと鬼龍光一。
他シリーズの人気キャラを「パラレル」に登場させた
ファンにはたまらないコラボ作品。
それらのシリーズを並べました。

ドラマ「隠蔽捜査」はほぼ原作通りの出来でとても嬉しい。
毎週、毎週楽しみです。
今日放送されるのは、いよいよ『疑心』
竜崎が女性部下に淡い恋心を抱く!?なんて!?
仕事も恋も混迷の極み!どうする竜崎!?
っていう感じです。

『わが名はオズヌ』
著者:今野敏
出版社:小学館
価格:¥695(税別)

今野敏さんの伝奇警察小説が面白過ぎる!

隠蔽捜査」シリーズがついに!連続ドラマ化です!
正統派の警察小説ミステリーですが、今野先生は実は
伝奇小説も描いていて、それを警察小説と上手く融合させた、
オカルトチックな警察小説もすごく面白いんです。
その代表作と言えば、「パラレル」(中公文庫)です。
「パラレル」には「わが名はオズヌ」で修験道の祖・役小角(えんのおずぬ)
が転生した・賀茂晶や亡者を追う、祓師・鬼龍光一登場させ、
刑事と共に不可解な連続殺人事件を解決に導いています。

陰陽憑物

祓師・鬼龍光一もシリーズ化されています。「陰陽」「憑物」
この2点、とても面白いです。
若い女性をターゲットにした惨殺事件や大量殺人事件の現場に度々現れる
黒ずくめの男。彼は亡者を祓う‘鬼道衆’と呼ばれる祓師・鬼龍光一。
警視庁の刑事・富野は、祓師と名乗るこの男に不信感を
募らせるが、いつしか絶妙な協力関係で、事件の真相に
近づいて行く。また、鬼龍とのライバル関係である、
外道を祓う‘奥州勢’と呼ばれる祓師・安倍孝景も登場する。
いつもは憎まれ口ばかり叩き合っている二人だが、
亡者や外道を祓う時に二人で協力し、陰陽パワー全開で
憑物を退治するときが、めちゃめちゃかっこいいんです。

多彩な今野敏ワールド、面白くて面白くてやめられなくなります。

『陰陽 祓師・鬼龍光一』
『憑物 祓師・鬼龍光一』
著者:今野敏
出版社:中央公論新社(中公文庫)
価格:陰陽¥686(税別)憑物¥648(税別)

警視庁捜査一課・碓氷弘一シリーズ文庫最新刊『エチュード』。

今野敏さんの文庫最新刊です。
『エチュード』(中公文庫)
警視庁捜査一課のウスやんこと、碓氷弘一シリーズ第四弾!
はまさき、このシリーズも大好きです。
なぜかというと、この碓氷刑事は、いつもちょっと変わった
パートナーと組まされるんです。
「触発」では事件が爆弾を使ったものだったので、自衛隊の
爆弾エキスパートと組んで、爆弾魔を追いつめる。
「パラレル」では、連続猟奇殺人事件の犯人を追ううちに、
役小角が転生した、男子高校生・賀茂晶と、祓い師・鬼龍光一に
助けられ、「アキハバラ」では、外国人スパイとパソコンマニアと
ともに事件を追うことになる・・・。
そして今回、相棒になったのは、なんと検察庁から
送り込まれた心理調査官。しかも若い女性だ。

エチュード

中年太りと頭が薄くなってきたことを最近気に掛けるようなになった碓氷警部補。
渋谷・新宿で通り魔殺人事件が連続して発生した。しかし何故か誤認逮捕が
繰り返され、事態を重く見た検察庁は、迅速な事件解明をすすめるために、
心理調査官を派遣。しかも女性!。碓氷警部補はまたもや、変わり種の
パートナーと事件を捜査する羽目になる。
しかし、女性心理調査官・藤森紗英は、非常に優秀だった。
彼女の助言により、巧妙な「犯人すり替え」が行われていたことが
わかった。いったいどんなトリックを使ってすり替えを行っていたのか?
常軌を逸した犯人の行動に、この異色のコンビは事件解明できるのか!?

毎回、碓氷警部補の柔軟な対応に驚く!
どんなパートナーと組まされようと、相手の力を引き出す
碓氷警部補の懐の深さに脱帽する。
今回は若くて美人で優秀という、碓氷警部補がちょっと
苦手な相棒だったが、一緒に捜査をすることでお互いに
心を開き、碓氷の後押しで藤森紗英が捜査本部に
なじんでいく様はとっても良かった。
(田端捜査一課課長がまたもやいい味を出していました!)

読了後、やはりさわやかな気持ちになるのは私だけだろうか?

『エチュード』
著者:今野敏
出版社:中央公論新社(中公文庫)
価格:¥667(税別)

嬉しい!「隠蔽捜査」が連続ドラマ化

「隠蔽捜査」連続ドラマ化!
今野敏フリークならば、このニュースに思わず叫んだはず!
かくいう、はまさきも涙が出るくらい嬉しかったんです。

今野先生の作品の中で「隠蔽捜査」シリーズは特別。
警察という組織の中で、原理原則を貫くことは、ほぼ不可能。
しかし、主人公の竜崎伸也は、東大卒のキャリアでありながら、
組織の判断が間違った方向に行こうとすれば、それは違うと
堂々と言える男だ。
変人と言われながらでも、正しいと思う道を行く。
そんな竜崎に憧れを抱いた人も少なくないだろう。

一番最初の印象は、いけすかない奴だった。
でも読んでいくと、次第に竜崎に共感するようになる。
不思議だ。
結局、竜崎にどんどん惹かれてゆく。

そんな竜崎をテレビのドラマで観ることができる。
ファンにとってこんなに嬉しいことはない。
今からウキウキワクワクという状態。
(今野先生の作品を次々ドラマにしてくれる、某テレビ局に感謝!)

ドラマの中でも竜崎流を貫き通してほしいと思う。

外事警察小説の傑作!シリーズ最新刊、今野敏氏『アクティブメジャーズ』

今野敏先生の人気シリーズ、倉島警部補が登場する最新作「アクティブ・メジャーズ」を読みました。シリーズ4作目です。
巻を重ねるごとに公安刑事としてたくましく成長する、倉島警部補の活躍が楽しみです。

 

 

秘密組織「ゼロ」から復帰した倉島警部補のミッションは、同じ部署のエース葉山の身辺調査。
同じ日、新聞社の局次長がマンションから転落して死亡した。
自殺の線で事件の幕引きをしようとする所轄の方針に、倉島は疑念を抱く。
マスコミ界の大物の謎の死、そして、エース公安警察官に降りかかる疑惑。
その二つを結ぶ謎の女性。ロシア、マスコミ、公安部と刑事部との確執。様々な思惑が入り乱れ、事件の謎は深まる・・・。
「ゼロ」での研修のあと、公安刑事としてさらにステップアップした倉島警部補。
今回のミッションのために優秀な部下を使い、複雑に入り乱れている事件の謎を解き明かしてゆく。
倉島と共に動く、公安刑事・片桐と伊藤。動と静、この二人が対照的に描かれ、倉島チームが非常によいバランスで動いてゆく過程がこの作品の新たな魅力。また登場させてほしい!
そろそろヴィクトルにも登場して欲しいと思いました。

 

『アクティブメジャーズ』
著者:今野敏
出版社:文藝春秋
価格:¥1,600(税別)

ドラマ「ハンチョウ」の原作・安積班シリーズ文庫最新刊『烈日』

ドラマ「ハンチョウ」の原作、大人気警察小説シリーズ「東京湾臨海署安積班」の文庫最新刊「烈日」が発売になりました。今回は短編集です。
このシリーズ、長編はもちろん面白いのですが、短編集は長編とはまた違う味があり、読めば読むほど面白さが増す?そんな本なのです。

このシリーズがドラマ化されたとき、原作には女性刑事は登場していませんでした。
しかし刑事もののドラマというと必ず女性刑事が登場します。
だからテレビドラマ用に女性刑事のキャラクターを作ったんだなと思いました。
しかし、ドラマが進むにつれ、女性刑事の活躍が目立ち面白いと思って観ていました。
そしたら、今野先生はちゃっかり?(先生ごめんなさい。)原作にもその女性刑事を登場させちゃったのが、今回の「烈日」なんです。
最初の短編「新顔」は、まさにその女性刑事・水野が新たに安積班に配属されたところから始まるのです。
読んでいるとドラマの女優さんの顔がチラチラと・・。まっいいか。

安積班に新しいメンバーが配属されるらしいとの情報が!班の面々は当然男性だと思っていたが、現れたのがスラっとした、美人刑事で誰もが驚く。その女性刑事・水野は須田と同期らしい。そして元鑑識ということで、品川埠頭で発見された女性の変死事件を的確に推理する。
美人で優秀な女性刑事の登場に戸惑う安積班の面々がちょっと面白い。
『新顔』のほかに7編の短編が収録されている。
どれも面白いが、印象深かったのは表題作『烈日』。
牡蠣にあたったらしい、黒木と桜井が寝込んでしまう中、安積たちは女性が変死した現場に赴く。自殺と思われたが、須田と村雨の珍しいコンビの捜査で他殺の線が出てくる。
捜査本部が自殺説に流れる中、安積班は他殺の線で捜査。
炎天下、さらにメンバーが二人も欠けた中、安積・須田・村雨・水野は、所轄の意地をかけ真相究明に奔走する。そのとき、水野に対し村雨が心の中でつぶやいた言葉が胸に沁みる。
そしてもう一作品はラストの『厳冬』。
安積がとうとう風邪で倒れそうになる。それでも火災事件の捜査に出かけようとして、安積班の面々に疎んじられてしまう。安積がいなくても、村雨中心にやっていけると思うのだが・・・。安積が仲間の大切さを再認識させられる1編。

安積班の一年が連作短編の形で描かれる。
水野という新たなメンバーも加わり、よりいっそうチームの結束が固まる。
安積が、チームになかなかなじめずに悩む水野にかけた言葉がものすごく印象に残った。

安積班シリーズを読んでいると自分もメンバーの一人になったような錯覚に陥る。
ちょっと落ち込んだときこのシリーズを読む。そうするとメンバーに励まされているような気になり復活!ありがたいシリーズなのです。

『烈日 東京湾臨海署安積班』
著者: 今野敏
出版社:角川春樹事務所
価格:¥629(税別)

アウエーでも信念を貫く竜崎がかっこいい!隠蔽捜査シリーズ最新刊『宰領』

今野敏先生の大人気シリーズ「隠蔽捜査」の待ちに待った最新刊『宰領 隠蔽捜査5』を読みました。面白すぎて一気読み!!
今回は大森署署長の竜崎が、東京と神奈川県をまたいで起こった、誘拐事件と殺人事件の捜査のため、神奈川県警の本部で指揮をとることになります。
警視庁と神奈川県警の確執は周知のことですが、そんな完全アウエーの中で竜崎はどう采配をふるうのかが読みどころなのです。
国会議員が何者かに誘拐された!運転手は殺害され、車は乗り捨てられていた。
被害者が国会議員とあって、竜崎は現場に出かけて行く。
大森署に指揮本部が置かれることになり、警視庁からSITも呼ばれた。
やがて指揮本部に犯人と名乗る男から電話入る。
国会議員が連れ去られた場所は神奈川県であることが判明。
まず誘拐された議員の救出を優先するため、その方向で捜査は進められるが、すべてが神奈川県に関わってくる。
神奈川県警に前線本部を置くことになり、竜崎は伊丹から前線本部の指揮を任される。竜崎にすれば一介の所轄の署長がなぜ!と思う。
しかし伊丹の決心は変わらない。
何かとライバル視してくる神奈川県警の曲者たちと同等に渡り合えるのは、竜崎しかいないのだ。その意を汲んだ竜崎は伊丹の命に従うのだった。
原理原則に従い、自分の信念を貫く竜崎は物事の本質を見極める眼が確かだ。
事件の本筋を見誤ることなく、神奈川県警の前線本部でどう指揮を執るか・・・・?
今までは、竜崎ってちょっと天然入っているかなと思ったことが何度かあったけど、どうもそうではないことがこの回ではっきりしたように感じた。竜崎的人間攻略が面白いです。!!
チームをまとめ、物事をいちはやくしかも確実に成し遂げるために何が大切なのか!?「宰領」を読むとよくわかります。
「宰領」は警察小説でもあり、ミステリー小説でもあり、なんと!!マネジメント本でもあるのです。
『隠蔽捜査』シリーズ、読み終わった後の爽快感は最高です。
『宰領 隠蔽捜査5』
著者:今野敏
出版社:新潮社
価格:¥1,600(税別)

今野敏先生の「スクープ」シリーズ最新作!「クローズアップ」が凄く面白かったです。

テレビの報道番組の記者・布施と警視庁の特命捜査対策室・黒田刑事が主人公の「スクープ」シリーズ第3弾『クローズアップ』が先日発売されました。
はまさきも早速読みました!!これはシリーズ中一番面白い作品です!!
テレビ番組の報道記者・布施は、いままで度々スクープをものにしてきた。
今回も初動捜査中の生々しい殺害現場にたまたま出くわし、動画を撮ったことから事件に深く関わることになる・・・。
警視庁・特命捜査対策室で重要未解決事件を担当する黒田刑事は、布施とは事件捜査のさなか度々出くわし、なぜか一目置くようになった。
今回は布施が偶然撮った殺害現場が「ニュースイレブン」で放送され、黒田はそれを見たことで、何か気になりその捜査本部へ相棒の新米刑事・谷口を遣わした。
殺されたのは、ある週刊誌のライターだ。
黒田は継続捜査に回された過去の殺人事件を追っている。
どうもその事件と今回の事件は繋がりがあるように感じたのだ。
一方、布施は殺人事件にはあまり関心を示さない。布施が興味を持ったのは、大物政治家へのネガティブキャンペーンだ。
捜査が進むうちに、黒田はまたしても布施とぶつかる。布施と黒田が追うものはどうも同じだ・・・。二人が一緒に動くことで、事件の背後に蠢く巨大な闇を暴けるかもしれない・・・?!
警察官と報道記者が一緒に捜査するなんて現実にはありえないけど、この二人ならありうるかなと思わせてしまう凄さ。
また、2作目まではふわふわととらえどころのなかった布施という人物が、今回は懐の深さと、報道記者としての矜持も描かれて、実態を伴った人物としてすごく魅力的だった。
私は凄く好きになった。
「クローズアップ」は既刊の2作より、警察ミステリーとしても人間ドラマとしてもはるかに面白かった。
次々に出される今野先生の作品がどんどん進化していて、凄く面白い!こんなに面白い作品を次々と描かれるなんて嬉しくて仕方ありません!
今「宰領 隠蔽捜査5」を読んでいるけれど、凄いです。また感想をアップしたいと思います。
『クローズアップ』
著者:今野敏
出版社:集英社
価格:¥1,600(税別)